2013年06月03日

L.A. ギャング ストーリー/GANGSTER SQUAD

 かなり前にこの映画のポスターをシネコンで見て・・・このキャスティングでそんなに拡大公開大丈夫なの?、と心配になったあたし。 いや、ショーン・ペンとジョシュ・ブローリン、ライアン・ゴズリングにニック・ノルティ、アンソニー・マッキーにマイケル・ペーニャとあたし個人的にはすごく豪華キャストですけども(しかも『ミルク』とはショーン・ペンとジョシュ・ブローリンが追う側・追われる側の立場が逆だし)。
 それとも『ゴッドファーザー』・『アンタッチャブル』以降、ギャングものは日本でも一定の需要があるのか?

  LAギャングストーリーP.jpg まるでギャングな警察たち。

 1949年、ロサンゼルス。 ジャングの王として街を仕切る元プロボクサーのミッキー・コーエン(ショーン・ペン)はドラッグや銃器売買、売春などの裏の仕事で得た金で街を我が物にしていた。 賄賂と暴力で司法や行政をも取り込み、もはや誰もミッキー・コーエンには逆らえない。 しかしそれを苦々しく思う者たちも数は少ないながらも当然いて、その筆頭である市警本部長パーカー(ニック・ノルティ)はジョン・オマラ巡査部長(ジョシュ・ブローリン)に声をかけ、「バッジはしまっていい。 ギャングを壊滅させるにはギャングと同じやり方をしなければだめだ」と明快な命令を下す。 本部長の意を組んだオマラは、早速チームの人選に入るが・・・という話。
 オマラには妊娠中の奥さんがいて「危険なことはやめて」と懇願するも、戦争帰りのオマラにはそれはやらなければならないこと。 また奥さんがぐずぐず言って士気を崩すような展開になるのかなぁ、と心配してたら、奥さんはいきなり開き直っちゃってチームの人選にも協力的。 「そういういかにも有能な警官って評判の人には、すぐ賄賂が行ってるわよ」と、むしろはぐれ者を探すべきと進言。 そうね、あなたの旦那もどちらかといえばはぐれ者だもんね!

  LAギャングストーリー10.jpg そうして集まった“対ミッキー・コーエンチーム”。
 一匹狼で「どちら側にも与しない」がポリシーだったが、ミッキー・コーエンの情婦グレイス(エマ・ストーン)に一目惚れしたために、彼女を救うために手を貸すことにするジェリー・ウーターズ巡査部長(ライアン・ゴズリング)、受け持ち地域で唯一買収に負けなかったナイフ投げの名人コールマン・ハリス巡査(アンソニー・マッキー)、年齢的には上だが、早撃ちガンマンの系譜に連なるカウボーイ、マックス・ケナード巡査(ロバート・パトリック)、誘ってはいなかったがついてきたナビダ・ラミレス巡査(マイケル・ペーニャ)、腕っ節だけではだめだと頭脳派も探して、電気工学にも詳しいコンウェル・キーラー巡査(ジョヴァンニ・リビシ)にも加わってもらい、「子供たちのために“天使の街”を健全なものに」を心の中の合言葉にしつつ、チームは無茶苦茶なことをしていくのであった。

  LAギャングストーリー03.jpg これがまた、計画性がない。
 やることは行き当たりばったりである。 ミッキー・コーエンの自宅にひそかに盗聴器を仕掛けたり、売人をとっ捕まえて取引日時を吐かせたりして、現場に踏み込んでヤクや武器弾薬を爆発させて粉砕。 今後は電信電話を手中に収めて一気に利益と情報を管理する、と考えるミッキー・コーエンの考え方のほうが現代のIT化の先駆けのようで先見の明があるようにも思えるけど、地道で着実な攻撃のほうがまだ明確なダメージを与えられるようで・・・時代ですなぁ、と感じる。

  LAギャングストーリー08.jpg そんなミッキー・コーエンは、粗野な荒くれ者として描かれています。 賢さよりも暴力性が前面に。
 そこはいつものショーン・ペンが、更に情け容赦なくなったような感じで。 つい、『アンタッチャブル』のアル・カポネ(ロバート・デ・ニーロ)を思い出してしまう迫力あり。 アメリカではミッキー・コーエンはカポネばりの有名人なのでしょうか? 彼については最小限の説明しかなかったような。
 そう思うとこの映画自体、『アンタッチャブル』を思い出させる場面が多い。 オマージュ?
 ジョシュ・ブローリンがケビン・コスナーなら、ライアン・ゴズリングがアンディ・ガルシアってこと? そんでロバート・パトリックがショーン・コネリーだな。
 さすがにゲリラ戦ばかりしていたら街が壊滅してしまうので、最後は警官としての立場を取り戻して逮捕状を持ってミッキー・コーエンの滞在しているホテルに乗り込むのだけれど、そのホテルのロビーには広くて長い階段が・・・さすがに乳母車は出てこなかったけど、スローモーションの使い方とか『アンタッチャブル』を意識してますね!
 後ろから近づいてくる仲間にひょい、とライフルと鍵を軽く投げ、受け取る側もそれらをひょいとつかみ、といった動きは美しくて、かっこいい。 でも、耳を弄するほどにライフルを撃ちまくる姿に爽快感を覚えないといえば嘘になるが、いざそれを自分でやってもいいぞと言われても・・・あたしにはできないかな〜。 でも、そういう場面で「かっこいい〜」と感じてしまう(感じさせるような演出にもなっているんですけど)かぎりは、アメリカから全米ライフル協会をなくすことは難しいだろう、としみじみ。
 そんな重たいテーマもなく、さらっと見せてしまうこの映画、実話をもとにしていますがあくまで<娯楽作>に徹している感じでそれはそれで面白いかと。 脱力系なギャグもあったりするのは、監督が『ゾンビランド』のルーベン・フライシャーだからか(なるほど、エマ・ストーンの出演はそれつながりか!)。 

  LAギャングストーリー02.jpg この二人のシーンだけ、ちょっとメロドラマ風。
 ジョン・オマラのナレーションで進み、最後も彼のナレーションでしめくくられるのは統一感あり。 “バッジを持つ者”という人種の誰に押しつけられたわけでもない責任感とその悲哀がにじみ出る感じがよろしい。 「何が残るか」と言われると難しいですが・・・たかだか60年そこそこ前のアメリカはこうだったんですよ、という、でも今も続いている<実にアメリカ的な、正当にして無法なやり方>を俯瞰できる面白さがあるような気が・・・するけど。
 やっぱり、個人的に豪華キャスト、という点で非常に満足しました。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 04:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする