2012年08月12日

崖っぷちの男/MAN ON A LEDGE

 サム・ワーシントンさんは『アバター』や『タイタンの戦い』などのせいで3Dアクション俳優というイメージがありますが・・・普通の格好をすると意外と普通の人なんですよね(それでも、ワイシャツ姿一枚とかになるとガタイのよさというか筋肉の発達ぶりがわかります)。 で、アクション俳優という枠から外して見てみれば、彼は結構普通の演技派なんじゃないかと・・・今更気づく次第であります。
 ま、話も面白そうだし、なによりもビリー・エリオットことジェイミー・ベルが出るのです。
 ジェイミー・ベルには道をはずれてほしくないので、行く末を見届けたいわけですよ(ブラッド・レンフロなど過去にいろんな人を失った経験が、子役出身の俳優さんたちに対して過剰な心配を生んでいる。 でもそういう感覚が本人に伝わったらよくないんだろうなぁとも感じるのですが)。 いや、そこは近所にいた子の成長を気にかける近隣のおばちゃん的感覚だということで!

  崖っぷちの男ポスター.jpg なぜ、ここに?
   いま、起死回生のショータイムがはじまる。

 ニック(サム・ワーシントン)は、ニューヨーク中心街のホテルの部屋をとる。 豪勢なランチを頼み、ホテルマンにはチップをはずみ・・・そして準備が整ったと窓から外に出る。 すわ、投身自殺かと街を歩く人々が気づき、大騒ぎに。 警察もやってくるが、ニックは交渉人として女性刑事のリディア(エリザベス・バンクス)を指名。 しかも彼女は先日ある自殺の説得に失敗していて謹慎中の身なのだが、何故ニックはそれを知っているのか? そこには、ニックの側の事情が・・・という話。 

  崖っぷちの男4.jpg 大半の会話はこのような状況で行われます。
 話は結構無茶苦茶なのですが・・・意外にも勢いがあってその強引さを引っ張る力がこの映画にはあります。 <自分の生涯大事な一本>にはならないかもしれないけれど、レイトショーで見て「あー、面白かった! 明日も仕事がんばろう!」みたいな気持ちになる映画というか・・・そういう存在も大事よね、としみじみ感じるのであります。

  崖っぷちの男3.jpg 更に強引なのはこの弟パートだったりするわけですが。
 ニックの弟(ジェイミー・ベル)が、ニックが周囲から自分の目を引き付けている間にあるミッションを完了させようとするのですが(これってある意味、小規模な『ミッション・インポシブル』だよ)、出来のいい兄に比較されてきた弟らしくおとぼけキャラです。 彼女役の女優さんが美人でむしろ男らしい。 「準備に一年もかけたんだ」というわりにはかなり運に助けられてますよ・・・ま、それも持って生まれた何かなのでしょうか。
 で、今回、悪役としての登場がエド・ハリス!
 な、なんか病気でもしたのか〜!、というくらい老けこんだ感のある役柄に、あたしはびっくり。 どうした、エド・ハリス!、それじゃただのジジイではないか! 『ザ・ロック』のような禁欲的軍人みたいな雰囲気はどこに行ったのだ〜。 もしくは『目撃』的なシャイさを隠し持つ頑固一徹刑事とか(すみません、あたしはそういうエド・ハリスが好きだとわかりましたよ)。 本筋とはまったく関係ないですが、悲しかった・・・。
 まぁ、物語としてはニックの捨て身の一発逆転劇なわけですが、協力するのは家族だけではなく(このへんもアメリカ映画お得意の「家族万歳」テーマが入ってます)、街に集まってきた野次馬たちがニックに自分自身の何かを投影させていって不思議な連帯感が生まれていくところ。 これはニックには計算外だったかもしれませんが、ウォール街も近いし労働者・失業者には不満が渦巻いているし、もしかしたら暴動が起こる素地ってこんな感じなのかも?、と暴動とは縁遠い国の人間に気づかせていただきました。 そう考えると、この国もいつまでも暴動とは無縁とは言っていられないかもな・・・。

  崖っぷちの男2.jpg 意外と着やせするタイプ?
 ちなみにニックの元相棒であるマイク・アッカーマン(アンソニー・マッキー)は『アジャストメント』のいい人であり、『リアルスティール』の正義の賭け屋だ! しかも迷惑なレポーターも『クローザー』のキーラ・セジウィックではないか。 他にもちょこちょこと見覚えある方々が出てくるのも実は楽しい。
 レイトショー向け映画、というジャンルがあれば、これは今年筆頭かも。

posted by かしこん at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする