朝、草むらがガサガサと揺れ、のっそりとした姿が現れた。
「あ」、と思わず声に出たあたし。
あたしの存在に気付き、立ち止まるネコ。 こちらの気配をうかがいつつ、
あくまで「気にしてませんけどね」のポーズを崩さない。

なのにあたしがいなくなるまで絶対動きません!、な覚悟が伝わってくる。
ここまで無愛想キャラのネコ、ここでは初めて会うかも・・・。
一体このあたりには何匹が住んでいるんだろう。 本格的に調査をしたくなってきた。
帰り道、真っ暗な中でこの前の水飲みネコが交差点の信号を守って路地に消えようと
していた。 「にゃー」と声をかけたら立ち止まって振り返ったので精いっぱい愛想よく
手を振ってみた。 ・・・リアクションに困る風情だった。