2012年12月06日

やりたいことは二度寝だけ/津村記久子

 タイトル見て、「わっ、わかるわ〜」と思った。
 はい、あたしもダメな人間です。
 芥川賞作家のエッセイ集であるが、この人のエッセイをあたしはかつてNBOで月1に連載されていたのを読んでいたことがあるのだが、その中で特に印象に残っているのが父親の話。 もしかしたら記憶が違ってるかもしれないけれど、筆者の父親は昔母親と離婚して家を出ていて音信不通だったのだが、死んだみたいな連絡があり、しかもいろいろごたごたを残してくれたらしい。 その後片付けでうんざりして、葬式に出るべきなのかどうかすごく迷って、結局出なかった・・・という内容だったと思うのだけれども(違っていたらほんとにすみません)、あたしはそれにすごく共感したというか、「そりゃ、そんな葬式なんか出てらんないよなぁ」と深く頷いたのであるが、オンラインに連載ということはコメント欄がつくということである。 その回だけものすごいコメント数がついて、内容は筆者を非難する内容が多かったのである!
 曰く、「それでも父親なんだから恩を感じるべきだ」とか。
 待て!、迷惑かけられ通しの娘が、何故に恩を感じなければならない!
 NBO読者層の多くがこの父親世代に当たるのだということを思い知り、なんかいろいろ大変だな・・・ということを思い知ったのだった。

  やりたいことは二度寝だけ単行本.jpeg この脱力気味の表紙もステキ。
 ともかくも、それであたしは勝手にこの筆者に親近感を持っているのである。 以前に読んだ『アレグリアとは仕事ができない』も面白かったし。
 で、この本にその父親エピソードがあれば記憶を補完したいと思ったのだが、載っていなかった。 けれど十分面白かった。 電車で読んでいたのだが、思わず吹き出して笑ってしまうほどであった。
 ノートに対する偏愛とか、メモ帳の自分内ランクとか、あたしはここまでではないが気持ちとしては近いものがあるよ〜、であるし、自宅で仕事ができないからカフェでやる、とかも一緒です!、という感じで。 大阪の天神橋筋商店街へのひとかたならぬ愛情とか、ベタのイメージの関西人とはまた違う“大阪の人”の印象を与えてくれます。
 ただあたしは、カルフールの天井まで積み上がった棚に詰め込まれた大量のキットカットを見て、賞味期限や在庫管理のことは頭をよぎらない気はする。

 あ、肝心の二度寝についてであるが、あとがきに書いてみたらあまりにも「悲願!」という感じで自分でひいたため没にした、とのこと。 二度寝について読みたかったのに!、という方がいたらごめんなさい、とありました。
 はい、読みたかったです。
 そして、この人の小説をもっと読んでみたいなぁ、という気持ちになりました。

ラベル:エッセイ
posted by かしこん at 06:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする