2012年05月15日

エージェント6/トム・ロブ・スミス



 『チャイルド44』『グラーグ57』に続く三部作、完結編。



 ソ連・KGB所属の秘密警察捜査員、レオ・デミドフを襲う過酷な運命。



 あー、読んでしまった。 といいますか、上巻を読み始めたら読み終われない



くらいのジェットコースター。 「おや?」、と、前作・前々作との誤差を若干感じ



ながらも、「ライーサはどうなる?!」とハラハラする気持ちを抑えられず。



 それもまた予想以上のひどい展開に・・・下巻に突入したらさらなる悲劇の予想に、



読むスピードが止まります(その間に、コージーを読んじゃいました)。 ストーリー



展開もトーンダウンはするのですが、上巻の悲劇は下巻の前振りです、みたいな



流れに悲しくなったりもする。



  

   あらすじは・・・もういいですかね。 というかどこまで話せばよいのかわからない。



 『グラーグ57』のときも思ったけど、この作者はほんとに容赦がない。 そのくせ、



そこで終わってどうする!、というまるで希望を漂わせるかのようなラストシーンには



非常に腹が立つ(実際はその5分後には何が起こるか読者には想像がつくだけに)。



それだけ、がっちり感情移入して読んじゃった、ということでしょうか。



 冷戦時代とは一体何だったのか。 教科書でしか知らない“ソ連のアフガン侵攻”が



レオの体験として書かれているけれどそれは俯瞰した歴史じゃない。 シリーズを



通して<ソ連という体制の魔物>が描かれますが、アメリカもまた同じ穴のむじなの



ようです。 日本は外交ベタだけど、こんなのと渡り合わねばならないのか、と思うと



鎖国したくなりますね、なんだか。



 しかしシリアルキラーを追う『チャイルド44』から、ここまで話が展開するとは・・・。



なんだかとっても不思議な感じ。



 田口俊樹さんの訳はなんとなく読みづらいかな、という印象だったですが(多分、



ジェフリー・アーチャーの『獄中記‐地獄篇‐』の記憶が悪かったのだ)、この三部作は



そんなことがなかった。 あたしが成長したのか、タイミングなのか、原作者との相性



なのか。 翻訳書はそんなことも面白さのひとつです。


posted by かしこん at 04:22| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする