2012年09月08日

コージーもそろそろいったん休憩?



赤い靴の誘惑<竃v@製作所>/シャンナ・スウェドンソン



 『ニューヨークの魔法使い』、続編。



 すっかり魔法がはびこるニューヨークに慣れたケイティ・チャンドラー。 やっと自分を



優遇してくれる会社で重要案件を任され、<妹キャラ>から脱却して彼氏もできた(でも



同僚の魔法使いオーウェンにひそかに片思い中)。 それでもテキサスの片田舎から



出てきた“わたし”としてはニューヨーク生活を満喫できてるのじゃない?、と思っていた



のも束の間、社内にスパイがいることがわかるし、両親がテキサスから遊びに来ると



いうし・・・ケイティに平和は来ない!、という話。



 シリーズ一巻目についていたコピー<魔法版『ブリジット・ジョーンズの日記』>という



のはこの巻にこそふさわしかったかも。



   なんかこのシリーズの表紙、好きだわ〜。



 おまけにあることがきっかけで、彼女が今の会社にスカウトされた理由の能力を失う!、



という危機が。 誰にも相談できず、かといって的確な対応策がとれるわけでもない



ケイティにイライラしました(仕事やその他の被害のことを考えろ!)。 でもケイティは



自分に自信の持てない女の子、能力を失ったことがばれたかせっかく自分の居場所だと



思った会社をクビになるかもしれない、クビになったら他の仕事なんてすぐに見つから



ないし田舎に帰るしかないかもしれない、という不安に押しつぶされて結局誰にも言え



ない、という・・・。 それって、誰も信じてないからじゃないの? 誰も信じてないのに



自分だけ他人から信用されようなんて虫のいい話だぜ!



 おまえは10代か! 26歳だろ!、とついつい叱りつけたくなるのは、自分が通った



道だからですかね・・・しかもそんな葛藤は自分で乗り越えるべきなのに王子様が



助けに来ちゃうんだもの(ま、そういう話なんですけどね)。



 ま、面白いは面白いんですけどね・・・。



 コージーミステリは、主人公が成長したら物語としては終わりを迎えるしかないのかしら?





おだんごスープ/角野栄子(絵:市川里美)



 夏休みも終わり、絵本読み聞かせ企画もなんとなく終了。



 その中でいろんな絵本を読みましたが(実際読み聞かせに使わなくとも、それらを



探す過程で)、この本ほど文章と絵のバランスがつくる完成度が高いものは他に



見つけられなかった。



   これほど、絵の重要性を認知した絵本はないかも。



 「おばあさんがしんだので、」という衝撃の一言から始まる絵本!、というのも衝撃



でしたが、生きる気力をなくしてよれよれだったおじいさんが、おばあさんがよくつくって



いた“おだんごスープ”を通してまた普通の生活を取り戻すまでの物語をユーモラスに、



しかもあっさりまとめてしまう構成力! そして文章ではっきり描かれない部分を絵で



しっかりサポートする細やかさ。 いったい絵本ってどうやって作るんだろう?、という



制作過程までもがすごく気になりました。 どこまで作者と画家は相談し合うのだろう?



 おだんごスープを自分のためにとりあえずつくってみたおじいさんのもとに、おいし



そうな匂いにつられてきた意外なお客・・・その繰り返しでおじいさんの生活になんとは



なしの張り合いが出てくることを、部屋の灯りや花瓶の花などの絵で表現するさりげなさ。



 しかもそれをたったの32ページで!



 これって<絵画を読み解く>技術にも延長できるのではないかしら!



 これはウィーズナーの『かようびのよる』・『漂流物』とともに自分でも買いたい絵本、



かもしれない。


posted by かしこん at 20:05| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする