最近どうもいそがしくて、時間がうまく使えていない(これまでも特にうまいわけでは
ないのだが、それよりもひどい状態になっているということで)。
なんだか疲れもとれないし、と体力つけなきゃといつも電車乗る距離を歩いてみたり
して、余計に疲れがたまってみたり。 本末転倒。 土曜日なのに今日も仕事だったし、
見る予定の映画も全然見に行けてない(やばい、終わっちゃう!)。 ということで
ダッシュでシネ・リーブル神戸に向かうが、映画が終わる時間には本屋は閉まっている
ので、映画の時間までの15分でセンター街のジュンク堂をのぞくことに(ここからシネ・
リーブル神戸までは徒歩1・2分である)。
ほしかったのは25日発売のこちら。
天冥の標X―羊と猿と百掬の銀河/小川一水 全十作完結予定で、順調に五作目。 しかしあたしはまだ一作目の途中で止まった
ままなのです・・・すみません。 こんなにぐんぐん続きが出るとは思ってなかったもんで。
でも一気読みするタイミングに備えて、買っておきたいわけです。
あと、ハヤカワの新刊案内で気になっていたもの。
扉は今も閉ざされて/シェヴィー・スティーヴンス なんでも“スリラー・オブ・ザ・イヤー2011”授賞作品だそうである・・・そんな賞は
初めて聞いたかもだけど。 最近、スリラーというジャンルも面白いなぁと思い始めた
感じがあって(子供の頃はスティーヴン・キングの初期作品みたいな救いようのない
バッドエンディングはつらすぎて読めなかったんだけど・・・年をとるにつれ感性が鈍く
なったのか、許容範囲が広くなったのか、現実と虚構をやっと切り離せるようになって
きたからなのか)。 むしろ後味悪い方が印象深いというかずしんと残るようになって
しまった今日此頃。
そしてまだ新刊コーナーに置かれていたので、先月買いそびれてたことを思い出した
本たち三冊。
マインド・イーター[完全版]/水見稜 SF好きなあたしではありますが、“SF冬の時代・日本のSF冬の時代”をちょうど
通過してきた世代なので、「名前は知ってるんだけど読んだことがない」作者・作品
多数。 その原因は作家専業じゃないのか作品数が少ない・定期的に作品を発表
しないから本が流通しないためと思われます。
“宇宙へ進出した人類に襲いかかったもの、それがマインド・イーター”と表現される
紹介文。 ここだけ読むとまるでパニックSFのようですが、かなり観念的で実験的な
内容のようです。 あたしに読み解けるかしら・・・しかしそれもまた、SFの楽しささ!
鳥はいまどこを飛ぶか―山野浩一傑作選T 山野浩一、『X列車で行こう』の存在は知ってましたがやはり読んだことがなかった
あたし。 今回、収録作品の初出年を見たら1960年〜70年代に集中! あたし、
生まれる前じゃん・・・。 紹介文には「三島由紀夫、安部公房らに高く評価され」と
書いてあったり、あらすじなのか?、というほど前衛的表現がされ、「紹介文でこれなら
本文はもっと前衛?」とビビってしまう。
しかし解説によると作者は寺山修司の弟子だそうで、だったら中井英夫の孫弟子?に
なるのか?!、とか思っちゃったりして。
殺人者の空−山野浩一傑作選U おまけに作者本人によるあとがきは読書ガイドになっており、非常に冷静に自作を
評論している・・・30年以上前の作品だから自分が書いたものという意識が薄くなってる
せいかもしれないけど、そのクールさはシュールさにも通じていてしびれる。 しかも
作品には実存哲学がからんでいるらしい。
手ごわそう! が、だからこそやはり読みがいがあるなぁ。
倒立する塔の殺人/皆川博子 これは以前図書館から単行本借りて読んだんだけど・・・これこそ「小学6年生の
ときに読んでおきたい本だった!」(いや、実際にあたしが小6のときにはこの本は
書かれていなかったんだけど)、と思っていたのです。 「あ、文庫になってる!」と
いうことで購入決定。 皆川博子のベスト作品ではないでしょうが、“少女の純粋なる
残酷さ”を美しくもせつなく描かれてしまっていることにあたしは弱いのです。 マイ・
フェイヴァリットな作品なんです(あー、でも好きなのは『薔薇密室』も好き〜)。
『死の泉』や『総統の子ら』、『聖餐城』なども素晴らしいのですが他の人がベストに
押してくれるだろうから、あたしはこれに一票入れます。
というわけで本日は6冊、¥5,550−でした。
ジュンク堂の袋を提げながら早歩き。 途中で「あっ!」と気づく。
『闇の左手』も買おうと思っていたのに(表紙が新しくなったのを最近知って、その
表紙がまた素敵だから)。 創元推理文庫の江戸川乱歩作品、持ってるやつと持って
ないやつを確認しようと思っていたのに・・・(そしてないやつは買おうかと思っていた
のに)。 時間に余裕がないと、目先のことにとらわれて終わってしまうわ。 次こそ!