2013年01月30日

もうひとりのシェイクスピア/ANONYMOUS



 これは予告を見て「面白そう!」と思ったのだが・・・監督がローランド・エメリッヒで



あることにしばし絶句。 特撮大好きなだけの人ではなかったんだ!



 とはいえ、映画は現代のブロードウェイから始まる。 タクシーから降りて劇場に



飛び込んだ舞台人(デレク・ジャコビ)が語り手として展開する舞台劇、という体裁で



物語は進んでいく。 やはり特撮、使いたかったのね。



   「ロミオとジュリエット」「ハムレット」・・・あの名作を書いたのは別人だった

     エリザベス王朝の愛と陰謀が交錯する歴史ミステリー



 16世紀のイングランド、エリザベス一世の時代。 町の芝居小屋にサウサンプトン伯



ヘンリー・リズリー(ゼイヴィア・サミュエル)につれられてきて、その舞台と観客の熱狂を



目の当たりにしたオックスフォード伯エドワード・ド・ヴィア(リス・エヴァンス)は、劇作家



ベン・ジョンソン(セバスチャン・アルメストロ)に早速接触する。 実はオックスフォード伯も



若き日から戯曲を書きためていて、子供の頃には自ら劇団を率いて宮廷内で芝居を



披露していたこともあったのだ。



 ところが、芝居は人間を堕落させると考える時の宰相ウィリアム・セシル(デヴィッド・



シューリス)によって女王や貴族を小馬鹿にしていると判断された芝居は中止にされ、



弾圧される。 自分の名で戯曲を発表できないオックスフォード伯は匿名で上演しようと



するが、大成功の舞台のアンコールで劇作家として登場したのは売れない役者にすぎない



ウィリアム・シェイクスピア (レイフ・スポール)だった・・・という話。



   ただの栄誉泥棒です。



 シェイクスピア別人説としてはオックスフォード伯エドワード・ド・ヴィアはこれまででも



かなりの有力候補で、そこに新鮮味はないのだが・・・オックスフォード伯の人生そのものを



ドラマチックに描き、だからこそシェイクスピアの諸作品が書かれたように思わせながら、



実はこの映画のストーリー自体もまたシェイクスピアが書いた、まったく新しい作品なの



では・・・という気が途中からしてならなかった。



 それは面白くなかったということではなくて、とても“シェイクスピア的”だったからだ。



   サウサンプトン伯とオックスフォード伯の

    <年の離れた深い友情>の意味とか。 『ノッティングヒルの恋人』でとぼけた

   友達をやっていたリス・エヴァンスが重厚に違和感なく貴族を演じてるってことに

   時の流れを感じます・・・。



 代替わりした宰相ロバート・セシルと決して意見が一致することのない不毛さの前に



立ち尽くすしかないオックスフォード伯(しかもオックスフォード伯の妻はセシルの姉で



あり、書くことに魅入られてしまっている夫よりもセシルの家の方を取る残念な奥様)。



しかし庶民を芝居で覚醒させて扇動し、ひそかに女王の意見を変えさせようと図るのは



純粋に芝居の面白さの追求ではなくて権謀術数に利用したかったからではないだろうか



(そういう思考から抜けられないというか)・・・という感じもしなくはないので、やはり彼は



お貴族さまだったんだなぁ、みたいな。



 でも見ごたえはあったんですよね。 若き日のオックスフォード伯とエリザベス一世との



エピソードなんていかにも!だし(というわけで時間軸も行ったり来たりしますが)。



 もしかしてあたし、シェイクスピアのことちょっとずつわかってきてる?!、という驚きも



感じつつのコスチュームプレイ、楽しみました。


posted by かしこん at 05:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする