2011年11月10日

見仏記三昧

 何故か、あたしは仏像が好きである。
 彫刻についてはよくわからないのだが(ギリシア彫刻とジャコメッティは例外)。
 多分、きっかけは高校の修学旅行で訪れた「京都・奈良・神戸」コースで出くわした三十三間堂であったと思う。 無限にも思える大量の仏像が、あたしのどこかに刻み込まれた。 あのコースに京都の東寺が入っていたら、またすごいことになっていたかもしれないが、修学旅行のお約束・薬師寺のお坊さんの楽しい説教でしめくくられた(それはそれで楽しかったですが)。
 で、その後『見仏記』が出て・・・仏像ブームの火付け役と言われるこのシリーズだが、確かにあたしが感じたことがここで詳細に(かつ素っ頓狂な方向にも)語られている!、のだから面白いのも当然だった。
 ずっとシリーズを買い続けてますが、その新刊が出たと聞く。

  見仏記ぶらり旅篇.jpg 見仏記 ぶらり旅篇/いとうせいこう・みうらじゅん
 このシリーズが始まって18年だそうである・・・はじめは雑誌の連載として。 しかしふたりが“仏友”となってからは取材関係なくプライベートでも二人でお寺を巡っているそうだし、趣味と実益がかなえば結局趣味に寄ってしまうこの二人がとても面白い。
 神戸に住むようになってあたしもいろんなお寺を回りましたが、彼らと同じようなことを感じるときとそうでないときもあり、あたかもパラレルワールドを旅してる気にもなって楽しい。 だからいそいそと、新刊が出ると読む。 初期の仏像中心の記述もいいが、すっかり<紀行文>の風格すら漂わせる『見仏記』は、もしかしたらいつしかどこかの国語の教科書に採用されるのでは?!、という気がしないでもなかったり。

  見仏記ゴールデンガイド篇文庫.jpg 『見仏記5 ゴールデンガイド篇』も同時期に文庫化。
 ハードカバーで持っているのに文庫になるとつい買ってしまう・・・「文庫版あとがき」があるし、ときには文庫オリジナルコラムがあったりするから。
 今回の「文庫版あとがき」では、東日本大震災に触れられていた(まぁ、触れておかずにはいられないだろう)。 この本の収益は震災の基金に回されるそうなので、また買ってしまう罪悪感から解放してもらえた。
 人の生活は一瞬の出来事で変わってしまう。 けれど仏像は何千年も残り続ける(勿論すべてが残るわけではないし、残したいという人々の強い思いが仏像を残し続けてくれた側面もある)。 あたしがクジラやシャチといった巨大な生き物を前にするとその雄大さに酔いしれてしまうように、仏像を見ると「ここまで残ってきた悠久の歴史」と「それに比べればほんのちっぽけな自分の一生」の対比に圧倒されてしまうからでしょうか。
 あぁ、最近、仏像見に行ってないなぁ・・・。

ラベル:新刊 エッセイ
posted by かしこん at 03:50| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 買っちゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする