ニコラス・ケイジ、ニコール・キッドマン共演なのに、単館系で公開・・・という事実が
この映画の出来を如実に物語っているとは思いますが(しかもこのやる気ない邦題は
なんだ!)、ジョエル・シューマッカー監督の職人技的感覚は個人的にわりと好きです。
ただレコーダー故障のショックのために感想が吹っ飛んでしまっている部分も
ございますのでご了承ください。 記憶を掘り起こします。
ちなみに原題を直訳すると、『不法侵入』って感じですかね。

冒頭から羽振りのよさを振りまいているというか、仕事人間ぶりがウザいカイル
(ニコラス・ケイジ)はダイヤモンドバイヤー。 妻のサラ(ニコール・キッドマン)と
生意気盛りの15歳の娘エイヴリー(リアナ・リベラト)とともに<白亜の豪邸>に
住んでいる。 しかし夫婦関係はすれ違いがちで、夫はプールサイドに不審な
吸殻とライターが落ちていることに気づく。
そんなわけで観客への手がかりがわかりやすく次々と提示されていくのであります。
娘は両親ともに反対されたパーティーに出るためにセキュリティー厳重な家を
パスワードで突破。 その後、お約束のように強盗がやってくる。

何故か最新鋭のセキュリティやこの家族の個人情報に犯人グループがやたら
詳しいのは何故か?、という謎で行くのかと思いきや、ニコラス・ケイジは妻を殺すと
脅されていながらもかたくなに金庫を開けるのを拒否。 それは何故か?、というほうに
ストーリーがスイッチ、かと思えばまた違う要素が・・・といろんなものが右往左往
(バッチリ計画済みで行動しているはずの犯人グループたちの行動も同様)。
ニコラス・ケイジもニコール・キッドマンもよくこの仕事引き受けたなぁ、と別の意味で
感心。 こんなにも勢いだけの脚本を、それでもある程度の緊迫感を保ちつつ作品と
してよくまとめたよなぁ、さすがジョエル・シューマッカー!、とそれにも感心。 21時
過ぎのレイトショーとはいえ観客3人という事実にもなんだか納得(ま、自分がその中の
一人だということもまた事実なんですが)。

犯人グループもいろんなキャラがいてそれはそれで面白いんだけど、誰ひとり
知能犯じゃないというところにストーリー的に限界が。 一応どんでん返し要素も
あるんだけどそれすらも自作自演的というか爆発力がないという。
あたし自身はそんなにニコラス・ケイジのファンではないのですが、その野暮ったい
メガネはなんとかならんか・・・あまりに老けこんでいる感じがして別の意味で
ドキドキでしたよ。

自分の家族のためならなんでもする、そういう価値観がなにより正しい!、という話
でした。 アメリカだ・・・。