2012年07月07日

ソウル・サーファー/SOUL SURFER

 あたしは特にサーフィンには興味がないのですが、あの美しく青い波の色が大好きなのです。 しかも主演はアナソフィア・ロブ、『チャーリーとチョコレート工場』でブルーベリーになったあの子ではないか! 成長してるぞ!、ということで気になって。

  ソウルサーファーぽすたー2.jpg あきらめない――。

 練習中にサメに襲われて片腕を食いちぎられてもプロサーファーを目指した実在の女性(事故に遭ったのは13歳の時だが)、ベサニー・ハミルトンの実話の映画化。 あたし自身は「あ、なんか聞いたことがある」程度でしたが、かなり世界的に有名らしい。 ハワイに暮らすサーフィンが生活の中心の一家で楽しく暮らすベサニー(アナソフィア・ロブ)がそういう目に遭うと観客はわかっているので、彼女が海に入るたびにドキドキである(またそれをわかって海底からの視点をつけたりする)。 実際にサメが出てくる場面ではむしろスリル描写が控えめになっておりました(だからこそ余計にショッキング)。
 面白いというか興味深いのは、この映画で描かれるのが『ファミリー・ツリー』で否定(?)された“サーフィン三昧の毎日”を生きる人たちだということ。 ベサニーのうちの生計は何で立てられているのかよくわからない(両親ともプロサーファーだったのか? 父親はサーフ関係のショップを経営しているかサーフボードをつくってるかという感じはするが、直接描写も説明もなし)。 ベサニーには兄が二人いるが、三人共学校に行っていなくて自宅学習。 学校に行っちゃったらいい波のくる時間に海に出られないから、という理由。 プロサーファーになる夢というか、もはやサーフィンでやっていく以外に生活の道がないのではないか?
 ま、まわりもそういう人たちが多いので、サメに襲われたときにどうすればいいのかという対処法がわかってる人がいてよかったですね。

  ソウルサーファー4.jpg そして意外にも豪華キャストである。
 ベサニーの父はデニス・クエイド、母はヘレン・ハント。 みなさんサーフィンし放題、それだけ練習したのか、サーフィンできる人にオファーが行ったのかはわからないが不自然さはなかったのでよかったです。 ま、なんといっても主役はベサニーです、ほぼ出ずっぱりでの熱演! ブルーベリー少女も大人になった・・・。
 学校に行っていないながらもベサニーは近所の教会が運営するワークショップやらボランティアに参加しており(彼女のパートナー的伝道師はなんと歌手のキャリー・アンダーウッドだ!)、友人や社会生活にも事欠かないがやはりそこはアメリカというかキリスト教というか。 右腕がなくなったことも神の試練みたいな受け止め方で。
 そういえば体内の60%の血液が流出したのに助かった彼女にドクターがいう一言、「ちょっと不便にはなるが、努力すれば、さいわいにもできないことは数少ない」がかっこよかった!
 スポーツをする人特有のものかもしれないけれど、「何もかも嫌になった」時期から立ち直るまでが必要最小限で、いいことしか描かれてないみたいな批判はあるかもしれないけれど、見ていて負担にならなかった。

  ソウルサーファー1.jpg 片腕でもまた海に戻る決心をする。
 この腕のCG処理もすごくよくできているんですけど。 そしてはっきりと誰も口には出さないけれど、マスコミの無神経さについて逆に痛烈な批判になっているのが面白い。
 が、見ているあたしがおかしくなったのは落ち込むベサニーが伝道師たちと一緒にスマトラ沖地震のあとの被災地にボランティアに行ってから。 伝道師の言う「同情を恥と思わないで」に違和感を覚えつつ(同情が共感の始まりなのでは?)、津波で流されまくったあとの町に胸が詰まる。
 そのあとハワイに戻ってからベサニーがチャレンジするサーフィンの地区大会、その波の美しさにあたしは涙が止まらなくなった。
 3.11後、あたしは海に向かい合うことを無意識的に避けていたようだ。 だがこれを見ていて・・・やはりあたしは海を美しいと感じるのだ。 それはもうどうしようもない、もしかしたら島国に生まれた者として遺伝子に組み込まれているのかもしれない、津波にひどい目に遭ったことがわかっていても海を憎むことなどできない。
 サーファーたちのライドを見ながら、ただ泣くあたし。
 本来、不屈の魂で立ち上がるベサニーに対して感動する映画のはずだが・・・なんか主旨が違っててすみません。 勿論、「ガンバレ、ニッポン」の旗印の下、努力を尊ぶこの映画が日本人を勇気づけることは間違いないのですが、結構あたしのような感じ方をする人はいるのでは? それはそれで、ある種の癒しとして機能するのでは、と思います。 というか、自分でもまだこんなに傷ついているということに改めてびっくり。 これって、自分がサメに襲われたのではないのにベサニー本人よりショックから立ち直るのに時間がかかったベサニーの親友みたい?

posted by かしこん at 20:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする