2012年11月30日

今日は、5冊



 気がついたら、29日はジュンク堂の<秋のピンクレシートキャンペーン>の



賞品交換の最終日であった。 すっかり忘れていたよ・・・とアワアワと駆けつける



が(時間もギリであった)、「申し訳ございません、賞品が出てしまいまして・・・」



とのこと。 まぁ、賞品というか景品みたいなものだから、なくなったら仕方ないよね、



とその話を終わらせようとしたら、「来年1月の中旬以降でしたらご用意できますので、



またご来店いただいてもよろしいでしょうか」というお答え。 あたしの希望は手拭い



2枚だったのですが・・・引換券を、いただきました。



 わっ、学生の頃、ミスドの景品がなくなったので引換券もらったことあったぞ!、と



いうことを思い出してしまいました。 そうか、現定数に限る、とか書いていなければ



店側は遅れてでも用意しなければいけないのね・・・。



 さて、そんな当日は、



  

    永遠の夜<ストレイン3>/ギレルモ・デル・トロ&チャック・ホーガン



 三部作の完結編。 帯によると“ドラマ化決定!”だそうである・・・もともとドラマ用の



企画がぽしゃったから小説になったのにね。 本国では小説版の評判がよかったの



かしら(が、オープニングは心してつくらないと『フリンジ』の第一話と同じ感じになる



ぞよ・・・)。 アメリカでの吸血鬼ブームはまだおさまらずなのか。



   小説の聖典(バイブル)‐漫談で読む文学入門

                      /いとうせいこう×奥泉光




 <文芸漫談>は喋る本人たちを目の前にしてナンボ、という気がしないではないので



単行本時はスルーしたのですが、文庫化に伴い渡部直己氏が注釈をつけてる点、



そして仕事場の国文学科出身の方と喋っていると「ほんとにあたしは好きで読んでいる



だけで、体系的なり学術的なりのアプローチで文学や小説を読んできてないな」と



しみじみ感じることが最近多かったので、むしろ注釈目当てに買ってみました。



 渡部先生、面白いです!



   姉の結婚4/西炯子



 3巻から物語が大きく動くのかと思わされながら、実はそれほど動かなかった4巻目



でした(登場人物の心の中は大きく揺れ動いているんですけれども)。 次の飛躍の



ための助走? 嵐の前の静けさ? こんなところで放り出されても困るんですけど!な



部分で終わってます。 5巻は来年5月発売とか・・・その頃には忘れてしまうのかしら。



1巻からまとめ読みをすべきかなぁ。



   月の輝く夜に/山内直実(原作:氷室冴子)



 氷室冴子の未発表長編をマンガ化、ということで・・・知らなかったよ!



 小説の方も出ているらしいのだが、コバルト文庫なのですぐ見つけられず(時間が



なかったし)。 『なんて素敵にジャパネスク』のコンビではありますが、ギャグ色一切



なしのストレートに“平安時代”。 ダイアローグはかなり原作に忠実なようなので、



「うわーっ、このトーンなら『碧の迷宮』の続きも読みたいよぉ〜」ともう無理な願いが



飛び出してしまうほどでした。 恋愛も、なにもかも心理戦ですよ、この時代。


posted by かしこん at 05:43| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月29日

二層のチーズケーキ@ドトール



 久し振りにドトールに行きました。



 以前よりも分煙が進んで、煙草を吸わないあたしにはかなりお店の敷居が低く



なりました。 あと、スタバやタリーズがない場所にもドトールはある、というのは



大きい(しっかり食べたいほどでもないが、お茶+αがほしいぐらいのときには



十分、というか)。



 新しいケーキが出ている! チョコレートケーキも出てるの知らなかった。 でも、



ついいちばん新しいものに目が行ってしまう。 チョコよりもチーズケーキの気分



だったのである。



   二層のチーズケーキ



 下層:比較的しっかりとしたベイクドチーズ、上層:ふんわりレアチーズ。



 しかしその間に細かく刻んだオレンジピールが挟まれており、多分アクセントとしての



存在感程度の意識なのだと思われますが、このオレンジピールのアピール力は半端



ではなく、「あたしはチーズケーキを食べているのか? それともオレンジケーキなの



だろうか」と自問自答させるほどの力が。 いや、あたしオレンジも好きなんでいいん



ですけど、チーズ負けてるじゃん・・・と無糖の紅茶を飲みながら思ってみたり。



 多分、次にケーキセットを食べるときはまたカボチャのタルトに戻るんだろうな、と



いう予感。


posted by かしこん at 05:57| Comment(4) | TrackBack(0) | ごはん・お茶の時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月28日

続・図書館の逆襲



 ふふん、とちょっと心の中で得意げに、図書館の返却カウンターに予約が込んで



いる本をどっと返した。 しかし、あたしの知らないうちにまた予約本が届いていたの



であった。



   極北/マーセル・セロー(村上春樹・訳)



 これは以前本屋さんで見かけて、「わー、寒そうだなぁ」と気になったもののハード



カバーなので躊躇し、とりあえず図書館に予約を入れてみた。 そしたらすごい数の



予約者がすでにあり、「なんで?」と困惑したら訳が村上春樹だったんですよね・・・



なんか納得。 またこれも二週間以内に読まねば・・・なんだか、試験が一個終わったと



思ったら次の試験が決まり、レポート一個仕上げたと思ったら別のレポート課題が出る、



という大学2年生後期末の試験とレポートの無限ループのことを不意に思い出した。



 あぁ、一度返却して再度借りだした『ソウルコレクター』、また後回しである・・・。





 そして、DVDドライブと一緒にアマゾンに注文したのは、気になるのに図書館には



ないもの。



   悪いことをして罰があたった子どもたちの話/

         エドワード・ゴーリー:絵 ヒレア・ベロック:文




 『ギャシュリークラムのちびっ子たち または遠出のあとで』的なものを期待したの



ですが、文を別な人が書いているせいか、ページに英文併記がないからか、ゴーリー的



ではあるんだけど微妙に物足りない感じがしなくもなく・・・なんか、あたしどっぷりと



はまっちゃってますか、ゴーリーに。



   たぶん最期の自殺うさぎの本/アンディ・ライリー



 <お値段据え置き 大増量ページ>だそうなので・・・確かにページ数多い。



 作者もよく途中でイヤにならなかったな、と思うくらい手の込んだ方法やら、前作にも



あった方法の様々なバリエーションが繰り広げられております。 ブラックジョークも



極まれり。



 そうか、最後か・・・と思うと残念なようなこれでよかったような。


posted by かしこん at 06:20| Comment(2) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月27日

「めんどくさい」は王様



 先日、早々にアマゾンから注文したポータブルDVDドライブが届きました。



 説明書を読む・・・USB端子に差すだけでなく、付属のCD−Rを読みこんでなにか



ユーティリティ的なものをダウンロードしなければいけないらしい。 そのあと、PCを



再起動させないといけないらしい。



 しかもこのドライブ、横置きです。 USBケーブルが短いので、どこに置くべきか



悩む。 ノートPCを置いている机がそんなにスペースが広くないので、マウスパッドを



どかすしかない?、別なスペースを作る?、と考えたらめんどくさくなってしまい、



プレイリストCDを渡す人も次に会うのがしばらく先なのでまだいいか、となってしまい、



ドライブを元の箱にしまってしまいました。



 もう、「めんどくさい」にあたしは勝てません。



 週末までほっとこう!、みたいな気持ち(次の週末はちゃんと休めるはずだ)。


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記のようなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月26日

ワン・デイ/デイヴィッド・ニコルズ



 図書館の貸出期間2週間以内で余裕で読了。 他の本も読めてるし、うむ、あたし、



本気出したらまだいけるな!、と根拠のない自信を持ったが、よく考えれば今回は



『湿地』が思ったより短かったのと、これはすでに映画を見て話を知っているから読み



やすかっただけなのであった。



 そう、映画とどこが違うのか、を主に比較検討材料にしていたあたし。



   アメリカではなく、

      イギリスの話というのがそれっぽい。 階級社会が物語の根底にあります。



 大学の卒業式の7月15日から始まったエマとデクスターの関係を毎年の7月15日を



その後23年間それぞれどう過ごしているかを描くことで、お互いの人生の時間と二人の



つながりをタペストリーのように織りなす。 やはり映画よりディテールは書きこまれて



いるので満足感はあるのだが(そして、この手紙の場面は映画では直接対話にした



のか! 確かに映画的にはそのほうがぐっとくるよ!、との違いも見つけたし−でも



小説では確かに手紙のほうが効果的なのだった)、それでもよくわからないのは、



「何故、デクスターがエマをそんなに大事な人だと思うのか」のきっかけみたいなもの。



 いつの間にかそう感じるようになった、のかもしれませんが、はっきりした何かが



わからないとすっきりしないあたしは一目惚れ体質だからでしょうか(だから逆に、



友だちとして付き合っていたけれどだんだんいいなあと思っていつの間にか恋人に



なりました、みたいなパターンが理解できない!)。



 小説では、デクスターは映画以上にダメ男でびっくりする。 エマ、何故見限らない!、



と思うが、そこは理解できてしまう・・・一度好きになった人のことを、キライになるのは



難しいもんね。



 映画ではほとんど描かれていなかったエマの女友達のこともそれなりに描かれていて



よかった。 デクスターと関係ないところにもエマの人生の時間があって(それは当たり



前なんだけど)、よかった。



 ふと、思う。 とてつもなく傲慢だったり、よれよれだった時期のデクスターを



それでも愛していてくれたのは両親とエマだけ。 そんなとき、自分にとって大切な



存在を探し出すのは簡単だ。 けれど、全方向性に性格がよくて周囲の人間にそこそこ



愛されている人は、ものすごく自分だけを愛してくれる人を見つけ出すのは大変なのでは



ないだろうか。



 そうなると、<自分が好きな人>に向かってアタックするしかないような・・・。



 エマは多分そのタイプで、“自分に自信がない&タイミング悪い”でズルズルといって



しまったんだろうなぁ。



 思い切り、大事ですね。


posted by かしこん at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月25日

エクスペンダブルズ2/THE EXPENDABLES 2



 これを見てしまうあたしはどうなんだろ?、と思いつつ、前作のオファーを断ったが



故に地元から「断ってる場合か!」と叱られたというジャン=クロード・ヴァン・ダムが



ついに出ると聞いたからには見ないといけないでしょ、みたいな(別にジャン=クロード・



ヴァン・ダムのファンってわけじゃないんですけどね)。



   最強無敵の、その先へ。



 傭兵組織エクスペンタブルズはイラク戦争から除隊した若者ビリー・ザ・キッド(リアム・



ヘムズワース)を新メンバーに加え、今日も無茶な依頼を無茶な手段でこなしていた。



例によってチャーチ(ブルース・ウィリス)から「簡単な仕事だ」と墜落した飛行機から



データボックスの回収を引き受けさせられるが、それが簡単な仕事なわけは勿論なく、



怒濤の戦いが始まる・・・という話。



 ま、細かいストーリーは基本どうでもよかったりします(そのへんは一作目と一緒



ですね)。 血沸き肉躍るアクション(?)を、かつての大スター勢揃いでやります、と



いうのがいちばんのウリなのですから。



   このポスターもいいね!



 で、今回はジャン=クロード・ヴァン・ダムが悪役を一気に引き受けたからなのか、



はたまた他の事情でか、わがいとしのジェット・リーは序盤の仕事のみの登場。



 ちょっと、前作で確立したお笑い担当の座は他に譲ってしまうのか?!



 まぁ短い出番ながら美しい動きは見られたのでよしとするよ(彼になのか、国の都合で



なのか、中国に配慮してる気配がある・・・なんだかかなしくなった)。



 前作からの反省なのか、銃撃戦も爆発も盛り沢山ですが肉弾戦も多かった。



 R指定か?、というくらい敵が血しぶきを上げ、身体の部分もバンバン吹っ飛んで



死んでいく。 そういう映像を見てもこっちはちっとも痛みが伴わないって、ある意味



痛快だ!



 ブルース・ウィリスもシュワちゃんも本格参戦だし、スタローンの人脈はどこまで広い



んだ!、と感嘆することしばし。 シュワちゃんに「銃を貸してくれ」と言われた消耗品



軍団のひとりが「もし返さねえと熔鉱炉に突き落とすぞ」と答えるみたいな字幕が出て



ましたが・・・がっちり台詞には「ターミネーターみたいに」って言ってるのが聞き取れたし、



シュワちゃん「I'll Be Back!」連発だし(で、ブルース・ウィリスに「戻ってきすぎだ!」と



つっこまれている)。 ブルース・ウィリスも『ダイ・ハード』ネタありだし、アクションスター



漫才がいたるところに・・・過去作品を見ている者ほど楽しめる、みたいなお祭り状態です



(そういうのって権利に厳しいアメリカで映画会社違ったら無断で流用できないとかあり



そうなのよね。 それをクリアさせる力がスタローンにはあるということで)。



   いやー、貴重な3ショットですよ。



 とはいえシュワちゃんはすっかり「おじいちゃんだよ!」と観客を驚愕させるし、



まわりが衰えているのでジェイソン・ステイサムの動きのキレがやたら素晴らしく



見えちゃうし(実際素晴らしいんですが)、イカレた人物設定であるはずのドルフ・



ラングレンがやたらキュートだったり、「あ、そういえばミッキー・ローク出てなかった



じゃん!」と気づくのが遅れるぐらいの盛り沢山ぶり。



 でもいちばんの驚愕はチャック・ノリスの登場ですよ。 というか、英語で喋るチャック・



ノリスをあたしは初めて見たかも・・・(『炎のテキサス・レンジャー』は日本語吹替版で



見てたもんで)。 だから顔はわかったんですが、「え、なんか、カタコト? それとも



棒読み?」みたいな感じで、それにすごくびっくりした。 わー、日本語吹替万歳。



 でもチャック・ノリスも出番は少ないがおいしいところを持っていく・・・それだけすごい



人なんですねぇ。



 そしてもう、引っ張るだけ引っ張ってのシルヴェスター・スタローン対ジャン=クロード・



ヴァン・ダムの一騎打ちにはたっぷり時間を割き、おぉ、ジャン=クロード・ヴァン・ダムの



回し蹴りはまだまだいけるではないか!、と噂の『ユニヴァーサル・ソルジャー』の新作が



ちょっと見たくなってしまったですよ(懲りてないな、あたし)。



 なにしろブルース&シュワちゃんコンビの活躍が面白すぎて(インドの車『ナノ』みたいな



ちっちゃい車に二人で乗って、窓開けて銃を打つのがめんどい、と片手でドアをもぎ取って



走り出す、など)、消耗品軍団のみなさんの描写が<その他大勢>扱いっぽくなってる



のが微妙なところですが、まぁそのへんの割り切りは必要なのかな。



 爽快度は前作より明らかに上! 続編のほうが面白い、という数少ない実例に入り



ましたよ、よかったですね!



 『3』もあるらしいという噂もちらほら・・・ならば次の悪役は、ジャン=クロード・ヴァン・



ダムを超えるインパクトの方にオファーをお願いします。


posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月24日

いろいろと、惨敗。



 23日・24日(金曜日・祝日、土曜日)と連続して休日出勤をしてしまいました・・・。



あぁ、意味のない三連休。



 おまけにパソコンのCD/DVDドライブ(マルティメディアドライブ)の調子が最近



あまりよろしくなく(読み込むときにものすごい音を立てはじめていた)、それでも



使えていたのだが、木曜の夜、ある人にあたしの洋楽プレイリストをCD−Rに



入れて渡そうとしたのであるが、「書き込みのできない曲が検出されました」と



今までにないエラーを言い出す。 それでもCDの読み込みはできていたのだが・・・



ついに、ドライブからCD−Rを取りだそうとすると0.8cmしかトレイが飛び出さず、



何かが引っ掛かっている模様。 葉書状の紙を取り出してその隙間から差し込み、



もしやCD−Rが浮いてしまったのなら位置を元に戻せないだろうかと奮戦。 なんとか



トレイを引き出せたのだが・・・何が原因で引っかかったのか不明。



 その後も、3回に1回ぐらいの割合で引っかかり続け、ついに引っ張り出せなくなった。



 もう疲れた、と、アマゾンで外付けマルチメディアドライブがないか検索したら、安くて



USB接続だけで使えそうなやつを発見。 他にもついでだからと本を物色し、注文。



 そして今気づく。 CD−RとDVD−Rも注文すればよかった・・・。



 と、結構さんざんな11月最後の三連休、と書いたら、この文章が一回消えた。



確認画面に行く前に「コントロール+A、コントロール+C」をしたのに貼り付けも



できなかった!(そういえば、文章を打っている最中も途中で文が消えたり、でもちょっと



時間がたつと戻ったりしていた)。 なんなんだろう、これ。



 普段は映画や本の感想は長くなるのでメモ帳に下書きしたものをコピーしてきて



いるのですが・・・短い文章でもそうした方がいいのかしら。



 というわけで、いろいろと負け続けの週末です。


posted by かしこん at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記のようなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月23日

ソハの地下水道/IN DARKNESS



 ナチスドイツ下のユダヤ人をめぐる話ってなかなか尽きないなぁ、と感心しつつも、



ポーランドが舞台ということで興味がありました。 しかも完全実話!



   その暗闇は、やさしい秘密を隠している――

    1943年ナチス政権下のポーランド。 迷路のように張り巡らされた地下水路に

    ユダヤ人をかくまった、一人の男の真実の物語



 下水修理が本業ながら、それだけでは食ってはいけないソハ(ロベルト・ヴィエツキー



ヴィッチ)は同時に空き巣もしながら家族を養っている身の上である。 ナチス・ドイツ



支配下のポーランドは無法地帯そのものであり、自分の身は自分で守らなければ



ならないのだ。 ある日、いつものように下水修理に地下に入ると、ゲットーから逃亡



するために穴を掘っていたユダヤ人たちと出くわす。



 彼らをナチに引き渡せば報奨金がもらえるが、それは一時のこと。 むしろ勝手知ったる



地下にかくまってやることでソハはユダヤ人から金を絞り取ることを選ぶ。



 いろいろと、あたしが抱いていたイメージが覆されます。 ナチスにもロシアにも蹂躙



されるポーランドはユダヤ人に幾分好意的なのかと思っていたのだがさにあらず(いや、



個人差はあったでしょうがかなり反ユダヤ色の強い人たちがしっかり描かれている)。



 そしてゲットーに押し込められているユダヤ人たちも不安にかられたりこれからどう



なるのかとおびえたりしているのかと思いきや、大勢が押し込まれた部屋で寝ている



のに、妻と娘が近くで寝ているのに他の女と堂々と不倫している男あり。 がっちり妻に



聞こえているのに・・・(その行動は地下に行っても変わらず、衛生観念は?!)。



   地下水道、といえば聞こえはよいですが、下水道ですから。



 子供たちは「暗い、くさい、上の方がいい」と泣き(当然ですよねぇ)、続々と地下に集結



するユダヤ人はソハの想定をはるかに超える数のため、パニクる。 それにしても、



たくましいというかなんというか、地下に来たユダヤ人たちはそれでもこれまでの生活を



変えないようにするのである。 ソハが持ってきた食糧を調理し、「下水からタマネギの



スープのにおいがする」と地上のポーランド人からタレこまれてナチ配下のガサ入れが



あるくらいなのに、彼らには危機感がないのか? というかユダヤ人が置かれていた



状況を当時のユダヤ人こそ理解していなかったのか? そこが謎でした。



   いい金蔓だと思っていたのに、彼らの

    食料や生活必需品を買っていたらもうけが出ない・・・勝手に抜け出すやつもいるし、

    ナチに見つからないようにするフォローも大変。 完全にあてが外れているソハ。



 そう、極悪非道なのかと思いつつ、実はどこか間抜けで情に厚いソハなのだった(ま、



ユダヤ人をかくまっていたのがばれれば自分も家族もただではすまない、というせいも



ありますが)。 そういう意味では、ソハの奥さんがいちばん常識人だったような・・・そう



いう相手がそばにいて助言してくれるって、大事ですねぇ。



 ご多聞に洩れず、死ぬ人もいれば助かる人もいる。 地下を嫌がっていた子供たちも



邪魔だからとドブネズミをさっとつかんでどかす、ぐらいまで慣れる。 当然ソハもそれ



ぞれの人々との交流もでき、もう守るしかないみたいな覚悟ができる。 その過程が



非常に自然で、変なイデオロギーの入る隙間などなく、「人として、当たり前」みたいな



流れなので安心して見ることができました。 映画として見る分には仕方がないのかも



しれませんが、地下の耐えがたい暗闇・絶望的に不衛生なにおいなどは見ている側に



あまり感じられず(感じたら感じたでつらいのですが)、「地下の生活、そんなにつらく



ないのかな? そんなわけないよな」と指さし確認するほどでしたが。



 でも、「おーい、衛生観念!」とは何回も思った・・・こういうところ、日本人は潔癖すぎと



言われる所以であろうか。 もしくは意外と、人間も大丈夫なのか?



   赤ん坊も生まれたりするしね。



 ソハ役の方は勿論、ユダヤ人側グループのリーダーっぽいおじさん、実戦部隊担当の



おにーさんなど印象深いキャラ多し。



 エンディングで、その後の彼らに対するテロップが出る。



 ナチスドイツの占領から逃れたのも束の間、ポーランドはソ連に蹂躙されることはもう



知っている。 だからラストに射した光はほんのわずかなものであることを、言われる



までもなくあたしにはわかっていた。 だから、地下から人が出てきて自由を分かち



合っても、心からよろこべないあたしがいた。



 テロップの続き、<神の名を利用して人を貶める人たちもいる>。



 この一言が、ぐさりと刺さった。


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2012年11月22日

シュールな絵本 その4



ロスト・シング/ショーン・タン



 『アライバル』的な<字のない絵本>かと思ったら、これは普通に文章があるやつ



だった。 でもビジュアル的世界観はやはり独特で、どこでもない場所(近未来という



感じでもないし)で繰り広げられる「どこかせつなくて、ちょっといい話」。



   でも、同時にかなりレトロ調の雰囲気も。



 少年期特有の感覚を、大人はどうして忘れてしまう(もしくはあきらめてしまう)のか。



 『まっくら、奇妙にしずか』の作者と同じように、こうやって絵で世界を語ろうという



人には自分の偏愛する何かがあるんだろうなぁ、という感じがする細部へのこだわりが、



それこそ<神は細部に宿る>って感じがして面白い。



 これも一応ハッピーエンディングではあるのだが、そこはかとなく漂うノスタルジーや



管理社会的なものに対する批判が、複雑な読後感にしています。





またまた自殺うさぎの本/アンディ・ライリー



 裏表紙に、



  <こんなにファニーでバニーな本は他にない――エルトン・ジョン>

  <綿密な取材の末完成された、今年度の最高傑作!――ヒュー・グラント>



 と賛辞が寄せられているのですが・・・これ、ほんとに本人たちのコメント? これも



ギャグ?、と勘繰ってしまうようなイギリス的ブラックジョーク満載。



   絵がシンプルなので余計に始末に負えないのか?



 とにかく、うさぎたちが様々な努力と工夫を凝らして自殺する・しようとする様を一枚の



絵で、もしくは数コマにもわたるマンガ的形式で表現。 映画のパロディシーンもあったり



して楽しい。 無表情なのかどうなのか微妙なうさぎたちの一生懸命さがだんだん面白く、



愛おしくもなってくる一冊(そこまでしなくても・・・というのもあるけど)。



 自殺方法も一目でわかるやつと、ちょっと考えてわかるやつとバリエーションに富んで



いるので、なかなか飽きません。 また、うさぎだから有効だけど人間には向かない、と



いう方法がほとんどなので自殺幇助には当たらないと思うけど、ブラックジョークが苦手な



方はご遠慮ください。 そうじゃない方は、是非お手にとって。


posted by かしこん at 08:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月21日

今日は、6冊



 そろそろあれが出るのではなかったか、とネットで新刊チェックをしたところ、



実は自分が全然気づいていない本が出ていたことが発覚! おかしい、この時期



本屋に行ったはずなのに見つけられなかったのか! 焦って、本屋に直行。



   それは常世のレクイエム/木原敏江



 これが、“あれ”。 11月16日発売予定でした。 木原敏江もあたしに多大な影響を



与えたマンガ家の一人なので、新刊は常にチェック! 読みたいのです。



 サブタイトルに<夢見るゴシック>とあるように、ゴシックロマンの代表格“フランケン



シュタインの怪物”と“吸血鬼”を天才詩人バイロン卿を狂言回しに展開させるさすがの技。



長編にもできそうなのに、これ一冊で終わってしまうのはちょっと残念。



   犬ぐらし【文庫版】/遠藤淑



 もともとの単行本は持っているのですが・・・<単行本未収録作品2編収録・巻末



あとがき書き下ろし>と帯に書かれてしまうと・・・買った方がいいかなぁ気分に。



  

      ハンガー・ゲーム3〜マネシカケスの少女/スーザン・コリンズ



 結局まだ1にも手もつけてないんですが、まぁ完結編だし、一応買っときましょうか



的な(こういうのは、もしも映画の続編がなくなった場合本も品切れ重版未定になる



可能性大)。 今回初めて巻末に訳者あとがきが載っています。 あぁ、最終巻なんだ



なぁ、の感慨もひとしお(読んでないのに)。



 そしてここから、すっかりスルーしてましてすみません、の2冊。



   プロチチ2/逢坂みえこ



 10月後半ぐらいの発売でした。 あぁ、『なごみクラブ4』に振り回されていたころか。



でも『宇宙兄弟』は買っていたのだから新刊棚は見ているはず・・・やっぱり、大きい



書店じゃないとダメってことなの? まぁ、1巻から11カ月振りということもあって、



あたしが油断をしていたのも事実です。 アマゾンでは品切れというか新品をもう扱って



いなかったので、ものすごく焦ったけれども、本屋さんの棚にはあった・・・ものすごい



安堵感でした。



   紳士の黙約/ドン・ウィンズロウ



 これは9月末発売でした。 おかしい、この時期もジュンク堂の新刊コーナーを通った



はずなのに! 『夜明けのパトロール』の“サーファー探偵”ダニエル・ブーンシリーズ



第二作なのですが、タイトルがどうもドン・ウィンズロウっぽくないのもあたしが気づかな



かった原因かも・・・。



 あぁ、でも手に入ってよかった。 ほっと一安心。


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2012年11月20日

湿地/アーナルデュル・インドリダソン



 <北欧の巨人、ついに日本上陸>というコピーとともに紹介されたこの本、北欧



ミステリブーム真っ最中のあたしとしては見逃すことができず。 なんと作者はアイス



ランド人です! アイスランドの小説読むの、初めてかも〜。



 そもそもアイスランドについての知識も乏しいあたし(ヴァイキングに狙われるのを



避けるため、氷の島を“グリーンランド”と呼び、自分たちの住む島を“アイスランド”と



呼んだ、という話を聞いたことがあるくらい)。



 なんと、アイスランド人にはファミリーネームという感覚がなく(存在としてはあるけど)、



誰もがお互いを親しさ度合いに関係なくファーストネームで呼ぶのだそうだ。 人口は



30万人、うち首都レイキャビク周辺で20万人が住むというこじんまり感が、地方出身



者のあたしとしてはどこか懐かしさを感じる。



   が、そんな田舎でも事件は起こる・・・

      いや、むしろ狭い社会だからこそ起こる犯罪はある。 日本ならば横溝的な。



 先行する北欧作品にならい、ここでも主人公は刑事である。 エーレンデュルという



50歳ほどのレイキャビク警察犯罪捜査官は、20年前に妻と離婚して以来音信不通。



いいトシの娘と息子がいるが、どちら二人も問題児という・・・ヘニング・マンケルの



ヴァランダー警部以上に私生活は悲惨(というか、日本の常識から言って「それ、ヤバ



すぎますよ!」、と言いたくなるほどヤバい)。 これがアイスランドの常識なのかしら・・・。



 それはともかく、事件は10月のレイキャビクで起こった老人撲殺事件。



 始めは<典型的なアイスランド的殺人>:金品目当ての行き当たりばったり殺人と



思われたが・・・死体に残されたメモ「おれはあいつ」が、これはただごとではないと



エーレンデュルに思わせる。 年若き同僚エーリンボルクとシグルデュル=オーリと



共に、被害者ホルベルクの過去を探っていくと・・・という話。



 北欧ミステリの敷居が高いのは、多分、名前にまずなじみがないこと。 しかし何冊か



読んでいくと、ありがち名前とか一定のルールが見えてくるので面白くなります。 ぜひ、



おためしあれ!



 いやー、この季節独特の陰鬱な空気感、好きだわ。



 事件のおおかたや犯人がどんなやつかというのは中盤手前ぐらいでわかってしまうの



ですが、そんな読者の勘で捜査は進みませんから、しっかり証拠を取り、根拠を取り、



裁判を維持できるように慎重な調査が要求されるわけで・・・大変おつかれさまです!、



という感じ。 しかも事件自体が<アイスランドだから起こること>になっていて、それも



好感触でした。



 殺される側にはそれなりの理由があり、殺す側にはだから当然理由がある、という



現代を描いているんだけれども“古き良き時代のミステリ”的なお約束に、ちょっと



ほっとします(殺される理由の原因については「ほっとする」どころではないのだが)。



 「誰でもよかった」じゃないのがね、いいんですよ。



 何年か後、アイスランドでも無差別殺人事件が起こるようになったら世界社会の



秩序は間違いなく歪んでいっている証拠になるかもしれません(『湿地』の原著は



2000年の発表ですが)。 次の作品も刊行予定だということなので、アイスランドに



ついてまた見守っていきたくなる。 ますます北欧について(局地的だけど)、詳しく



なりそうだわ〜。


posted by かしこん at 05:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月19日

何故、この季節に?



 道を歩いていたら、路上駐車している車があった。



 ボンネットの上に何かある・・・と違和感を覚えたあたしは、近づいてみてびっくり!



   カブトムシ



 こんなに気温が下がってるのにおかしいだろ!、とよく見たら・・・つくりもの。



 こんな飾り、ありなのか?



 どうくっついてるのかよくわからないんだけど(人のだから勝手に触るわけにも



いかないし)、しかし同じ体勢で一年中こうしてるのも、雨風にさらされて大変だと



思うなぁ。



 と、カブトムシに同情して、無断撮影がばれないうちにそそくさとその場を離れた。


posted by かしこん at 03:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 季節のこと/街の中の自然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月18日

シャドー・チェイサー/THE COLD LIGHT OF DAY



 全然宣伝されてないので「大丈夫かなぁ」という不安はかなりあったのだが、なんか



時間がちょうどよかったので見てしまう(この感じが、映画館で映画を見ることに慣れ



切ってしまった自分の生活姿勢を物語るよなぁ、とちょっと反省)。



 新スーパーマンにも抜擢されたというヘンリー・カヴィル主演と言われても・・・誰だか



わからないというダメさ加減。 ポスターのうしろに写るブルース・ウィリスとシガーニー・



ウィーヴァーが頼りです。



 どうやら自分で会社をやっているらしいウィル(ヘンリー・カヴィル)は久々の家族と



一緒のバカンスのために、サンフランシスコからスペインに入国。 ほんとは仕事で



それどころではない空気だが、一応親子関係の修復ということも意識しているらしい。



ほぼ毎年のように違う国で家族が合うのは、父親(ブルース・ウィリス)が大使館の



仕事をしているからだ(ま、この段階でブルース・ウィリスがただの大使館員では



ないことは誰でもわかるわけですが)。 海の上のクルーザーで家族揃っての休暇を



楽しむはずが、父親への鬱屈した感情と仕事上のトラブルへの意識が原因で、弟



(ラフィ・ガヴロン)の恋人(エマ・ハミルトン)に怪我をさせてしまい、余計に居場所が



なくなるウィル。 「買い物に行ってくる」と、ざぶんと海に飛び込み、見知らぬスペインの



街をうろうろしてから帰ってくると、クルーザーが元の場所にない!



 あわてて探しまわると、船は別の岩陰に放置されており、中には誰もいない。 急いで



警察に駆け込んで事情を説明するが、言葉が通じないので一苦労。 が、実はもう



すでに彼は陰謀に巻き込まれており、カーチェイスで逃げまどいながら真相に近付いて



いく・・・という話。



   自分だけ、知らない――。



 ヨットがないぞ!、までの展開はなかなかよくて、家族で仲良くクルージング、の



シーンでもちょっとしたカットで観客の不安をあおるようなサービス(?)があって、



「これってスリラー映画だった?!」とハラハラしたりもしたのですが・・・そんな予感



だけでした(ちょっとショーン・ペンの『悪魔の呼ぶ海へ』を思い出したので)。



 しかも、「まさかのブルース・ウィリス途中退場」という想定内の展開には苦笑して



しまい、ツッコミどころもいっぱいでした(ま、そういう映画なのでそこに文句をつけるのは



ファミレス行って本格フレンチ出せというのと同じようなことですが)。 父親と違って



普通の人のはずの主人公が強すぎるとか、そういうことは言ってはいけない感じ?



   あ、『インモータルズ』の人!



 多分、『アルゴ』のあとに見てしまったせいなんですけどね・・・、<CIA>や<陰謀>と



いうキーワードがかぶり、どうしてもこっちの方が安っぽく見えてしまう哀しさ。



 主な舞台はマドリードなのですが、街並みの美しさなどよりも延々と続くカーチェイス



しか記憶に残らない(しかもメインは夜中だ)・・・途中、寝ちゃったか、あたし。 期待の



シガーニーもいまひとつ輝きがない感じで、残念。



 これって、次のスーパーマンであるヘンリー・ネヴィルくんの日本での知名度を



ちょっとでも上げようという作戦のための劇場公開だったのでは、とか勘繰ってしまう



ほど、普通なら“劇場スルーDVDリリース”パターンの作品だと思うが・・・。



 監督が『その男、ヴァン・ダム』と同じ人だと知り微妙に納得(でもあっちの方がずっと



面白かったぞ!)。



 いろんな意味で、ブルース・ウィリス、出過ぎです・・・。



 久々に、「はずれ引いちゃったなー」という感想を抱いてしまった。 それもまた、



あたしにはちょっと珍しいことでした。


posted by かしこん at 07:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月17日

アルゴ/ARGO



 『グッドウィルハンティング−旅立ち』を見たときはベン・アフレックを「すごくいい!」と



思ったはずなのですが、その後、彼にはまったくときめくことのないまま時間だけが



過ぎ・・・『ザ・タウン』では「主役、ベン・アフレックじゃないほうがよかったかも」とまで



思ってしまったこのあたし。 まったく、ひどいもんです(きっと、ギャラの問題とか



いろいろあるんだろうなぁ、他の人に頼むと、とか考えてしまった)。



 さて、そのベン・アフレック監督作品も3作目。 でもそれを知る前にあらすじで、この



映画は見たいと思いました。 実話物、好きなんで。



   CIA史上、最もありえない救出作戦――それはニセ映画作戦だった。



 1979年、イランでは反米運動が盛んで、ついにはテヘランにあるアメリカ大使館を



過激派が占拠するという事件が起こる。 多くの大使館員は人質に取られるが、その



さなか逃走してどうにかカナダ大使館に逃げ込んだ6名がいた。 名簿を調べられれば



6人がいなくなっていることがわかるのは時間の問題、過激派に捕まったら殺されるのも



時間の問題。 ホワイトハウスと国防省はCIAに6名の救出計画を打診、その分野の



エキスパートとしてトニー・メンデス(ベン・アフレック)を責任者に起用する。



   ベン、どうしたんだそのヒゲ!

       ・・・時代的な流行りだったようでございます。



 熟考の結果、トニーの考え出した<脱出計画>とは、前代未聞で大胆不敵、そして



あまりにもばかばかしいものだった・・・という話。



 あぁ、だからオープニングで昔のワーナー映画のマークが出たんだ(モスバーガーの



マークをちょうどさかさまにしたみたいな形で、あたしも最近『ダーティー・ハリー』を見て



「昔のワーナーのマークってこんなだったんだ!」、と覚えていたからである)。



 端的にいかにイランが反米となったかを当時のニュース映像を交えたような形で早足で



紹介(しかしわかりにくいわけではないし、中立というかどちらかといえば「イラン国民の



不満は当然」みたいなスタンスで)。 79年という時代を丸ごとパッケージングしたかった



のかな、みたいな気がする序盤。 作戦が荒唐無稽であればあるほど、切羽詰まった



リアリティは絶対必要だもんね。



   大使館から脱出はしたものの・・・。



 あたしは、アメリカ大使館を取り囲むデモ隊が次第に暴徒化していく様子に、「この



時代じゃ王族側の人間は肩身が狭いどころの話じゃないよね・・・」と『ペルセポリス』を



思い出す。 これが、イラン革命の一端か(高校で世界史をとらなかったツケがこういう



ところに出るわよね・・・)。



 70年代ということで、出演者のみなさんの髪型やファッションがそれっぽいのが微妙に



笑えます(でも、テイストやニュアンスを変えて今もまた流行は帰ってきてますけどね)。



 アメリカ大使館内の勤務とはいえ、外国なのだからその国のことについてちょっとは



調べてから行かないのか?、という職員もいて、どんな職場にもそんなやついるよなぁ、



と妙に納得したりして。 不意の出来事に巻き込まれて動揺する人々に、ヴィクター・



ガーバー(カナダ大使)やテイト・ドノヴァンといったドラマでいい味を出している脇の方を



起用するセンスは好きです。



 これは『裏切りのサーカス』にも通じるのですが、CIAエージェントだといっても携帯



電話もない時代、国外脱出が成功するかどうかは心理戦とタイムリミット。



   隠れ家にて、連日リハーサル繰り返す。

          失敗は・・・すなわち、死。



 下手なアクションや派手な爆破なんかなくても、十分すぎるほどにスリリングで、手に



汗握るとはまさにこのことか、的な。 でもハラハラするだけじゃなく、この映画の肝は



あまりにもばかばかしい<アルゴ作戦>(映画のロケハン隊と身分を偽って出国すること)。



トニーに協力して、それをハリウッド側で仕切りまくる映画プロデューサー役のアラン・



アーキンとジョン・グッドマンが「いかにも!」って感じの業界人で、うまいったらありゃ



しなくて自然と笑いがこぼれてしまう。 ニセ映画のために大キャンペーンを張って、



オーディションもイベントもするばかばかしさ(しかし大真面目にそれをやってもぽしゃる



映画は星の数ほど、海外小説の「<映画化権が売れた=映画化決定ではない>を



リアルに感じましたよ」)。 この、緩急わきまえたつくりが、非常にいいバランスです。



   現地に入国しない二人は作戦開始と

      同時にバックアップ要員にまわりますが・・・「お願い、電話に出て〜」と

      こんなに焦った映画も久し振り。



 そして、幽閉状態の中、“もう一人の自分”を演じることに集中する彼らもまた不安が



拭えず、「こんな作戦でうまくいくのか!」とキレる者あり。 それ以外に方法がないん



だからとりあえずやろうぜ、と思ってしまったあたしは冷たい人間だなぁ、と実感。



2ヶ月近くも閉じこもって身をひそめていたという精神的不安定な状態にあるのは



わかるし、パニクる気持ちもわかるんですが、ぶつぶつ言ったってはじまるまい。



 そこを、リーダー格のテイト・ドノヴァンがびしっと締めてくれたのにはニヤリ。 さすが



トム!(それはTVシリーズ『ダメージ』の役柄だが)。



   映画関係者として

     変装、空港に向かうみなさん。 トムは監督という設定なので、変装がいちばん

     はじけていてこれもニヤリ。



 今回は「主役、ベン・アフレックじゃなくてもよかったかも」とは思わなかったし(やはり



エージェントは目立ってはいけないから、スターオーラのない人のほうがリアリティが



ある。 ほぼひげ面で顔がよくわからないということもあるけれど)、三作目にして自分の



映画スタイルをつかんだ、ということなのかもしれません(次世代のイーストウッドとか



言われてるみたいですしね)。 正直なところ、そんなに期待してなかったんですが、



すごく普通に面白いよ! どういうこと!、とうれしい誤算。



 なんかこれ、普通にアカデミー賞の作品賞にノミネートされちゃったりするんじゃない



のかな、もしかしたら監督賞も(だって、ハリウッドがアメリカを救った!、みたいな話



ですし。 でもそれは同時にアメリカは国策としてハリウッド映画をいくらでも利用できると



いうことでもあるのだけれど、そういうダークな面については語られないよ)。



 そういう作品がこんな早い時期に日本で公開されるとは、珍しい。


posted by かしこん at 09:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月16日

革命?



 常夜灯、というのでしょうか。 植え込みや建物などに沿って、腰から下ぐらいの



高さで一定間隔で並んでいる灯り。 上からの街灯とも違う、あまり影をつくりださない



ためのものなんだろうか? 最近、よく見るようになりました(というか、東北では冬は



雪で埋もれるからそういうものがあまりなかったからかも・・・)。



 で、帰り道のある一角にもそんな灯りの一列があるのですが、ちょっと前からそこに



誰かが落書きを。 日々追加され、最終的には真っ黒に塗りつぶされたりしてるやつも



あるんだけど(誰が直すのやら・・・)、何故かこれだけ、最初の書き込みから一切手が



加えられないまま。



   革命・・・何故、この字を?



 意味がさっぱりわからない。



 でも塗りつぶされたりしていないということは、書き手にとってなんらかのこだわりの



ある言葉なのだろうか。 しかし、日本ほど<革命>という言葉の似合わない国は



ないような気がするんですがね。



 三宅久之さんがお亡くなりになったという。 衆院解散を見ないで、ズタボロになる



民主党を見る間もなく、第二期安倍政権を見届けることなく。 こういうタイミングでこそ



三宅さんのコメントを聞きたかったのに・・・急に寒くなると、訃報が多くなるのはやはり



人体の機能にも限界があるという証明なんだろうか。



 いろいろと、考えざるを得なくなる。 やはり、もう冬なのか。


posted by かしこん at 05:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記のようなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする