2011年11月05日

ある意味、原点揃い踏み

 最近時間が合わなくて大きい本屋さんに行けてない。 それはそれでストレスがたまることに気づく次第。 仕方ないので歩いていける範囲の小さな本屋をのぞく機会が増えるが、意外に掘り出し物を発見するので侮れない。

  伊勢物語.jpg 伊勢物語/木原敏江
 「むかし、おとこありけり」で始まる例の古典作品を作者独自の視点から抜粋・再構築。
 あたしは古典が大変苦手ではありますが(高校時代、現代文・漢文に比べて古文の点数は極端に低かった)、古語独特の音の響きとか、五七調・五五調・七五調といったリズムは好きなのである。 それを「現代語訳せよ」とか文法問題で攻められるからテストはさんざんだったのだが・・・それでも古典文学世界を愛せたのは、木原敏江がこれらの時代の物語を描き続けてくれたからだろうなぁ、としみじみ思う。
 『夢の碑』シリーズでも特に好きな『風恋記』は鎌倉時代、『雪紅皇子』は南北朝時代が舞台だし、実際の歴史と絡めて見れば特定の範囲だけ歴史にも詳しくなるのです。
 さて、今回は『伊勢物語』。 まさに作者の本領発揮!、ともいうべき和歌の解釈、装束の美しさが光ります。 そしていくら時代が変わろうとも男女間のことはほとんど変わっていないというか、過去に学べない感がありありです(でもそれはそれでもう仕方がないんですけどね)。
 「バカだなー、こいつ」と読んでいたのにうっかり泣いてしまったりして、筋運びと感情の発露の仕方もまたお見事です。 木原敏江の代表作のひとつである『アンジェリク』を初めて読んだのは小学5・6年ぐらいだったと思いますが、それ以来何度も読んでいるのですが、いい大人になってもいつも同じところで泣いてしまう・・・。
 この方もあたしに多大な影響を与えている人です。
 今後もマイペースで自分の描きたいものを描いていただければ・・・それを読むのが(読めるのが)、ファンとして十分の楽しみです。

  パタリロ87.jpg パタリロ! 87巻/魔夜峰央
 ついに『パタリロ!』も87巻ですよ。 今回は半分ミステリネタに妖怪話、江戸時代もの、神・精霊ものとバランスよく(?)配置。
 ミステリネタは別で連載してる『プリコロ』との兼ね合いがあるせいと思われるけど(プリコロは筋道はめちゃくちゃだが犯人だけを正しく当てなければならず、パタリロはすべてを正しく当てなければならない)、一部パタリロがプリコロ化している部分もあり・・・プロット考えるの大変なんだろうな、と勝手に思ってみたり。
 それでも人情話で落としてみたり(江戸時代バージョンは落語ですし)、ある意味不条理の『ドゲヌマを1ダース』をばかばかしい笑いでまとめちゃうところはさすがです。
 『パタリロ!』はこれまたあたしは小学生の頃から読んでいますが・・・「それ、どこから仕入れた?」的な知識はほとんどパタリロを読んで身につけたような・・・(それもまた大半は役に立つのか立たないのかわからない知識なのだが、それが多分人生を豊かにする要素だとだんだんわかってきたり)。
 あたしが好んで引用する言葉「頭は帽子の台ではないぞ」は確かパタリロがファイロ・ヴァンスかブラウン神父に変装したときに出てきた台詞だったような気がするんだけど、実際に使ってみるとまわりの人に驚くほど通じない・・・自分が知っていることが常識じゃないと知るかなしい瞬間です。
  ※頭は帽子の台ではない : 頭は帽子を乗せるためのものではなくて、そもそも頭の中身(脳)をどう使うのかが大事なのだぞ、的な意味。
 そのような決まり文句は他にいくらでもあったりして。
 一時期“マンネリがお約束でもいくらなんでもマンネリすぎだろ”な時期もありましたが、またそのトンネルを抜けてかつての勢いを取り戻しつつある感じなので、少女マンガジャンルでの初の100巻越え、期待します。

ラベル:新刊 マンガ
posted by かしこん at 06:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする