2013年02月16日

アウトロー/JACK REACHER



 というわけで、トム・クルーズ新作『アウトロー』です。



 原作シリーズを2作読んでいたので、予告で遠藤憲一さんが言うほどハードで非情な



無法者ではないということはわかっていましたが・・・ほんとにそんな感じ。 というかむしろ



感情的だったり、完全無欠っぽい割にちょっとした油断をしちゃったりとかなり抜けている



(失礼、人間らしい、ですかね)。 けれどそれがどこかキュートに映る。 恋愛問題を



挟まないキュートなヒーローというのが、トム・クルーズの新しい形?



   その男 行き着く先に事件あり



 ピッツバーグ郊外で白昼堂々乱射事件が起こり、5人が死亡する。 警察は威信を



かけて証拠をもとに容疑者を短時間で割り出すが、連行されたその男ジェームズ・バー



(ジョセフ・シコラ)は口を割らず、メモに「ジャック・リーチャーを呼べ」としか書かない。



ジャック・リーチャーとは何者だ!、と警察が調査するさ中、事件を報道で知ったジャック・



リーチャー(トム・クルーズ)本人が訪ねてくる。 ジェームズ・バーはかつて陸軍時代に



イラクで無差別射撃を行い人を殺したが、証拠不十分で軍法会議にかけきれなかった。



次に何かやったら俺が必ず追い詰める、と約束していたという。



 そんなリーチャーは元陸軍の憲兵だった男。 今は除隊し、住所も車も携帯も持たず、



軍からの恩給は電信振り込みで受け取り、居場所を特定されるデータをどこにも残さない。



移動手段はバス、服も古着屋で一式買って着ていたものをそのまま寄付袋に入れる。



   それまでは毎晩シャツなどは自分で洗濯します。



 何者にも執着しない、なにも所有しない。 そんなリーチャーの個人を描写する部分は



デジタル時代に逆行してて面白かったです。 そう、本人は結構大真面目なんだけど、



何気ない仕草がユーモラスだったり、ストーリーの緊張と緩和に役立ってる?



 いちばん笑えたのは、カーチェイスの果てに車を降りてバスレーンに並ぶところ。 バス



利用者たちには何か特定の連帯感があるのか?、と思うほど同じくバスを待つ人たちが



事態を察知(?)してリーチャーをかくまってくれるところがすごく面白い。 けれど、



自家用車を持つ者と持たざる者との間に目に見えない境界線があるように、そこに明確な



階級社会があるのだということならば・・・笑いごとではなかったりするんですがね。



   あえてその境界を行ったり来たりすることで

     真実をあぶり出そうとするリーチャーだが、彼の立場はバス利用者側なのだ。



 冒頭のスナイパーが誰を撃つのか、とハラハラさせる場面は、そのハラハラ度を高める



故に観客にヒントを提示してくれるというか・・・監督が『ユージュアル・サスペクツ』の脚本家



クリストファー・マッカリーだけにフェアなんですけど、だから早々にわかってしまうことが



ある・・・それでも「内部の裏切り者は誰か」を最後まで引っ張ったのはお見事です(しかし



黒幕の意味合いとかがはっきりする前に事件を見限るジャック、早い・・・)。



 せっかくリチャード・ジェンキンスが出ているのに結構中途半端な役柄だったり、一応



ヒロイン的役柄であろう弁護士のヘレン(ロザムンド・パイク)の扱いも微妙。 恋愛が



絡まない女性は活躍できないのか(といってもヘレンは役立たずというわけでもないの



だが・・・)。 ま、トム・クルーズの活躍がメインだからな、と思ったらかつての軍人として



射撃場のオーナー・キャッシュ(ロバート・デュヴァル)が登場し、おいしいところを全部



持っていくよ! ロバート・デュヴァルがキュートすぎるぞ!



   主役交代ですか?、なほど

      存在感が半端ない(もともとあたしがガンコジジイが好きってせいもあるけど)。



 いろいろ銃があるのに、結局決着をつけるには肉弾戦だったりするのには『ユニバーサル・



ソルジャー リ:ジェネレーション』を思い出したり。 しかしそれが名誉の問題だということ



なのであれば西部劇までさかのぼるのか?



 ちなみに「流れ者」は劇中ではdrifterと表現されていました。 どこから来たんだ、



アウトロー(日本語の中での認知度の問題か)。



 事件としてはほったらかしのネタもあるんですが、人間との深い関わり合いを持たない



ことに決めている(そのわりにはちょっとおせっかいな面もある)リーチャーにしてみれば



あとはどうでもいいことなのかも。 しかし観客にはフラストレーションだ!



 しかしこんな、ちょっとお茶目でまぬけなところのある有能で手段を選ばない男をまた



見せてくれる、というのであれば、シリーズ化はやぶさかではない。


posted by かしこん at 18:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする