2012年05月01日

引き続くコージーミステリ



秋のカフェ・ラテ事件/クレオ・コイル



 <コクと深みの名推理>というシリーズタイトルの3作目。 1・2作は結構前に



読んでいて、また2作目でいい感じに人間関係がまとまって終わったのでストップ



しておりました。 これを機に、続きを読むか、と。



 ニューヨークのグリニッジビレッジで100年以上の歴史を誇るコーヒーハウス



“ヴィレッジブレンド”のマネジャーであるクレアが主人公。 元夫がコーヒー豆の



バイヤーをし、元義母が店のオーナーという複雑なのかシンプルなのかよくわからない



関係性の中、今日もクレアはカウンターに立ち、おいしいラテを淹れる。



   表紙がかわいいのが読み始めた理由。



 季節は秋、セントラルパークでは恒例のファッションウィークが行われており、



お店もてんやわんや。 しかしビレッジブレンドの特製ラテを飲んだお客が急に



倒れたからさぁ大変。 毒殺と判明し、ラテをつくったバリスタが容疑者として連行



される。 彼がそんなことをするわけがない、と信じるクレアは事件を調べにかかり



ます、という話。



 あぁ、そうだぁ、と読んでいて思い出す。 この作者、大事な手掛かりを二回か



三回繰り返して出してくるんだよなぁ。 だから何が事件のポイントなのかわかって



しまうのだ。 で、ある程度の解答を読者がわかってしまうから、書かれている解決と



その後が駆け足に思えてしまうんだよなぁ、と。



 前作で多少はっきりしたはずの元夫との関係もまた曖昧な感じに戻っており、



プレイボーイの彼に愛想を尽かして離婚したはずなのに彼がいちばんに愛して



いるのは自分で、みたいな“女性側が夢見る都合のよい流れ”みたいなものが



ちょっと気になりますが、これもハーレクイン的お約束なのかしら。



 ただ、これを読んでいるとコーヒーがものすごくおいしく素晴らしい飲み物のように



感じられるのです。 ストレートのコーヒーはちょっときついけど、ラテやカラメル・



チョコレート・ラテぐらいならあたしも飲めそうである。





クリスマスに死体がふたつ/ジェイニー・ボライソー



 こちらはコーンウォールシリーズ第三作。 油絵に本腰を入れて取り組むことに



したローズは海沿いの人気のないところでスケッチを。 そうしたらばどこからか



女性の悲鳴が聞こえてきて、思わず通報してしまったローズだが捜索の結果何も



見つからなかった。 迷惑をかけないでくれと怒られたローズだが、自分が聞いたのは



確かに女性の悲鳴だったはず、といつものように探り始めて、また殺人事件に巻き



込まれてしまうのだった、という話。



   死体は二つしか出てこないのね、と途中で気づく。



 狭いはずの町ながら新しい人たちが次々出てくるのはご当地シリーズではおなじみの



展開ですが、今回はローズが画家としてステップアップしていって芸術家たちの



グループに仲間入りするというストーリー上の必然があるので無理がない感じ。



 そして今回の事件では<人の心の底からじわっと出ている悪意>がクローズアップ。



ここはかなり面白かったです。 誰かの一言にさりげなくこめられている悪意の正体に



気づいちゃったら、すごくいやだし怖いよなぁ。 でもあたし自身もローズ同様普段から



悪意の存在を意識していないから、いざわかってしまった日にはひどく落ち込む。



 コーンウォールの名物はパースティと呼ばれるミートパイと、クリームティ(スコーンに



クロテッドクリームとストロベリージャムをたっぷりつけて食べながら紅茶を飲む)。



これまたどっちも食べたくなる・・・大丸神戸店の地下が改装されて、イギリス式スコーンと



クロテッドクリームを売るお店ができたのですよね、ためしに買ってしまいそうだわ。


posted by かしこん at 03:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする