2012年06月13日

シンデレラの罠【新訳版】/セバスチアン・ジャプリゾ

 ちょっと前に読み終わっていたのですが・・・仕事場の「外国の小説って読んだことがないんです」というお嬢さん(以前、あたしに東野圭吾『夜明けの街で』を貸してくれた人)にそのまま貸してしまっていました・・・今日、戻ってきたので、ぱらぱらめくりつつ感想を呼び起こしていきたいと思います。
 刊行は1962年、あたしが生まれるずっと前だ!
 その当時から「フランスのミステリ史上に燦然と輝く傑作」の誉れが高くて、当時のキャッチコピー<私は被害者で、犯人で、証言者で、そのうえ探偵です>はまったく読んだことなかったあたしでも知っていました。 新訳が出たのをいい機会に読んでみたわけなのですが。

  シンデレラの罠新訳.jpg 装丁もぐっとそれっぽくなりましたよ。

 <わたし>、<ミ>(ミシェル)は火事にあって大火傷を負い、顔も焼け爛れてしまったので皮膚移植を受けた。 一緒にいた<ド>(ドムニカ)は逃げ切れず焼死。 真相を知るのは<わたし>だけなのに、ショックで記憶を失ってしまった・・・わたしはほんとうに<ミ>なのか? もしくは<ド>ではないのか?
 という、切実なる自分探し。
 メカメカしいトリックを使っているわけではないので、書かれた年代が昔ながらもあまり時代を感じさせない内容。 大富豪を資産を受け継ぐ娘と、その友人(もしくはお付きの娘)は貧乏な家の出、というあたりは昔の少女マンガの王道の設定ともいえるし、初めて読むのに初めてではない感じ。
 たとえば、<ミ>が手術後初めて目を覚まして、でも顔中包帯を巻かれてどうしたらいいのかわからないという不安・・・なんかこのシーン、見たことあるような・・・あ、ミネット・ウォルターズの『昏い部屋』だ!
 などなど、既視感を誘われるのは『シンデレラの罠』が古典だからかしら。
 読み進むうちに<ミ>は<ド>なのかもしれず、<ド>の振りをした<ミ>なのかもしれない・・・と次々変わっていく。 これこそ、パラドックスなのでは!
 いつしかサイコホラー要素までひそかに感じてきました。
 さすが古典、侮りがたし!

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 05:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする