2012年12月16日

ミステリーズ 運命のリスボン/MISTERIOS DE LISBOA



 なんと、前後編にわけての公開。 合計4時間27分。



 料金も普通に映画二本分でした・・・。



 あぁ、これこそ「語りは騙り」、そのものの映画ではないか!



   人生は、愛と秘密に満ちている――



 舞台は19世紀前半、王政派とリベラル派による内戦が勃発していたポルトガル



王国。 名字のない14歳の少年ジョアンは名字がないことを周囲にからかわれ



つつ、孤児院で暮らしている。 彼はディニス神父(アドリアーノ・ルース)の保護下に



あるが、何か事情を知っていそうな神父もジョアンには何も語らない。



 そんないかにも!、なストーリー展開で幕を開けますが、もう画面のそこかしこに



仕掛けが! 神父が庭園ぽいところで喋っているとき、その二人以外にその庭にいる



人たちは人形か?、というくらい動きがなくて。



 別の場面では成長したジョアンが舞踏会である女性に一目惚れするのだが、



そこからは二人の動きは足を上げずに床を滑っているかのよう(実際そう撮っている



のだと思う、他の人は普通に動く)。



   ジョアンに与えられた紙芝居は、

          次第に現実に(現実が?)侵食する。



 あと、基本的にワンシーンはワンカット、長回しの積み重ねはゆったりしたリズムを



否応なく作り出し、カメラが壁をもすり抜けていく不思議さを次第になんとも思わなく



なる不思議。



 映像美と実験性の華麗なる融合?



 ストーリーはごった煮です。 そもそも、筋の通った物語などあるのかどうか。



 『クリムト』の監督さんだそうで納得・・・あれも後半は夢と現実がないまぜとなった



幻想として処理されたような。



 この長さそのものがこの映画の価値なのかも・・・長く、幻惑される夢を見た。



 そんな感じがする。



 多分、そのこと自体がものすごく贅沢なんだろうな、とも思う。



 合わない人には合わない世界だ・・・(実際、前半のあと、意味がわからないと後編の



チケットを払い戻ししたいという押し問答が繰り広げられているのを見た)。



 あたしもさっぱりわからないのですが・・・でもこんな夢の世界に身を置くことは滅多に



ないので、ちょっと楽しめましたよ。


posted by かしこん at 05:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

今日は、4冊



 風邪気味なのに調子に乗って、夜中の本屋をうろうろ。



 ほんとは5冊ほしかったのですが、4冊しか見つけられなかった・・・来週、大きな



本屋さんに行くしかない(時間、間に合えばいいが)。



 まずはこちらから。



   プラネット 1巻/遠藤淑子



 5か月連続刊行第4弾。 あとがきはまた力尽きていますが・・・。



 『午後のお茶は妖精国の森で』の番外編の中の一編がこの物語の第一話、という



・・・見切り発車というか行き当たりばったりというか。 しかしその妖精国の出来事と、



はるか未来の出来事とが次第にリンクしていく様子は、遠藤淑子唯一のシリアス長編



『ヘヴン』にもつながる要素はありそうで・・・この人、ファンタジーについてはからっきし



だけどSF的センスはあると思うので、ちょっとこのシリーズがどこに行くのか見極めたい。



   やじきた学園道中記U 5巻/市東亮子



 津軽編、2巻目ですがまだまだまとまる気配なし。 作者が津軽に幻惑されているよう



なので、まだ続くのかも。 あたしは個人的に、台詞として文字で打たれている津軽弁に、



笑いが止まりません。



   ちはやふる19巻/末次由紀



 なんかもう今回は、カバー折り返しに引用されている短歌<心あてに 折やば折らむ



初霜の おきまどはせる 白菊の花>を詠んだだけで泣きそうになっている。



 内容はただひたすら、吉野会大会における試合の連続なわけですが・・・勝ち上がって



くる人に読者はそれなりの感慨を持つようになっているわけで、ただ試合を傍観している



わけにはいかんのです。 原田先生のおとなげないほどの勝利への執念とか、敵は目の



前の相手なんだけど自分自身が敵だったり、それでも「ここにはかるたが楽しい人しか



いない」と気づいたときの解放感めいたものとか、そういうのにいちいち反応して目の奥が



熱くなるあたし。 今回、顧問なのに一言だけの先生の台詞「た、襷・・・っ」にも、多分



ここは笑うところだが、泣いちゃった・・・。



   3月のライオン 8巻/羽海野チカ



 よく考えたらこれも戦いを、競技を描いた作品なんですよね。 同時期に新刊が出た



ことなかった気がするから明確に比較したことなかったけど。 『ちはやふる』が意外と



体力勝負のにぎやかさの中にある音だとすれば、将棋を題材としたこちらは驚くほどの



静寂そのもの。 しかも零くんの宗谷名人との対決がメインなのかと思いきや(表紙見て



びっくりしました)、実は主役は柳原名人でした!



 <老い>は身体も気力も衰えさせる。



 しかしそれでも先へ進もうという人の覚悟たるや!



 あたしの「頑固爺さん好き」な理由って、こういうこともあるのかな・・・と感じたりして、



納得。 それ故に、また泣きそうになったりもして。





 探し出せなかったのは、『妖精派遣カンパニー』でした。 来週こそ!


posted by かしこん at 04:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする