2012年11月22日

シュールな絵本 その4



ロスト・シング/ショーン・タン



 『アライバル』的な<字のない絵本>かと思ったら、これは普通に文章があるやつ



だった。 でもビジュアル的世界観はやはり独特で、どこでもない場所(近未来という



感じでもないし)で繰り広げられる「どこかせつなくて、ちょっといい話」。



   でも、同時にかなりレトロ調の雰囲気も。



 少年期特有の感覚を、大人はどうして忘れてしまう(もしくはあきらめてしまう)のか。



 『まっくら、奇妙にしずか』の作者と同じように、こうやって絵で世界を語ろうという



人には自分の偏愛する何かがあるんだろうなぁ、という感じがする細部へのこだわりが、



それこそ<神は細部に宿る>って感じがして面白い。



 これも一応ハッピーエンディングではあるのだが、そこはかとなく漂うノスタルジーや



管理社会的なものに対する批判が、複雑な読後感にしています。





またまた自殺うさぎの本/アンディ・ライリー



 裏表紙に、



  <こんなにファニーでバニーな本は他にない――エルトン・ジョン>

  <綿密な取材の末完成された、今年度の最高傑作!――ヒュー・グラント>



 と賛辞が寄せられているのですが・・・これ、ほんとに本人たちのコメント? これも



ギャグ?、と勘繰ってしまうようなイギリス的ブラックジョーク満載。



   絵がシンプルなので余計に始末に負えないのか?



 とにかく、うさぎたちが様々な努力と工夫を凝らして自殺する・しようとする様を一枚の



絵で、もしくは数コマにもわたるマンガ的形式で表現。 映画のパロディシーンもあったり



して楽しい。 無表情なのかどうなのか微妙なうさぎたちの一生懸命さがだんだん面白く、



愛おしくもなってくる一冊(そこまでしなくても・・・というのもあるけど)。



 自殺方法も一目でわかるやつと、ちょっと考えてわかるやつとバリエーションに富んで



いるので、なかなか飽きません。 また、うさぎだから有効だけど人間には向かない、と



いう方法がほとんどなので自殺幇助には当たらないと思うけど、ブラックジョークが苦手な



方はご遠慮ください。 そうじゃない方は、是非お手にとって。


posted by かしこん at 08:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする