2012年12月18日

みんなで一緒に暮らしたら/ET SI ON VIVAIT TOUS ENSEMB



 あ、また原題が切れたか。 “ET SI ON VIVAIT TOUS ENSEMBLE?”です。



 なんでこの映画見ようと思ったんだっけ?、とぼーっとしてしまい、「あ、そうだ、



ダニエル・ブリュール出てるからだった」と思い出す。 やばいぞ、あたし。



   仲間と笑顔とシャンパンと素敵なお家があればいい!

              人生の、最高な最後の選択



 昔からの友人であるアルベール(ピエール・リシャール)とジャンヌ(ジェーン・



フォンダ)夫婦、ジャン(ギイ・ブドス)とアニー(ジェラルディン・チャップリン)夫婦、



そして一人暮らしのクロード(クロード・リッシュ)は昔と変わらぬ友人づきあいを今も



続けていた。 しかしクロードが心臓疾患で倒れ、息子によって専門施設に入れられて



しまうとこれまでのような<自分たちの望む暮らし>ができない、とジャンとアニーの



家にみんなで揃って共同生活をすることに。



   楽しい生活のようですが・・・。



 実はジャンには痴呆の気が出ているし、体力ないのに大型犬の散歩に行くため



怪我も絶えないことにうんざりしたアニーは若者(ダニエル・ブリュール)を犬の



散歩係に雇い、民俗学を学んでいてある一定の集団に起こるふるまいを研究



テーマにしようとしている彼をうまく丸めこみ、老人コミュニティのオブザーバー&



何でも係として引き込む。 実はアニーも病気であることを隠しているし、なんと



いうんでしょうか、フランス的個人主義の徹底さを実感した作品でした。



 友人たちで助け合って生きる、という発想は確かに美しいですが、実際の生活に



美しいも何もなく、いろいろ起こるトラブルもお金で解決。 そもそも、5人+1人が



生活できる大きな家をもっている人たちなんだからブルジョアなんでしょうけどね。



 そうか、お金があって生活が安定しているからこそ、他者への気遣いができるのか



・・・と思ってしまったり。



 基本はコメディなんだけど、根底にあるクールさがただの笑いでこの映画を終わら



せてくれなかったところがありました。 それもまた、徹底した個人主義思想故かなぁ。



   ダニエル・ブリュールは『コッホ先生』の

           ときより明らかに若返っていてよかったです。



 俳優陣のレベルは高く、だからこそ「お金持ちだからの話じゃん!」と反感を買わずに



すんで“すべての世代に<老い>とは何かを考えさせる”内容になっているのかも。



でもこの年代になってもリアルに恋愛問題が絡んでくるのがさすがフランス人です!



それでもやはり孫の歓心を買いたいところが笑えるけど侘しい・・・(徹底した個人主義は



どうした)。 日本だと、というかあたしのまわりだと、このままずっと独身だったら派と、



結婚してるけど夫が先に死んだ場合派で、もし一人になったら老後はみんなで一緒に



暮らそうよ案が結構昔から出ているんだけど・・・だんだん現実味を帯びてきました。



あくまで女だけで、というところがフランス人とは違うところ。



 そしてこの映画は容易くお涙ものにしないこと、解決策を安易に提示しないこと、人を



思う気持ちに正解はない、といった<それでも人生は続く>というフランス映画特有の



エンディングになだれ込むのもお約束。



 深く心に残る作品、というわけではないけれど、それでも「失敗だった」とは思わない。



 あぁ、フランス映画だなぁ、でした。


posted by かしこん at 07:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

59.32%・・・



 先日の衆院選の投票率が出た。



 59.32%って・・・(絶句)・・・低すぎるんじゃないの!



 期日前投票の出足が低調なのはどこに・誰に入れるかぎりぎりまで迷っているのか、



最高裁判事の国民審判のための情報集めに手間取っているのかと思っていた(いつも



なら比較的早めに行くあたしも、今回はぎりぎりでしたから)。



 そうじゃないのかい!



 仕事場の人に、「国民審査、困りますよね」と聞かれたから「え、最高裁判所のホーム



ページに経歴一通り載りますよ。 抜粋でよければ選挙公報が火曜日か水曜日あたりに



入ってきたからそれ読めばいいじゃないですか」と答えたら、「そんなこと、これまでした



ことなかったです!」と言われる・・・選挙権もらって10年近くなるんだろう! なにをやっ



とんじゃ!、である。



 てことは、この投票率の低さは「民主はもうダメだが自民もあれだし、第三局はわけ



わかんないからやめとこう」と判断した人たちが多かったということか?



 投票率が70%を越えてくれないと、どうなるのか!、のハラハラ感が薄くてつまんない



よ〜(20時に投票を締め切って、数分後には当確がバンバン出るってなんなんだ)。



 とまぁ、16日・日曜日の夜は珍しくリアルタイムで地上波のテレビをザクザクザッピング



しながら見たのだが、テレ東系の池上彰氏がメインキャスターをしていた番組がいちばん



面白かったよ、いろんな意味で。



 テレ東だから視聴率気にしてない、というのもあるのでしょうが、レギュラーやめて



スポンサーに気を遣う必要のないなんとも身軽な池上さんが誰彼構わずさらっとつっこむ。



「その話、してもいいんだ!」ってこともさらりと流す。 そして番組自体もそんな池上さんの



姿勢をバックアップするようなつくりで・・・もう候補者の当落がどうでもよくなるほどにつくり



込まれた細部に釘付けです。



 映し出される候補者の名前には<世襲>・<労働組合>などとラベル分けされたものが



貼られ、過去の経歴から最近のどうでもいい話題、寸評などが踊る。



 なにしろ石原慎太郎に対しては「ニックネーム“暴走老人” 公式HP『宣戦布告』」とか



書いちゃうし・・・実際にインタビューの最中に石原氏が今回の選挙制度について文句を



言い、「今時こんなことをしてるのは(日本の他に)北朝鮮かフィリピンかパプアニュー



ギニアぐらいなもんだよ」と明らかにまたも問題発言になるところを池上さんがさらっと、



「フィリピンやパプアニューギニアと北朝鮮を並べて論じるのはどうでしょうかねぇ。 それ



だから暴走老人と言われてしまうんですよ」と諭し、「私はただ事実を言っているだけだ」と



憮然とする石原さんに「はい、そういうことが言いたかったんですね。 でもそのたとえは



問題あると思いますけどね。 はい、いいです、わかりました」と更に何か言い募ろうとした



石原さんをスタジオから切る、という荒技を展開(でもこれのおかげで問題発言にならな



かったんだと思うけど。 やはり慎ちゃんは作家なんだし、もっと言葉を選ぶべきよね〜、



特にそのときは別に言わなくていい言葉だったわけだし)。



 あと、東国原英夫に対して「恐るべき上昇志向」と書いてあったのも笑った・・・。



 創価学会と神社本庁の加盟人数を比較し、「でも神社本庁は特定の政党を支援しては



いませんからね〜」と言ってみたりといろんな意味で面白かったですよ。



 でも、池上さんの本意としては、事前に町でロケした候補者のポスターや街頭演説の



ことなどから考えて、“選挙をひとつのイベントとしてとらえ、有権者はそれを楽しむ



気持ちで投票に参加してはどうですか”という提案なんじゃないのかな、と。 いろんな



ことにやんわりさらっと踏み込むのも、選挙にタブーがあっては有権者は楽しめない、と



いう意識があるからかも。 池上さんがどういう思想信条の方かは存じ上げませんが、



そういう姿勢は今のところ他のどんなキャスターにもないものだから、池上さんが今後も



選挙番組をやるようなら見ようかな、と思っております。


posted by かしこん at 06:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題・ニュースに思うこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月17日

山口華楊展@京都国立近代美術館



 気がつけば最終日の山口華楊展である。



 前日までの悪天候とは打って変わって小春日和の京都は街中を歩く人が多い。



 そして辿り着いた岡崎公園(美術館があるところ)の山口華楊展パネル見て、一瞬



絶句。 なんか違う!



   <黒豹>(部分)



 ポスターはヒョウだし、パネルはライオンにトラである。 何故そんなにも、肉食獣?



 そしたら、実は期間中に展示替えがあったらしい。 えっ、最初に見たポスターに



載ってた絵はないわけ?!、とハラハラ。



 階段あがって、冒頭からライオンさんの登場である。 山口華楊の描く肉食獣は



全体的にアフリカのジャングルにいる感じがしない。 なんとなく、話しかけたら喋り



返してきそうな気がするのだ。 民話的というか物語の挿絵的というか・・・そう、物語の



一場面のような感じがして。



 だから鴉の一群なども禍々しさなど一切なく、どことなくキュート。



 狐が出てきたら、もう新見南吉の世界である。



   <青柿>



 最初のポスターに載っていたのがこれである。 よかった、見られて!



 タイトルにもびっくり。 ネコは入ってこないんだ!(勝手にイメージが膨らんでて、



ネコはもっと大きかったような気がしていたし)



 山口華楊は竹内鳳洒の弟子の弟子だということで、成程、京都で人気があるわけ



よね、と納得。 京都画壇の歴史を垣間見る。


posted by かしこん at 05:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台・演劇・芸術・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月16日

ミステリーズ 運命のリスボン/MISTERIOS DE LISBOA



 なんと、前後編にわけての公開。 合計4時間27分。



 料金も普通に映画二本分でした・・・。



 あぁ、これこそ「語りは騙り」、そのものの映画ではないか!



   人生は、愛と秘密に満ちている――



 舞台は19世紀前半、王政派とリベラル派による内戦が勃発していたポルトガル



王国。 名字のない14歳の少年ジョアンは名字がないことを周囲にからかわれ



つつ、孤児院で暮らしている。 彼はディニス神父(アドリアーノ・ルース)の保護下に



あるが、何か事情を知っていそうな神父もジョアンには何も語らない。



 そんないかにも!、なストーリー展開で幕を開けますが、もう画面のそこかしこに



仕掛けが! 神父が庭園ぽいところで喋っているとき、その二人以外にその庭にいる



人たちは人形か?、というくらい動きがなくて。



 別の場面では成長したジョアンが舞踏会である女性に一目惚れするのだが、



そこからは二人の動きは足を上げずに床を滑っているかのよう(実際そう撮っている



のだと思う、他の人は普通に動く)。



   ジョアンに与えられた紙芝居は、

          次第に現実に(現実が?)侵食する。



 あと、基本的にワンシーンはワンカット、長回しの積み重ねはゆったりしたリズムを



否応なく作り出し、カメラが壁をもすり抜けていく不思議さを次第になんとも思わなく



なる不思議。



 映像美と実験性の華麗なる融合?



 ストーリーはごった煮です。 そもそも、筋の通った物語などあるのかどうか。



 『クリムト』の監督さんだそうで納得・・・あれも後半は夢と現実がないまぜとなった



幻想として処理されたような。



 この長さそのものがこの映画の価値なのかも・・・長く、幻惑される夢を見た。



 そんな感じがする。



 多分、そのこと自体がものすごく贅沢なんだろうな、とも思う。



 合わない人には合わない世界だ・・・(実際、前半のあと、意味がわからないと後編の



チケットを払い戻ししたいという押し問答が繰り広げられているのを見た)。



 あたしもさっぱりわからないのですが・・・でもこんな夢の世界に身を置くことは滅多に



ないので、ちょっと楽しめましたよ。


posted by かしこん at 05:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

今日は、4冊



 風邪気味なのに調子に乗って、夜中の本屋をうろうろ。



 ほんとは5冊ほしかったのですが、4冊しか見つけられなかった・・・来週、大きな



本屋さんに行くしかない(時間、間に合えばいいが)。



 まずはこちらから。



   プラネット 1巻/遠藤淑子



 5か月連続刊行第4弾。 あとがきはまた力尽きていますが・・・。



 『午後のお茶は妖精国の森で』の番外編の中の一編がこの物語の第一話、という



・・・見切り発車というか行き当たりばったりというか。 しかしその妖精国の出来事と、



はるか未来の出来事とが次第にリンクしていく様子は、遠藤淑子唯一のシリアス長編



『ヘヴン』にもつながる要素はありそうで・・・この人、ファンタジーについてはからっきし



だけどSF的センスはあると思うので、ちょっとこのシリーズがどこに行くのか見極めたい。



   やじきた学園道中記U 5巻/市東亮子



 津軽編、2巻目ですがまだまだまとまる気配なし。 作者が津軽に幻惑されているよう



なので、まだ続くのかも。 あたしは個人的に、台詞として文字で打たれている津軽弁に、



笑いが止まりません。



   ちはやふる19巻/末次由紀



 なんかもう今回は、カバー折り返しに引用されている短歌<心あてに 折やば折らむ



初霜の おきまどはせる 白菊の花>を詠んだだけで泣きそうになっている。



 内容はただひたすら、吉野会大会における試合の連続なわけですが・・・勝ち上がって



くる人に読者はそれなりの感慨を持つようになっているわけで、ただ試合を傍観している



わけにはいかんのです。 原田先生のおとなげないほどの勝利への執念とか、敵は目の



前の相手なんだけど自分自身が敵だったり、それでも「ここにはかるたが楽しい人しか



いない」と気づいたときの解放感めいたものとか、そういうのにいちいち反応して目の奥が



熱くなるあたし。 今回、顧問なのに一言だけの先生の台詞「た、襷・・・っ」にも、多分



ここは笑うところだが、泣いちゃった・・・。



   3月のライオン 8巻/羽海野チカ



 よく考えたらこれも戦いを、競技を描いた作品なんですよね。 同時期に新刊が出た



ことなかった気がするから明確に比較したことなかったけど。 『ちはやふる』が意外と



体力勝負のにぎやかさの中にある音だとすれば、将棋を題材としたこちらは驚くほどの



静寂そのもの。 しかも零くんの宗谷名人との対決がメインなのかと思いきや(表紙見て



びっくりしました)、実は主役は柳原名人でした!



 <老い>は身体も気力も衰えさせる。



 しかしそれでも先へ進もうという人の覚悟たるや!



 あたしの「頑固爺さん好き」な理由って、こういうこともあるのかな・・・と感じたりして、



納得。 それ故に、また泣きそうになったりもして。





 探し出せなかったのは、『妖精派遣カンパニー』でした。 来週こそ!


posted by かしこん at 04:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月15日

I have caught a cold !



 金曜日、目が覚めたときにはちょっと身体が軽くなったような気がして、



「わー、さすがロキソニン&睡眠、効果あり〜」と実感して仕事に行き・・・



帰りは雨の中、折りたたみの傘を持っていたので図書館の返却ボックスまで



歩き、ついでに深夜までやっている本屋を物色。



 そんな余裕が失敗だったのでしょうか・・・。



 「とりあえず今夜も早く寝ておこう」と金曜の夜(昨夜ですが)、寝たわけですが



・・・目を覚ましてみて、すっきり感がない!



 熱を測る・・・36.90℃!



 わー、また上がってきた〜。 しかも微熱加減で止まっている。



 (あたしは平熱が低くて35℃台なので、このへんの微熱が結構しんどい)



 夜、ロキソニンを飲むのを忘れたせいか!(昼までは飲んでいた)



 それとも雨に多少なりとも濡れたせいか?



 あわててパンとヨーグルトなど食べ、薬を飲みましたが・・・頭がぼーっとしてきた。



 もう一回、寝ようかな。


posted by かしこん at 17:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 体調 好不調の波 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月14日

期日前投票に行く



 なんだか身体がだるい。 寝不足のせいかなと思っていたが・・・。



 いつもの風邪は<のど痛い → 熱 → 咳>というルートでくるもので、ここから



はずれてこられると自分の不調具合に気づくのが遅れるというか。 火曜日から、



妙に鼻水が止まらなかったが、それは温度変化のせいかと思って・・・結果的に



早めに病院に行くタイミングを逃した。 今日は夕方ぐらいから頭が痛くなりはじめ、



しかし扁桃腺やリンパ節は直撃されていないので微熱。 ・・・なんだか微妙。



 というわけで、土日は家から一歩も出ないぞ!、と心に決めて(でも持ち帰り仕事は



家ですることになるだろう・・・)、期日前投票に行った。



 前回の衆院選の期日前投票に比べて出足が悪い、と聞いていたが、あたしが行った



ときにはそこそこの人数が入れ替わり立ち替わり。 つーか国民審査のための最高裁



判事の情報を得るのが一手間だったんですよ、そんなにすぐには行けません。



 2・3日前に政府広報が入ったけれど、あたしは最高裁判所のホームページから



細かな経歴や様々な裁判における判決を見ていく方が詳しくていいな、と思うので



それに目を通すのですが、意外と時間がかかるよ!



 全部終わって、区役所の外に出ると、「すみません、共同通信ですが、出口調査の



アンケートにご協力いただけませんか?」と声をかけられる。 当然、お断りするよ。



最近、マスコミに対して信頼度が著しく低下しているし、ただ当確を速く打ちたいがための



手助けをするために自分の思想信条を開示するのはなんか間違ってる気がする。



 といっても、あたしは所詮浮動票なんですけどね。



 ともかく、早く帰ってロキソニンのんで早く寝るのだ。 ヴィックスドロップも買ったし、



明日一日、これで乗り切るのだ!


posted by かしこん at 04:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記のようなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月13日

その夜の侍



 劇団“THE SHAMPOO HAT”の作品は見たことがないのに、あたしの好きそうな



テイストではなさそうだな、的イメージで勝手に判断していたんですが、堺雅人が



出るというならね・・・見ちゃうんですよね、これが。



   「お前を殺して、俺は死ぬ」

            愚かに、無様に、それでも生きていく。



 いつも通りのごく普通の日々のさなか、妻がひき逃げされて死亡。 その事故を



境に人生が変わる被害者の夫・中村(堺雅人)と、加害者である木島(山田孝之)の、



5年後。 社会性や他者の視点といったものが一切入らない一対一の戦いとでも



いいましょうか、勿論相手はお互いであり、そして自分でもある、という。



 この中村がまず相当やばい空気を放っていて。 義理の弟を演じる新井浩文が



この映画の中でいちばんまともな人に見えてしまうほど(新井くんはどちらかといえば



イカレたかやくざっぽい役柄が多い人だから。 そういえばこの二人、『クヒオ大佐』でも



共演していたなぁ)、中村は<壊れる寸前の、立ち直れない男>なのである。



 小さな町工場の社長としてかろうじて仕事はしているが、かつてのように従業員たちと



打ち解けることもなく、妻の残した洗濯物を握りしめてかたまってしまうような。 役者と



してそういう役にチャレンジしたい気持ちはわかるし、今後もそういうことをどんどんする



人なのであろうから、堺雅人の事務所はさわやか青年風イメージのCMの仕事を取る



のはやめようよ・・・とりあえず彼に<癒し系>のイメージを抱いているファンの方々は



見てはいけない映画です。 あたしもファンですが、もうちょっと突き抜けちゃったので、



彼が役者としてその役にどのようにアプローチするのかを見届けたい、みたいなところ



まで来ちゃいました。 自分でも、ちょっとヤバいと思ってます。



   山田くん、かつては爽やかな役も

    やっていたのに・・・すっかりあぶない人の役が板についてしまった。

    むしろ今回は新井くんの好感度があがってしまった。



 一方の木島・・・彼が普通の人だったら、反省や自戒をあらわす人だったら中村は



ここまで自分を追いこまなかったかも。 やくざやチンピラともちょっと違うようで、



彼もまた<壊れた人>なのだ。 すぐ暴力をふるい、狂気じみていて、けれど気分は



ころころ変わって長続きしない。 なにかにこだわったり執着することをまるで恐れて



いるかのように。 多分その根っこには強烈な孤独や誰にも理解してもらえないという



あきらめがあるのだろうが、だからといってその態度は赦されるレベルじゃないんです



けど、というような。



 なのに、普通の人は普通であるが故にこの過剰な何かに引き付けられてしまうん



ですかね。 田口トモロヲ・谷村美月が明らかにおかしいのにすんなり木島に従って



しまうそこらへんにいる普通の人をやっていますが・・・そっちの方がちょっと怖かった



かも。 誰もが抱えるちょっとしたさみしさや欠落を、埋められるならなんでもいいんだ、



みたいな奇妙なまでの素直さ、めいたもの。 これが“市井の人たちのリアル”だという



なら、この国はとんでもなくヤバいことになってます!



 とはいえ、本筋は普通ならば知りあうはずもない二人の、魂のぶつかり合い。



   ・・・でもちょっとあたしにはその感覚が

   わかりにくかった。 個人差か? 女だからか? でも、中村の「君には関係ない

   話だった」という台詞にはどきりと・・・あぁ、その結論に辿り着くまでのこの5年

   だったんだね。 ただ、かなしい。



 あぁ、人生でどうしようもないことに遭遇してしまったとき、人はなんと無力なことか。



虚無に飲み込まれる方が楽だとわかっていながらも立ち上がってしまうのは何故



なのか。 そしてそんな姿をあとから思い返してみると、なんて滑稽なことか。



 人生は全然ドラマティックじゃない。 期待したとおりに物事は進まない、むしろ期待を



すり抜ける方へと進むみたいに。 わかってるんだけど、それを改めて示されても・・・



重いなぁ(まぁ、そういう映画なんですけど)。



 だからこそ、ベタな人生送ってる感じの従業員さんの涙に、心揺さぶられるのかも



(なんだかんだ言って彼がいちばんまともな人だったのか・・・高橋努さん、好演!)。



 やはり、THE SHAMPOO HATはあたしが好きなテイストではなさそうだ。


posted by かしこん at 05:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月12日

北のカナリアたち



 『あなたへ』に引き続き、日本映画の王道に挑戦。 吉永小百合主演作も、映画館で



見るのは初めてかも・・・(あ、『おとうと』見てましたわ。 印象、弱いのか・・・)。



 北海道のある島で、川島はる(吉永小百合)は小学校の教員をしていたのだが、“ある



出来事”がきっかけで島を出るしかなくなる。 20年後、関東のある図書館で働いていた



彼女は定年を迎える。 そこへ刑事が訪ねてきて、かつての教え子の一人が殺人事件の



重要容疑者であると聞き込みに。 あれから、6人の教え子たちの身に何があったのか、



“ある出来事”とはなんだったのか。 観客の疑問を背に彼女は教え子たちに会いに行く



・・・という話。



   先生が島を追われた日、私たちは歌を捨てた。



 定年退職ということは現在のはるさんは60歳、20年前は40歳という設定。



 多分吉永小百合の実年齢はそれより上でしょうが、もうそんなことは関係ない、



もしくは言ってはいけないみたいな強引さが、「あぁ、彼女はアイドルなんだなぁ」と



しみじみ実感させてくれます。 回想シーンは髪型とメイクとハレーション効果、



できる限りアップにしないという対策で若さを演出しております(それ故、衝撃のある



シーンでの顔のアップには、別の意味で衝撃が)。



   現在:森山未來・満島ひかり・勝地涼・宮崎あおい・

    小池栄子・松田龍平の豪華キャスト。 出番が少ないなりにそれぞれいい味を残す。

    いちばんよかったのは森山未來と松田龍平ですかね〜。



 今の日本映画界を背負っているといってもいい若手たちを使い捨てするかの勢いで



進んでいく展開には「なんて贅沢な!」。 それはベテランに対しても容赦なく、なんと



里見浩太朗は吉永小百合の父親である! 夫は柴田恭平だし、仲村トオルは回想



シーンにおいて吉永小百合と同年代、へたすりゃ年上ぐらいの設定である!(思い



返せば年下だった可能性もあるかな)。



 この<吉永小百合ありき>の態勢をすべての出演者たちが受け入れている!



 これが大スター所以? アイドル所以?



 むしろ地味だが柴田恭平がこの物語におけるキーマンで、結果的にいちばんおいしい



役だったといえるかも。 まぁ、ミステリ的に物語は進んでいくんですが、途中からあまり



ミステリではなくなっていくというか・・・同じ出来事をそれぞれ違う立場からのコメントで



重層的に浮かび上がらせようとする意図というか、そこには根底に人間の嫉妬心や



独占欲のようなものが絡んでしまいます、というお話。 当時小学生の彼らにとっては



許せなかった出来事も、20年たった今となってはあのときの先生の気持ちがわかる



ようになりました・・・という大人同士の相互理解もまたテーマの一つかもしれません。



   けれど、楽しかった日々もまた大切な思い出で。



 しかし小道具提供のスポンサーへの配慮なのか、雪の降る土地で真冬にいくつも



オープンポケットがついたカバン(しかも牛革!)をななめがけで持ち歩かせるなど



「雪国、なめてんのか」的描写が気になって仕方がなく・・・雪がどんどんたまって取り



出すのが大変だよ! まぁ雪は外を歩いている限りは解けないので、室内などに入る



前にばさっと払えるように覆いのついたカバン(メッセンジャーバッグ的なの)とか、



ジッパーなどで隙間や空間ができないカバンを使うのが普通です。 そうでなければ



カバンをかけた上からコートを着ますよ。 あたしがこっちに来てうれしかったことの



ひとつは「雪対策を考慮せずにカバンを選んでいい」ということだったので、すごく気に



なるんですよ!



 とまぁ、このレベルの気になることが盛り沢山で(何故小学校の発表会で歌うのが



ヤマタツの『クリスマス・イヴ』なのか?、など)、見ながらつっこみ疲れるほどであった



のだが、寒さをしっかり焼きつける木村大作さんのカメラに免じて許そうかな! 映画館の



室温は寒くないはずなのに、見ていて寒さを感じましたからね。



   夕日が沈んでも、その赤は海を

     染めることができない。 細かなさざ波はすぐに凍ってもおかしくなさそうな、

     でも凍るのに対抗してもいるかのような。



 それにしても、子供たちが歌がうますぎる・・・最後はそれに負けて泣いてしまった。



 とはいえ、「東映だな・・・」という印象はぬぐえないのであった。 そこは真摯だが不器用、



ということにしておこう。


posted by かしこん at 07:12| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月11日

タワレコ、遅い・・・

 タワーレコードから荷物が届いた。
 あぁ、キリンジのニューアルバム、予約してたなぁ、と思い出し、はて、発売日って12月だったっけ? 11月初め頃だったのでは・・・と思い出してあわてて箱を開ける。
 11月7日でしたよ!
 いくら、他に注文していた輸入盤アルバムを探すのに時間がかかったからといって(しかもそれは結局見つからず、廃盤ということですみません、という結論なのだった)、事前に予約したんだからキリンジのだけでも発売日に届けてくれたっていいんじゃないの?!
 とはいえ、そういうあたしもすっかり忘れていたわけですから仕方ないのですが・・・となると「まとめて発送してくれていいですよ」とこっちが言っているのに勝手に気をまわして見つかったモノから順次発送してくれるアマゾンのほうが親切なのか、という気になる。
 タワーレコードは店舗とオンライン販売とでメンバーズカードを統一したりいろいろ工夫してはいるのだが、そういうところでもアマゾンに負けているのでは・・・。
 というわけで、今回届いたCDはこちら。

  キリンジ スーパーヴュー.jpg Super View/キリンジ

 何気ない山と雲の稜線のようですが、実はメンバーの顔になっていたり。

  Richard Marx Inside My Head.jpg Inside My Head/Richard Marx

 お久し振りのリチャード・マークス、若いんだけどなんか老けてるよ!

  Hootie & the Blowfish.jpg HOOTIE & THE BLOWFISH/Hootie & The Blowfish

 4枚目のアルバムにして初のセルフタイトル。 輸入盤ですが、ブックレットには歌詞付き!
 となれば、あたしは先日より放りっぱなしの外付けCD/DVDドライブを設定しなければならないわけで・・・思っていたよりUSBコードが短いのでどこに置いたらよいか四苦八苦しつつ、設定完了。 問題はソニックステージくんに「ここからCD読み込んで〜」とどうわかってもらうかである。
 プロパティやらなんやらをいじってみたがよくわからず、とりあえずやってみよう!、と<CDから曲を録音する>モードに切り替えてみたら、その画面でドライブが選べることがわかった・・・なんだ、これでいいじゃん、と即解決でした。
 とりあえずキリンジがすごいので、リピートで聴いております。
 詳細は、またご報告します。

ラベル:邦楽 洋楽
posted by かしこん at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | Music! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月10日

北斎 ― 風景・美人・奇想 ― @大阪市立美術館



 会期ぎりぎりで、北斎展に行く。



 さすが最終日だけあって、駆け込み組が沢山(いや、もともと人気なのかもしれない



けど・・・)。 入場制限が設けられ、会場前の扉の前でそこそこ待たされる。 ちなみに



この日は神戸市でも雪がちらつき、美術館がある茶臼山に行くまで吹きっさらしを



歩いたので、待たされるにしても建物の中でよかったです。



   これぞHOKUSAI!、大阪に来たる。



 入場制限が出てしまうのは、展示物がひとつひとつ小さいサイズでそれに群がったら



先に進まないからでした。 壁にかけてあればまだいいが、ガラスケースの中になると



最悪。 「最前列でご覧になりたい方は列に並んでください。 そうでない方はどんどん



先に進んでいただいても大丈夫です」ということだったので、あたしは隙間をのぞき込む



感じでどんどん進みます。



 正直なところを言うと、あたしは北斎の人物画にあんまり惹かれない。



 だから『富嶽三十六景』の青はやっぱりきれいだねぇ、とか、『百物語』の怖いものを



描いているはずなのににじみ出てしまうユーモアとか、ユーモラスなんだけどたまに



リアルすぎてグロい動物などがお気に入り。 後半の方にポツンと静物画みたいなのも



数点あって、これすごくステキ!、とはしゃぐ。



 もし北斎が現代に生きていたら、絵描きではなく写真家になっていたかも、とあたしは



ちょっと思ってしまったりするんだけれど、それは<ある一瞬>を絵で上手に切り取って



いる感じがするから。



 ミュージアムショップも込んでいたが、あたしの気に入った絵のポストカードはなんにも



ない・・・手ぶらで帰るのでした。


posted by かしこん at 03:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 舞台・演劇・芸術・イベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月09日

ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋/W.E.



 <王冠をかけた恋>の噂は子供の頃いつの間にやら耳に入っていて、「ロマン



ティック・・・」と思っていたものだ。 が、『英国王のスピーチ』を見たとき、そのロマン



ティックなラブロマンスがかなり低俗的に描かれていて、「現実ってこんなもんか」と



がっかりしたのは記憶に新しい。



 なのに、マドンナが映画監督第二作目の題材としてこれを選び、しかも正面切って



ロマンスとして描くと知り、「微妙・・・」と思ったんだけど、なんか気になって見てしまい



ました。 まぁキャスティングがね、『英国王のスピーチ』とはランク的にもキャラ的にも



変わってしまったこともあり、つい比較してしまったりもするわけですが。



   世界を敵にまわしても、あなたえいれば、生きていける――

       20世紀最大のスキャンダルの真実、解禁。



 気になったのは、ぐるぐる落ち着きのないカメラワーク。 この目の回るような感覚が



この映画で描かれる二人の人生である、とでも言いたいのかなぁ。



 1998年、ニューヨークに住むウォリー(アビー・コーニッシュ)は結婚前に働いていた



オークション会社を訪れ、近々行われるウィンザー公爵夫妻の遺品オークションの



展示会を毎日のように見て回る。 著名な分析医の夫(リチャード・コイル)との結婚



生活には何一つ不自由はないはずなのだが、彼女の心のぽっかりと開いた穴を埋める



ように残された調度品などを見てウィンザー公爵夫妻の<ロマンス>へと思いを馳せる。



 そして1936年、英国王エドワード8世(ジェームズ・ダーシー)はアメリカ人女性の



ウォリス(アンドレア・ライズブロー)と結婚するために退位すると発表した。 <王冠を



かけた恋>の伝説はここから始まる・・・のだが、映画の冒頭でその数年後のふたりが



映される。 <ロマンスの果て>はまったくロマンティックじゃない、むしろふたりの仲は



ひどいことになってないか?、という懐疑付きで。



   こんな時代もあったのに。



 時代が変わろうとも女性の悩みや苦しみは同じ・・・ということを言いたいのか。



 現代のウォリーも本名はウォリスで、母と祖母が<世紀のロマンス>のファンだから、



ということからとった名前らしく、ウォリーが二人の歴史に引き付けられるのは無理からぬ



ことかと思うのだが、映画としては現代を描きたいのか<王冠をかけた恋>の二人を



描きたいのか比重がわからないのである。 別に現代パートなしでも映画は成立するし



・・・困ったなぁ、である。



 ただ、エドワードが我儘困ったさんなのではなく、厳しすぎる父親と母親の愛情不足



故に年上女性や人妻としか恋愛関係を結べない人物だった(しかし派手でやんちゃな



態度が国民からの絶大な人気を得ていた)とわかったのはよかったかも。 プリンス



時代は日本ともいい関係だったみたいですし。 それにしても、同じく厳しすぎる父親の



存在のせいで弟は吃音って・・・厳しさから逃れるための反動って性格が出ますね。



あ、この映画では弟は面白みのない堅物的に描かれていて、視点を変えればそう



なるんだということが面白かったです(そういう意味では『英国王のスピーチ』を見てから



こっちを見るほうが、楽しむ視点は増えるかな)。



   「王位を捨てる」と言われても・・・。

   彼女はずっと「シンプソン夫人」と呼ばれるが、名前が変わることに慣れている

  国民性からすれば侮蔑の意味なのだろうか。 最初にそう呼ばれたから名前の

  刷り込みってやつなのでは。 チャールズ皇太子のお相手のことをあたしは今でも

  カミラ夫人と言ってしまうみたいに。 ってことは英国王室、同じこと繰り返してる?



 世間から希代の悪女、とも呼ばれたウォリス。 でもさすがに王位を捨てさせることの



意味の重大性はわかっていたはずで・・・問題はそのあとどうなるか、ということを考えて



いなかった・考えていたけどここまでだと思わなかった、ということなのかしら。 王室の



人間が王室から排除されて同じような暮らしができると思ったのだろうか? 英国王室も



意地があるから財政的には支援しただろうけれど、お金だけの問題じゃないからな・・・。



 ただ恋愛映画としては致命的、と感じるのは、ウォリスとエドワード、この二人が互いに



恋に落ちる瞬間がほぼ描かれていないこと(二人の関係が周囲にばれる瞬間はしっかり



描かれているのだが)。 それとも、そういう瞬間など存在しないのか、いつの間にかで



OKなのか! そのあたりの恋愛観みたいなものが結構マドンナ自身のと共通していると



いうか、かなり反映されているのではないのか、という気がしましたよ。



 衣装や宝石、小物類はなるほど厳選されたもののようで、好きな人はそれだけでため息



モノだと思うけど、あたしはもっと物語や展開の美しさでため息をつきたかったなぁ(落ち



着かないカメラワークで頭が痛くなったけど)。



   そして1998年では。



 ウォリーの癒しとなる存在、エフゲニという名のロシア系の警備員演じるオスカー・



アイザックがいい味を出していた。 『エンジェル・ウォーズ』で敵同士(スイートピーと



ブルー)だった二人が・・・と思うとちょっと感慨深い。



 と、いろいろ文句はあるのにエンディングの『マスターピース』に思わず涙が。



 映画でやりたかったことが、この一曲に凝縮されているではないか!



 やはりマドンナは歌手なんだ!、と思ったりして。 というか、歌で表現すればいい



のでは・・・それを言ったらおしまいですね。


posted by かしこん at 07:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月08日

ソウル・コレクター/ジェフリー・ディーヴァー



 ディーヴァー新作『バーニング・ワイヤー』が出たので、ならばその前作である



『ソウル・コレクター』は楽々図書館から借りられるに違いない!、と思い、実際に



楽々借りられて・・・序盤はいつも通りのハイスピードで読んでいたのです。



   ハードカバーなんで読みづらくはありますが。



 リンカーン・ライムの従兄弟が殺人罪で逮捕された。 もうずっと長い間会っていない



従兄弟なので彼が殺人を犯すような人間だと声高に言い募ることはできないが、どうも



証拠が揃いすぎていることに疑念を覚えるライム。 調べてみると、言い訳ができない



ほど証拠はきっちり揃っているというのに無罪を訴えている被告が何人かいることが



判明。 これらがすべて、仕組まれたものだったら?、という事件。



 いつもなら一気読みなのに、諸事情により幾度も中断を余儀なくさせられたので、



どうも読後感が微妙である。



 リンカーン・ライムの他のシリーズ作品にあったどんでん返しも今回はなかったからか、



前作で逃げられた“ウォッチメイカー”の追跡もわずかながら併走しているせいか、



一連の事件・一人の犯人に焦点が絞りきれなかった感がある・・・が、そのくせ作者は



容赦なく、被害は甚大なのであった。



 どうもじっくり悲しみや怒りに浸りきれないまま終わってしまったのが消化不良なのか・・・。



 リンカーンファミリーはまた増えつつあって、そこがレギュラーが増えていく・実際に



ライムが関わる人々が増えてきているということで、彼にとっては微笑ましいことなん



ですけどね。



 あ、面白くない、ということでは全然ないのですよ。 ただこういう話ならライムもので



なくても、単発作品でも行けたのに(つまり他の作家でも書けるんじゃないか、みたいな



気持ち)というような思いを拭いきれないからですかね。



 『ボーン・コレクター』以来、ディーヴァーに期待してしまうハードルがどんどん高く



なってしまっているのは申し訳ないのですが。



 でも『バーニング・ワイヤー』は結構面白いという評判をちょこちょこ聞くので・・・



やはり期待してしまいますね。


posted by かしこん at 09:19| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月07日

師走は走る、どんどん走る



 なんと昨日から神戸ルミナリエが始まっているそうではないか?!



 まぁ、ゲートを組み立てている過程は見てましたので「そろそろだなぁ」とは思っては



いたものの。



 そしてシネ・リーブル神戸のあるビルのピロティには、この時期恒例のフェリシモの



イベントが。



   手作りぬいぐるみで彩るクリスマスツリー。



 そして、仕事がいそがしくなるのは今月後半からだろうとたかをくくっていたあたし



ですが、実は早々にいそがしくなる気配濃厚(というか確実)、と昨日判明しました・・・。



もっと早く言ってくれよ・・・って感じです。



 というわけでリアルタイム更新が滞ることが増えるかもしれません。



 コメントをいただいてもすぐにお返事できないかも・・・ということで事前にお詫びして



おきます。 どうもすみません。



 映画の感想も実はたまっておりまして・・・公開が終わる前までには、と思っていたの



ですが間に合わなさそうな作品が結構多いです。 『危険なメソッド』と『チキンとプラム』は



お気に入りですが・・・いつになったらまとめられるやら。



 しかも『007 スカイフォール』をまだ見に行っていないという悲しさ。



 『ホビット』も今年中に見られるかしら。



 あぁ、油断しすぎた。 12月はなんだか追い立てられます。


posted by かしこん at 06:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記のようなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月06日

やりたいことは二度寝だけ/津村記久子

 タイトル見て、「わっ、わかるわ〜」と思った。
 はい、あたしもダメな人間です。
 芥川賞作家のエッセイ集であるが、この人のエッセイをあたしはかつてNBOで月1に連載されていたのを読んでいたことがあるのだが、その中で特に印象に残っているのが父親の話。 もしかしたら記憶が違ってるかもしれないけれど、筆者の父親は昔母親と離婚して家を出ていて音信不通だったのだが、死んだみたいな連絡があり、しかもいろいろごたごたを残してくれたらしい。 その後片付けでうんざりして、葬式に出るべきなのかどうかすごく迷って、結局出なかった・・・という内容だったと思うのだけれども(違っていたらほんとにすみません)、あたしはそれにすごく共感したというか、「そりゃ、そんな葬式なんか出てらんないよなぁ」と深く頷いたのであるが、オンラインに連載ということはコメント欄がつくということである。 その回だけものすごいコメント数がついて、内容は筆者を非難する内容が多かったのである!
 曰く、「それでも父親なんだから恩を感じるべきだ」とか。
 待て!、迷惑かけられ通しの娘が、何故に恩を感じなければならない!
 NBO読者層の多くがこの父親世代に当たるのだということを思い知り、なんかいろいろ大変だな・・・ということを思い知ったのだった。

  やりたいことは二度寝だけ単行本.jpeg この脱力気味の表紙もステキ。
 ともかくも、それであたしは勝手にこの筆者に親近感を持っているのである。 以前に読んだ『アレグリアとは仕事ができない』も面白かったし。
 で、この本にその父親エピソードがあれば記憶を補完したいと思ったのだが、載っていなかった。 けれど十分面白かった。 電車で読んでいたのだが、思わず吹き出して笑ってしまうほどであった。
 ノートに対する偏愛とか、メモ帳の自分内ランクとか、あたしはここまでではないが気持ちとしては近いものがあるよ〜、であるし、自宅で仕事ができないからカフェでやる、とかも一緒です!、という感じで。 大阪の天神橋筋商店街へのひとかたならぬ愛情とか、ベタのイメージの関西人とはまた違う“大阪の人”の印象を与えてくれます。
 ただあたしは、カルフールの天井まで積み上がった棚に詰め込まれた大量のキットカットを見て、賞味期限や在庫管理のことは頭をよぎらない気はする。

 あ、肝心の二度寝についてであるが、あとがきに書いてみたらあまりにも「悲願!」という感じで自分でひいたため没にした、とのこと。 二度寝について読みたかったのに!、という方がいたらごめんなさい、とありました。
 はい、読みたかったです。
 そして、この人の小説をもっと読んでみたいなぁ、という気持ちになりました。

ラベル:エッセイ
posted by かしこん at 06:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする