2012年05月31日

特捜部Q−キジ殺し/ユッシ・エズラ・オールスン

 デンマークを代表するミステリ『特捜部Q』シリーズ二作目。
 前作『特捜部Q‐檻の中の女‐』で大変痛い目に遭ったあたしですが(精神的な比喩ではなく、リアルに具合が悪くなったのです)、二作目も冒頭からひどいシーンをこれでもかと積み重ねてくるのでかなりげんなり。
 他人を痛めつけることに罪悪感を持たないどころか快感を覚えるやつらの群れに、ちょっとこれは耐えられるかしら・・・と怯む。 なので今回は、読みとおすのにちょっと時間がかかってしまいました。

  特捜部Q02キジ殺し.jpg しかもサブタイトルが『キジ殺し』って・・・。

 『ミレニアム』三部作でも感じたことですが、北欧にはびこる暴力の連鎖って、何?
 デンマーク・ノルウェー・フィンランドのミステリは激しい暴力から避けて通れないのか、それともそれがいちばんホットな題材、ということなのかしら。 なんだか哀しい。
 根深い階級社会の腐敗、ってどこの国にもあるのね〜。
 前回も大怪我をしたカール・マーク警部補は真相に踏み込むにつれてまた痛い目に。 アサドの活躍はもう織り込み済みですが、彼の過去が気になります。 新メンバーのローセが今後どう活躍するのかも期待できそう。
 しかし、このストーリーの主役は、あくまでキミーという女性。
 彼女はまるで『ミレニアム』のリスベット・サランデルと合わせ鏡で向こう側にいるような人。 もし精神を病んでしまっていなかったら、もしかしたらリスベットのように生きられたのかもしれない人のように思えてせつない。
 シリーズ3作目がそろそろ発売予定だそうなので(売れるとわかったら出版ペースを上げるのだろうか。 翻訳者も違ってるしなぁ)、カール・マーク警部補のダメダメぶりがどっちの方向に進むのか、アサドはよりいい仕事をするに違いないがとんでもないドジも踏むに違いない。 シリーズってそういうレギュラーメンバーの変化を見ていくのも楽しみのひとつ。 というかそういう楽しみがなかったら、悲惨すぎるリアルな犯罪事件の話に付き合えないです。

posted by かしこん at 05:19| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする