2013年01月18日

シェフ!〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ/COMME UN CHEF



 あたしはすぐれた料理人のつくる料理に愛着がある。 だからフレンチシェフの



物語となれば見ないわけにはいかないだろう!、という感じに。



 天才的な舌の記憶を持ち、古今東西の名シェフの料理を再現できるジャッキー



(ミカエル・ユーン)はそれ故に料理に妥協を許さず、それを客にも強要するために



店をクビになってばかりの見習いシェフ。 恋人が出産するので心機一転、最低



半年は続けられる仕事を、とペンキ職人に。



 一方、パリでも有数の三ツ星レストラン<カルゴ・ラカルゴ>のシェフ、アレクサンドル



(ジャン・レノ)は次の審査を前にスランプから脱出できないでいた。 折りしもオーナーが



代替わりし、アレクサンドルの良き理解者であった先代は老人ホームへ。 その息子で



ある新しいオーナーは金もうけ主義で、星がひとつでも減ったらアレクサンドルをクビに



するという。 そんながけっぷちのふたりが出会って・・・という話。



   愛と美味しい料理があれば、人生は三つ星☆☆☆



 とはいえ、「この料理が!」みたいに強く印象に残るものはなかったりする。 やはり



大事なのは仕事に対する姿勢だったり、<初心わするるべからず>だったり、みんなで



協力し合うことだったり、相手のことを思いやることだったり・・・という実にまっとうな物語



なのですが、それがファンタジー仕立てになってしまうという現状がかなしいかも・・・。



 ジャッキーにはいくらレシピを完璧に再現できる能力があっても、完璧なレシピを一から



作り上げることはできない。 そして天才シェフはかつて自分が作ったレシピの完璧さを



忘れてしまって、ジャッキーによって自分でも忘れていた味を思い出して驚く。 お互いが



お互いを補い合える関係なのが映画として見ていて楽しく、無理がないので好き。



   きっかけのスープ。



 物語はありきたりですが・・・それでも笑ってジーンとできるハッピーエンディング、と



いうのはいまどき貴重だと思います。



 何故か“トンデモニッポン”描写も出てきますが・・・これ、どこまでわかってやっている



のかな、と思う。 しかし東京のフォーシーズンズのオープニングに立ち会ったという



アレクサンドルはさすがの日本語遣いで、ドラえもんをやっているのはダテじゃないな!、



と思ったり(それもまた日本人限定で笑うとこ)。



   誰かのために作る料理こそが基本!



 分子料理については<エル・ブリ>などに対する皮肉が込められているのかな、と



思ったけれど、意外と現在のフランスにおけるフレンチでは主な潮流なのか、ということに



ショックを受けたり。 まぁ、日本でもおせち料理に様々な国の料理のエッセンスが入って



きてるし、それと同じようなものなのかしら・・・でもキッチンが調理場というより実験室に



なってしまうから、あたしはあまり分子料理が好きではないけれど・・・(ソースを泡状に



する、ぐらいはありとしても)。



 かたくなに、伝統を守る人が一人ぐらいいたっていいではないか。



 だから、非常にバランスのいい映画であった。 新年一本目に見るのにふさわしい



コメディ、というか。 ジャン・レノ、キュートですし。


posted by かしこん at 06:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする