2013年02月20日

大鴉の啼く冬/アン・クリーヴス

 油断していたら、図書館に予約が入り延滞できなくなった『大鴉の啼く冬』
 こりゃ早く読まねばならん、とちょっとずつ読み始め、やっと半分。 今日はちょっと冷えたし、と久し振りに半身浴(+バブ・ゆずの香り)をしようと思い、そのおともに持ちこんだ結果・・・あと一章、もう一章と読むのを止められず、お湯が冷める結果に。 バスタブにお湯を追加しました。
 イギリス、ロンドンから北へ960キロの北海海上にあるシェトランド諸島が舞台のこの物語はイギリスなのにもかかわらず天候描写はほとんど北欧(北緯60度なので当然といえば当然)。 バイキング伝説が残り、本土から来た人間を“イングランド人”と呼ぶ田舎独特の排他性といい、近所の人々のことをみなが知っているような関係性といい、なんだか横溝正史的で妙に親しみを感じる(別におどろおどろしさはないのであるが)。

  大鴉の啼く冬.jpg “REVEN BLACK”という原題も素敵。
 が、それ故に読み始めは登場人物の把握に一苦労。 4人の中心人物の視点で事件と町が描かれるのだけれど、名前と関係が把握できるまでは「これ、誰?!」と登場人物一覧表に戻りまくった。 でも把握できたらぐんと進み、だから湯ざめしそうな破目に・・・。 海外物は最初の3分の1が勝負だ!
 女子高校生が死体で発見される。 その周囲では8年前に少女が行方不明になったまま今も発見されていない。 これらの事件にある類似点は同一犯の仕業だからなのか。 違うのならば犯人は二人存在するはずだが・・・というのがメインのストーリー。 しかし、町に住む人々の生き方そのものがこの物語の輪郭をつくっていく。
 知っている人が自分の思っているような人ではなかった、自分の知らない一面を持っている、というのは当たり前のことなのに、そのことを忘れてしまっているのは何故なのか。
 その事実におののくのは何か事件が起こってから。 つまりはそういう話なのだけれど、それが面白いですなぁ。
 こういうのを読むとその土地に妙に親しみを覚えてしまう(行ったこともないし、多分行くこともないのだが)。 なるほど、シェトランド諸島(舞台は本島であるが)の四季を知りたくなってしまうではないか。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 07:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする