2013年02月21日

ヒンデンブルグ 第三帝国の陰謀/HINDENBURG

 歴史モノの好きなあたしですが、この映画の広告を見たときは、「ヤバい、早く見に来なければ終わる!(妙な時間帯に押し込まれる)」と即座に認識。 一週目のレイトショーで見ました(事実、翌週からはひどいことに・・・)。
 なんでこんな勘が当たるのか。 ちょっとヤバいところがある映画だと自覚しているのに何故見に行ってしまうのか。 大作の振りしたB級映画が好きだからかも・・・。

  ヒンデンブルグポスター.jpg 国家(ナチ)の所為にはしない。 あなたを守る。
 飛行船ヒンデンブルグ号の爆発事故は20世紀の三大事故に数え上げられるほど規模もインパクトも大きかった。 現在でもはっきりした原因は不明とされているが、ここにナチスの陰謀がからんでいるという説を採用し、立場の違う若き恋人たちを入れて『タイタニック』風につくってやろう!、という製作者の意図がここまで丸見えなのもいっそすがすがしい。
 1937年5月6日、飛行船ヒンデンブルグ号はアメリカ側の着陸地点に到着した直後、爆発する。 その瞬間をまずはオープニングにとり込む感じ、これはテレビ映画か?!、と一瞬ひやっとした。 燃え盛るヒンデンブルグ号をバックにクレジットが出るが・・・イヤな予感。 人の名前はドイツ人なのだが、テロップのstory byなどの部分が英語!
 そして映画は<12日前>(だったかな?)に遡るわけですが・・・。
 出てくる人たちの会話が英語だよ!、とイヤな予感は的中(ちなみにドイツ映画である。 『レッドバロン』もそうだったがいい映画だったので一概に否定する気はないのですが・・・ドイツ映画を見に来て英語というのは違和感が拭えないよ)。

  ヒンデンブルグ2.jpg ヒンデンブルグ号の精密な描写がこの映画の売りでもあるらしい。
 飛行船ヒンデンブルグ号の設計技師マーテン(マキシミリアン・ジモニシェック)はグライダーが趣味。 今日も同僚で友人の幼馴染を巻き込み空を飛ぶが、最後の30秒で操縦ミスを起こして湖に不時着。 たまたま湖にいたアメリカ人ジェニファー(ローレン・リー・スミス)に助けられ、ついでに心まで持っていかれる。
 ヒンデンブルグ号の親会社“ツェッペリン”と、アメリカの石油会社“ヴァンザント”が主催のパーティーで二人は再会する。 ジェニファーはヴァンサントの社長令嬢だったのだ!、しかも許婚付きの。 しかしマーテンはそれくらいではくじけないのもお約束。

  ヒンデンブルグ3.jpg 確かにジェニファー、行動的だし美人だし。 しかしお育ち故なのか、肝心の会話は核心を突いたところはあえて喋らない・・・。
 ジェニファーの父がアメリカで心臓発作を起こして倒れた、という報がもたらされ、急遽翌日のヒンデンブルグ号でアメリカに帰国することになったが、その父親から「その船には乗るな」という伝言がツェッペリン社にまわり、マーテンがそれを伝えるために出発前の混乱の中ジェニファーを探すが、その前に婚約者のフリッツに出会ってしまう。 伝言の件を聞いたフリッツは突然マーテンに襲いかかり、格闘の末に「飛行船に爆弾が」と言い残す。 そしてマーテンは殺人者として追われる身に。

  ヒンデンブルグ6.jpg 男子トイレでの格闘。
 『タイタニック』を意識していながらも根本的に違うのは、随所に陰謀の空気を漂わせていること。 なんとかヒンデンブルグ号に忍び込んだマーテンをひそかに襲う男の存在などを要所要所でピックアップ。 氷山・凍りそうに冷たい海という人間ではまったく手に負えない存在が敵だった『タイタニック』に比べると、ナチスやらゲシュタポやらが絡む“陰謀”はどうも安っぽく映ってしまうのは否めない・・・。
 くしくもヒンデンブルグ号に乗り合わせてしまった人々の喜悲劇はそれだけで十分重厚な人間ドラマになりそうなのに、それをやってしまうと上映時間が3時間で足りなくなってしまうせいか結構さらっと流されてしまった感じが。

  ヒンデンブルグ8.jpg 皮肉屋の芸人さんが観客たちの人間模様を暴き出す役を一気に引き受けていらっしゃいましたが、役としてはおいしいと思う(見たことある気がするので、ドイツの実力派俳優さんなんだろう)。
 そして、着陸の時間が近づく・・・よく昔のニュースフィルムなどで引用されるシカゴ放送の<ヒンデンブルグ号爆破事件の実況中継>をしっかり再現してあったのが印象的。
 あれだけの大事故で、地上作業員を含む36名が死亡・・・というのは少ない方だったのでは?、と思ってしまった(勿論、大怪我をされた方はもっといたわけで、かろうじて助かったというだけの方もいらっしゃったであろうが)。
 なのに、なのに映画の最後はハッピーエンドなのである!
 キミたち、笑ってる場合か?!、とつっこみたくなるではないか。
 いやー、びっくりした。 この軽さが、世界市場向け?

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 06:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする