2012年10月25日

シュールな絵本 その2

 エドワード・ゴーリー、懐古庵さまにご推薦(?)いただいたこちらを図書館から。

  絵本おぞましい二人.jpg おぞましい二人/エドワード・ゴーリー
 内容は予約したときは知らなくて、「絵本としてありえないタイトルだな!」ということで気になったのですが(同時に『うろんな客』にも予約を入れましたが、こっちが先に来ました)、イギリスの<ムーアズ殺人事件>がベースだったのですね・・・。
 それを意識して読み始めましたが、淡々とした筆致(文も、絵も)に肩透かしになりつつも行間にぎょっとする。 絵も、同じ太さの黒い線だけでできているのだけれど、その線をどこまで描き込むか、描き込まないかの匙加減が絶妙で、うまさにうなる。
 どこまで事実に即しているのかはよくわからないけど、おぞましい二人の行く末には現実より救いがあるような、ないような。
 あぁ、「二人で一人」という感覚がこんなにもひどい結果をもたらす出会いがあるんですね・・・。 これはもう規模の問題で、カルトにくくれてしまう範疇なのかもしれない(最近の尼崎の事件の報道を断片的に聞くと、以前の北九州の事件とベースはほとんど同じなのでは・・・と感じるし)。
 ともかくも、エドワード・ゴーリー、奇妙な魅力に引き付けられます。
 今年の残りをかけて地道に読んでいく所存。

  絵本まっくら、奇妙にしずか.jpg まっくら、奇妙にしずか/アイナール トゥルコウスキィ
 これはゴーリーではないですが、シャープペンシルの芯400本かけて描いたという絵がとにかく圧巻! で、絵だけにとどまらず物語もしっかりしており、余所者への違和感から、持たざる者が持てる者への嫉妬・羨望や人間の欲の深さを短い中に淡々と描いてくれています(そして余韻まで・・・)。
 レトロ調メカへの偏愛が随所に見られ、余計にこの物語を無国籍&時代不明にしていますが・・・それもご愛敬。 でも、読後感はぞわっとですね。

  絵本百年の家.jpg 百年の家/絵:ロベルト・インノチェンティ
                           文:J.パトリック・ルイス
 ブリューゲルっぽい絵にひかれて。 はじめ、1656年に建てられた家が廃墟になり、1900年に発見されて再建されてからの100年間を家目線で語る、という実にヨーロッパらしい話。 絵はほぼ定点観測で、時代と季節の移り変わりを細部にわたって描写(そのへんがブリューゲルっぽいと思いました)。
 いい話で終わるのかな、と思わせつつ、まさかのどんでん返し!
 なんだかんだ言って、ひどいのは人間ですよね・・・という共通項でくくれる3冊でした。

posted by かしこん at 06:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする