2011年11月15日

天使と罪の街/マイクル・コナリー

 『ザ・ポエット』を読み終わり、満を持しての読み始め。
 解説ではあらすじや登場人物表ではポエットのネタばれはしていない、と書いてあり、確かにそうなんだけど本文の数ページ目にポエットの本名が出てきた・・・なるほど、これならば「先に読んで!」というはずである、と納得(犯人の名前わかっちゃったら読む気半減だよね・・・)。 でも登場人物の関係・因縁を知っておいたほうが面白いのは確かなので『ザ・ポエット』を読んでおいてよかったです。

  天使と罪の街1.jpg天使と罪の街2.jpg 表紙・・・微妙。

 が、それよりもあたしにはテリー・マッケイレブ(『わが心臓の痛み』の主人公で『夜より暗き闇』の主な語り手)のその後に衝撃が!(マカヴォイくんのことはどうでもいい、これには出てこないし)
 で、『ブラッドワーク』(『わが心臓の痛み』を原作にしたイーストウッドの映画)について作中人物たちが映画のモデルにされたこと−現実との乖離に不満を述べている、というのがやたら面白かった。 バディの気持ちなどまさに!、である。
 これって原作者としての気持ち?
 そして相変わらずFBIの傲慢さというか強引さがこれでもかと描かれ、ボッシュの立場の弱さを浮き彫りにする。 それにしてもテリー・マッケイレブのことをこんな風に扱うとは・・・作者は非情でなければ生きられないのだな。
 またしても女に弱いハリー・ボッシュに「困ったもんだ・・・」とあきれるしかなく(しかしそれにいちいち付き合う女たちにも問題があるということでもあるだろう)、“心の弾丸”説まで持ち出した運命の女・エレノアのことはどこかふっ切っている印象だし、それを他の女にあてはめようとするし、なんだか少し腹立たしい。
 殺人鬼ポエットを見つけた段階でホールドアップや拘束など目論まずに、さっさと撃ち殺してしまえばあとあと面倒なことにならないのに、と思ったあたしはひどいやつなのでしょうか。
 訳者あとがきにより、日本での出版社がころころ変わるのはコナリーの版権料が高いからということが判明。 そこはエージェントの問題だと思うけど、日本でいまいち大ヒットしきれてないからこそ版権料を据え置きして出版社・本屋に売ってもらう努力をしてもらった方がよいのでは・・・ということを考えてしまうのもまたあたしだけですかね(無理矢理上下巻にするのも単価を上げようという対策のように感じられる)。
 自分の弱さを認め、もう一度はいあがることに決めたハリー。 自分の弱さを認めることは悪いことではない、弱さに開き直るのではなく、弱さを踏み台にして強くなるためなのだから。
 と、なんだかんだで10作目まで読了! 今年中に残り3作読めそうである。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 01:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする