2013年01月21日

全然違うけど、どこか似たような二人



小銭をかぞえる/西村賢太



 あの『苦役列車』のその後、デビューして多少なりとも収入を得るようになるけれど、



やっぱり貧乏からは抜け出せない・むしろ貧乏上等な日々、というか・・・。



   それでも何故か女性と同棲しています。



 “私小説”という看板を掲げる西村氏、自分のしたことをここまで赤裸々のかつ客観的に



描くという勇気をまずは称えたい(普通なら絶対恥ずかしくて止まるか、あえてかっこつけ



たくなるかどっちかだろう)。 いや、かっこつけてないわけではないのだけれど、そんな



自分すらも読者に笑い飛ばしてもらうというか。



 この方も十分、アダルトチルドレンの資格あり!



 彼女や彼女の家族に借りたお金、返したのかなぁ・・・と他人事ながらちょっと心配に



なりました。 この彼女さんは、その後別のところで幸せになってくれるといいんですけど



・・・だめんずにひっかかるな!





探検家、36歳の憂鬱/角幡唯介



 探検家のエッセイ集。 冒頭の、「合コンに行っても年齢や職業で私は即座に女性に



はじかれる」的くだりで、なんか、西村賢太と似ている?、と思ってしまいました。 しかし



彼の生い立ちは西村氏とは正反対。 むしろ全て持つ者が持たざる者に対して罪悪感を



持つ、かのような佇まい。



   彼もまた、この現代で「探検家」を名乗ることに

         自分でも整理できない感情を抱いているらしい。



 ま、「登山家」以上に胡散臭いですよね、「探検家」って。



 筆者としては探検に出かけ、その過程をルポルタージュとして発表したいから、職業と



してはルポライターが正しいのかもしれないけれど、自分の気持ちとしては「探検家」を



名乗りたい、という心情があるようで、そして作品を発表するためには生きて帰ってこな



ければならないのだから無茶をする気はないが、無茶になるかどうかは行ってみないと



わからない・・・というアンビヴァレンツを抱えておられるようだ。



 しかしそういうこだわり、本人以外には結構どうでもよかったりしますけど(ひどい)。



 出色は、3.11の日に日本にいなかったために東日本大震災を体験できなかった



筆者が、被災地を訪れて追体験をするくだり。 それはあたしもちょっとそうですが、



ある種の喪失感なんですよね。 そこは共感できました。



 ルポライターだけでなく、エッセイストとしてもやっていけそうな余力あり。


posted by かしこん at 03:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする