2013年03月16日

レ・ミゼラブル/LES MISERABLES



 今更ですが、ようやっと『レ・ミゼラブル』見てきました。



 もう、最初っから歌! まぁ、オープニングはつかみと状況説明があるから歌で入るのは



当たり前だと思っていましたが・・・まさか、全編ほとんど全部が歌とは・・・



 「やっぱりミュージカルって苦手かも」というあたしの資質が出てきてしまいました。



 はじまりは1915年。 パンを盗んだ罪で投獄されたジャン・バルジャン(ヒュー・ジャック



マン)が19年の刑期を経て仮釈放になる(実際は窃盗の罪は5年、その後脱獄をしたため



刑期が伸びた)。 警吏を務めるジャベール(ラッセル・クロウ)はジャン・バルジャンに



あやしいものを感じ、「ずっとお前を追い続けるぞ」宣言。



 まぁ、それもずっと歌なんですよね。 心情は歌、会話は台詞でやっていただけたら



個人的には何の問題もなかったんですが。 確かに、演技と歌の同時録音の素晴らしさ



(俳優のブレスは聞こえるが、雑音やら小道具の音なども一切入っていない)は感じました



けど。 ラッセル・クロウはストレートプレイの方が得意そうだったな・・・。



   今年、最高の感動を――。

                            愛とは、生きる力。



 感情・苦悩・葛藤などを台詞だけに頼らず、表情やしぐさで表現してくれるのが俳優の



すごいところ!、だとあたしは思っているので、詳しいところまで全部を歌で表現されて



しまったら・・・なんかつまらないのです(それでも、さすがヒュー・ジャックマンは歌い



ながらも細かな技を仕込んできていて、ミュージカルスターとしてのキャリアの確かさを



感じさせます)。



 それにしても、マドレーヌ市長になるまでの展開、早かったな・・・。



   確かに、アン・ハサウェイの『夢破れて』は

           感動的でした。 そこだけで泣けてしまう。



 実は『あぁ無情』は子供の頃に簡略版を読んでいて、で、7・8年前かしら、NHKで



フランス本国がつくったドラマ版『レ・ミゼラブル』(ジャン・バルジャンにジェラール・



ドゥパルデュー、ジャベール警部がジョン・マルコビッチ)を見たことがあるのですが、



これがすごくよくできてたんですよね。 2時間×3回ぐらいの時間のストレートプレイ



だったので、マドレーヌ市長になってからの「自分が名乗り出たらこの市の・工場の人々は



どうなるのだ」的葛藤も深かった。 ジャン・バルジャン対ジャベール警部の対立軸も



はっきりしていたし、最後の下水道のシーンなんて子供向け『あぁ無情』の挿絵と同じ



構図!、みたいなよろこびもあり、私の中では「『レ・ミゼラブル』はあれがベスト」のような



気持ちがあるのかも。 だから、ファンテーヌ(アン・ハサウェイ)の娘コゼットを預かって



いる悪徳宿屋の夫婦のくだりが不愉快で仕方がなく。 舞台で、シリアス調が続けば



息抜きとしてのコメディリリーフが必要なのはわかるんだけど、時代ものになると顔が



うるさいヘレナ・ボナム=カーターの存在が『スウィーニー・トッド』を思い出させるので



余計に(とにかく食べ物を衛生的に扱わないのが生理的に許せないのです)。



   コゼット、歌うまい。



 ミュージカルにしたのは長い話をコンパクトにまとめるためというのもあるんだろうけど、



まとめすぎなんだよなぁ、というのが印象。 後半の学生たちの革命運動の意義がよく



見えないし・・・ラストに流れる『民衆の歌』は力強くてよかったです(しかしこの2曲しか



印象に残っていない)。



 逆に、あたしは「ジャベール警部、かわいそう!!」になってしまった・・・早い段階で



ジャン・バルジャンはジャベールへの恨みや闘争心を捨てて自由になっているのに、



ジャベールは最後までそこから抜け出せなかったんですもの。



   また歌っているラッセル・クロウの不利感

    (決して歌が下手というわけではないのだが)もまた「ヒュー・ジャックマンに比べて

    かわいそう」と映ってしまうのも残念・・・。



 ジャベールに対してこんなにも同情的になる『レ・ミゼラブル』はあっただろうか!



 そう思ったら成長したコゼットとマリウスの恋の行方なんて結構どうでもよかったり(あ、



そういえばエボニーヌもかわいそうですね。 でも死にそうな時にそんなに歌っちゃうのね



・・・と思うとちょっと醒めてしまう意地の悪いあたし)。



 ミュージカルってむずかしい!!


posted by かしこん at 21:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする