2011年11月01日

ミケランジェロの暗号/MEIN BESTER FEIND

 どこかで見たことあると思ったら、『ソウル・キッチン』のダメなにーちゃんじゃないか!
 特に二枚目でもないタイプを主役に据えるドイツ映画の心意気、よし! そしてドイツ映画界では日本における時代劇のように<ヒトラー時代>を専門に再現する職人さんたちがいるのではないかと思ってしまうほどに“当時っぽいもの”がどんな小道具に至るまで多数登場する。 太秦映画村のようなものがあるのかもしれない、と本気で思った。 しかしこの邦題はいかがなものか・・・。
 1938年、ウィーン。 画廊を営むカウフマン家は成功していたがユダヤ人であるため迫害の波がすぐそこまで迫ってこようとしていた。 だがヒトラーがそうすぐに強硬手段に出るとは思っておらず、逃げ遅れ一家は政府の手に落ちる。 父はミケランジェロ作と思われる素描を手に入れ、それをどう国外に持ち出すか算段していたところだったが、息子のヴィクトル・カウフマン(モーリッツ・ブライブトロイ)は幼馴染で使用人の息子であるルディ・メスカル(ゲオルク・フリードリヒ)に素描のことを教えてしまう。 メスカルがカウフマン一家に卑屈な感情を抱いていることを知らず。

  ミケランジェロの暗号ポスター.JPG ナチス・ドイツの戦況を左右する国宝級の名画(ミケランジェロ)の行方 鍵を握るのは一人のユダヤ人画商

 原題の意味は『我が敵であり友』、つまりヴィクトルとルディのライバル関係がこの映画のメインなのだが・・・『ダ・ヴィンチ・コード』みたいな邦題をつけたのは誰?(しかもミケランジェロ本人は全然関係ないし)
 このミケランジェロをムッソリーニに渡すことで優位に立ちたいナチス・ドイツ側は素描を死に物狂いで探すが見つからず(見つけたと思った代物は実は贋作)、本物を見つけなければ殺すとヴィクトルを脅すのだが真実を知っているのは父親だけ、が、その父親は強制収容所で死亡。 残された手がかりからヴィクトルは絵の行方と残された母親と婚約者レナ(ウーズラ・シュトラウス)を安全な場所に送り届けるよう手配しなければならない。 しかしヴィクトルはルディの監視下にあり、レナは今はルディの婚約者であると知らされる・・・という話。
 実はルディ役の俳優さんにも見覚えがあり、『アイガー北壁』に出てた!、と途中で気づく。 最近ドイツ映画も結構見てるんだなあたし、と実感。

  ミケランジェロの暗号1.jpg ドイツの国民性は日本に共通するものがあるとよく言われるが・・・だから感情移入しやすいのかしら?

 強制収容所のシーンは最小限、ユダヤ人であることとナチスの間の確執もしつこく描かず、あくまで“コン・ゲーム”の要素で引っ張ったのがサスペンス的には成功(歴史ドラマとしてみると物足りないかもしれない)。 「素描はどこにあるのか」は観客にはすぐにわかってしまうので大きな謎とは言えないけれど、ちょっとした『ケインとアベル』のようなヴィクトルとルディの関係性が面白いのです。 同じ女性を好きになってしまったかつての親友同士がいかにして袂をわかち、いかにして憎しみと愛情の葛藤に耐えるのか、これはそういう話だと思う。
 終盤が駆け足になってしまったのがちょっともったいなかったかな〜。
 でもラストの爽快感は捨てがたし。

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 02:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする