Papa told me COCOHANA Ver.@
〜丘は花でいっぱい〜/榛野なな恵
新刊コーナーで見かけたとき、思わず目をこすった。
1巻って書いてる・・・まったく新しく連載を始めたのか。 手にとって表裏をしげしげ
見るも、その手の情報は一切なし。 ま、この物語世界に大きな変化があるわけでは
なく、大事なのは過去作品のオムニバスか新作なのかの違いなのかもしれない、と
思って買ってみました。 ちなみにもともとのオリジナルは友達から借りて全部読んだ
あたしです。

一話目で、「こんなものわかりがよくていい性格の小学生の娘と、こんなよくできた
かっこいい父親なんて現実にはいないよなぁ」と思ってしまったあたしがかなしくなった
・・・かつてはこの世界が(決して自分には手に入らないものだとわかった上で)素敵だ
なぁ、と思っていたはずなのに。 ま、ある種のメルヘンとして、ですが。
でも二話目ではあの地震のことが触れられていて、<Papa told me>ですらもそこは
避けては通れないのか!、と驚きつつ、知世ちゃんと転校した希望ちゃんとの手紙の
やりとりに涙している自分がいた。 あぁ、そうだった、これはメルヘンじゃないんだ、
“自分の子供時代”を思い出させてくれるシリーズだったんだ!
ということで、反省。
そしたらパパは思いの外、死んでしまったママのことを思い出して罪悪感を常々
覚えてるし、ご近所の人や出てくる人たちから「誰もがそれぞれの事情を抱えながら、
それでも一生懸命生きています」というメッセージがストレートに感じられるのです。
それを<きれいごと>と言われてしまってはそれまでなのですが・・・。
しかしあたしはそれ故に、このシリーズが好きなことを思い出しました。 よかった。
やじきた学園道中記U 4巻/市東亮子
新しい話に突入、今度の舞台は津軽だそうである・・・何故?

・・・確かにこれは、通訳がいりますなぁ。
なんとなく、なのですが(なにしろ『やじきた』本編も友達から借りて読んだので)、Uが
始まってこの<津軽編>が、それまでの雰囲気にいちばん近い感覚を受けたのですが
・・・これまではウォーミングアップだったのか? それとも読者の感覚を慣れさせるためか?
それとも津軽ならば妙な忍術を操るやつらが沢山いても違和感のなさそうな土地柄って
こと?(そういう意味ではある時期の『スケバン刑事』をも思い出して、大変楽しい)。
<津軽編>、ちょっと長くなりそうな気配を感じますが・・・是非是非楽しませてほしいです。