2011年10月27日

暗く聖なる夜/マイクル・コナリー



 発行元が講談社に戻ってのシリーズ第9作。



 上下巻ですが一冊が薄い! 300ページじゃないか、上下にわけないで一冊で



出してくれればいいのに・・・あたしは一冊でまとまっている方が好きです(一冊で



500ページを越えるなら上下巻なり何冊かにわけるのは構わない)。



   工夫がない・・・

          そして林家正蔵による「解説」は全然解説になってない・・・



 なんと、今作で初めてハリー・ボッシュの一人称に! よりハードボイルドを意識



ですか? そしてハリーが実はこの段階で52歳と知ってびっくり・・・せいぜい40を



越えたぐらいの印象でしたよ・・・シリーズものを続けて読むと、そういうタイムラグに



陥ります。



 かつて未解決のままでハリーの心にずっとのしかかっていた事件をある人物の



一言をきっかけに再調査することにしたハリー、例によってFBIに嗅ぎつけられて



「手を引け」と言われてさんざんな目に遭って、それでも当然ハリーはへこたれずに



事件解決へとコマを進めるわけなんですが。



 文章が“ひとり語り”になったことで「えっ、ハリーってそんな人だったの・・・」と



がっくりくる部分あり。 相変わらずエレノアにご執心だし(前作の彼女がかわいそう!)、



全然成長していない・・・。



 が、ラストシーンであたしはうっかり涙をこぼしてしまった。



 自分の中にある怒りや憎しみを葬り、許しの道を進むことを決意したハリーに。



 「驚愕必至!」という前作のラストよりも、あたしにはこっちのラストのほうが衝撃的。



 シリーズ、これで終わってもよかったんじゃない?、ぐらいの重さです。



 訳者あとがきに、「この本が売れてくれなければ次の作品の邦訳が出るかどうか



わからないので、是非買ってください」的悲痛な叫びが。 出版社が次々代わるのは



そのせいなの?、と翻訳ものの持つ悲哀を感じてしまいました。



 まぁ、続きは順調に出てるから、そこそこ売れたんだね、よかったね、と遅れて



読む者は思うわけです。 さぁ、次は10作目だ!


posted by かしこん at 04:18| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする