2012年07月28日

プレイ−獲物−/LA PROIE

 なんか最近一部のフランス映画界は<わかりやすいサスペンス・スリラー映画>に力を入れているみたいで、これも<ミステリー・スリラー・アクション映画最高峰の祭典“コニャック・スリラー映画祭”最優秀スリラー賞受賞>という、どういう価値があるのかよくわからないコピーで大プッシュしておりました。 そういうの、なんか惹かれます。

  プレイポスター1.jpg 狩るか、狩られるか――

 何故か突然、フランスの刑務所から映画はスタート。 アメリカの刑務所をイメージしているとあまりのポップさに驚かされます。
 銀行強盗の罪で服役しているフランク(アルベール・デュポンテル)は、盗んだ金のありかを吐かないために同じ刑務所内にいる銀行強盗仲間(?)たちから日々脅迫を受けている。 何故フランクが金を隠しているのかは不明なのだが、面会に来る愛する妻までも「生活費が少なくなってきたの」などと暗に隠し場所を要求。 観客は誰も信用できない気持ちでフランクを見守るしかない・・・という話なのかなぁ、と思ったのですが。

  プレイ6.jpg 背後からドライバーで襲う受刑者って、どうよ。
 いくら刑務所はポップでも、一部看守が買収されたら一部受刑者やりたい放題の様はすさまじいです。 それはそれで映画になるだろうなぁ、的な。 しかしこの映画はそんな単純展開ではなく、結構反則技の強引な展開に・・・。
 あまり語るとネタバレになっちゃうので控えますが、フランクと同房で先に出所したモレル(ステファーヌ・デバク)のことを聞きに来たマニュエル・カレガ元憲兵大尉(セルジ・ロペス)の登場で、物語は大きく(かなり無茶苦茶に)動くことに。

  プレイ7.jpg このカレガ大尉が、かっこいい!
 彼自身が壮絶な過去を背負った人物で、それ故にモレルを執拗に追う説得力が生まれるわけなんですが、彼の行動はまさに“漢”でありますよ。 ちょっと泣きそうになっちゃった。
 主人公たるフランクが普通の地味なおっさん系だったり、逃亡した彼を追う刑事チームのリーダーが女性でなかなか美人なのだが周囲から侮られていたり尊敬されていたり(うっかりミスもしちゃうし)。 そんなクレール・リンネ刑事(アリス・タグリオーニ)もよく見るとそんなに若くない、というのがリアルだったりと脇役の持つサイドストーリーもなかなか興味深く、それはそれでまた別な映画になりそうな面白さです。

  プレイ5.jpg 部下? 同僚?の刑事、口は悪いが絶対リンネ刑事のことが好きそう。
 そして問題のモレル、こいつがまるで<若きスタンリー・プッチ>。
 ステファーヌ・デバクさんというこの俳優さんがフランス本国でどのような評価を受けている人なのかわかりませんが、今後要注目! きっとすごい役者になる!
 あたしはもう最初から、スタンリー・プッチだと思って見てました。

  プレイ4.jpg だって、こんなですよ。
 有名俳優さんが登場しないあたりも低予算なのかな、と思いますが、アイディアと勢いで押したこの映画、無茶苦茶なんですけど結構楽しめました。 アクションシーンもCGなど使わず体を張った感がありありだし。 最後もそうなるんだろうなぁ・・・とわかっていたけれども、あえて説教くささや自己憐憫を排除したドライな感じがこの映画にはふさわしかったかと。
 しかし無茶苦茶加減などは表紙が怖かった『シンドロームE』にもどこか共通する何かがある・・・これも国民性なのか、それともフランスにおけるB級のお約束ということなのか。 うーん、世界は、広いなぁ。

posted by かしこん at 23:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする