2013年01月25日

大奥 〜永遠〜 [右衛門佐・綱吉篇]

 結局、観てしまいました。 以前の『大奥』(吉宗篇)に比べればかなり原作の重要なエッセンスを忠実に残してるみたいだったし(とはいえ、堺雅人が目当てなのが本心・・・)。

  大奥ポスター.jpg 孤独なふたつの魂はやがて永遠の愛に――

 冒頭、貧乏公家としての京都時代の右衛門佐(堺雅人)が映るが、その目は虚無そのものである! そこは「ひえーっ」と思うほど寒々しく、右衛門佐のどうしようもないつらさを感じましたが・・・演技として感銘を受けたのは残念ながらそこだけで、序盤の主役は西田敏行、そして後半に向けて菅野美穂にすべてを持っていかれており、こんなことならファーストクレジットは菅野美穂でよかっただろう!、という結果に。
 まぁ、ドラマの流れから彼が主役という扱いになってしまうのはビジネス上いたしかたないのかもですが、映画しか観ない人もいるわけですし。
 赤面疱瘡のため男子が激減している日本、将軍職が女子継承となって三代目ともなればそれが当たり前となっている状態で、現在は徳川綱吉(菅野美穂)の治世である。大奥では綱吉の父・桂昌院(西田敏行)とお世継ぎ松姫の実父・お伝の方(要潤)側と、公家出身の御台所(宮藤官九郎)側の勢力争いが繰り広げられていた。 御台所は自分たちの力を盤石のものにするため、京都から美と才を兼ね備えた公家の右衛門佐(堺雅人)を呼び寄せるが、彼には彼の野心があり・・・という話。

  大奥3.jpg 政事をやりながら世継ぎも産まねばならない・・・って、想像以上に大変なことだとわかります。
 しかもそれが生まれながらに決められた宿命とあっては・・・時代とか人権とか、そういう言い訳の入り込めない部分もあることを感じてしまう。

 結局、大奥を舞台にしている以上、その中心にいるのは将軍なのだが、その将軍は頂点に立つが故に絶望的に孤独、というのが結構がんばって描けていたのでは・・・という印象。 ただ、原作では右衛門佐後に感動的というか衝撃的なエピソードがあるのだが、映画では右衛門佐と綱吉の関係を重視したがためにそこは描かれず、柳沢吉保(尾野真千子)と正室である御台所の綱吉への愛情が早々に小出しにされるのが残念でした。 でも宮藤官九郎はちょっと面白かったので、もうちょっと出番がほしかったかな。

  大奥6.jpg この二人のやりとりも面白かったですけどね。
 お伝の方はほんとに役立たずで、笑うしかない。 要潤にも賢いめのイメージがあるので、情けなさがお見事です。

 有功とは見た目はそっくりだが全く性格の違う右衛門佐ではあれど、彼の内面にはほとんど踏み込んでいない。 自らの野心のためというか、貧乏から這い出るために大奥での地位を望むのだと公言はしていても、生類憐みの令に対して綱吉に苦言を呈するのは実は民のことを考えているからでは!、この国の行く末のことも実は誰よりも気にしているのでは!、というのが右衛門佐というより堺雅人のイメージから感じられて、最後まで謎の人だった・・・。

  大奥4.jpg 貧乏公家設定なので、めちゃめちゃ細いのはよかったです。 身体の厚みがないことにどよめくよ。
 でも序盤、右衛門佐が大奥についてすぐの時期は常にずっと何か食べている・・・という描写はちょっと面白かったです(絶え間なく大福を食べつつけながら台詞をよどみなく言うのは大変だったろうなぁ。 でも太らないで!、とハラハラもしていた)。
 というわけで菅野美穂に完全に食われ、秋本(柄本佑)にさりげなくおいしいところを持って行かれ、堺雅人ファンとしては(少々つらい京都弁も含めて)、いささか不完全燃焼でございました。

ラベル:映画館 日本映画
posted by かしこん at 05:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする