2011年10月24日

ペンギン・ハイウェイ/森見登美彦

 ペンギン好きとしては通過できないタイトル。
 しかし森見登美彦さんの本を今まで読んだことがなく、学生の頃と違ってまったく読んだことのない作家の作品に手を出す(買う)というのは結構勇気がいることなんですよね・・・世の中の評価に関係なく、自分と合う合わないがあるということがはっきりわかってしまったお年頃。 しかも文庫ならともかく単行本だし。
 というわけで、図書館の予約リストに名を連ね、順番待ちをしておりました。

  ペンギン・ハイウェイ.jpg しかもアデリーペンギンですからね♪

 小学生の“ぼく”を語り手に新興住宅街で起こる出来事。 突然街の中にペンギンが・・・というのは川端裕人の『川の名前』と同じですが、あっちがあくまで科学アプローチで子供たちのひと夏の冒険を描いたものならば、こっちはSFアプローチ。
 しかしこの“ぼく”はどことなく『ぼくは勉強ができない』の秀美君とちょっとイメージがかぶるんだけどあたしだけ?(向こうは高校生だし、こっちは小学生ですが) そして“ぼく”(「アオヤマ君」と呼ばれているが本文中で自分から名乗ることはない)と同級生のウチダ君、ハマモトさん、スズキ君との関係や“ぼく”たちの考えることなどは吉野朔美の『ぼくだけが知っている』をなんか思い出すかも。 文体自体は村上春樹っぽいかな〜、と感じてしまいましたが、作者としては新境地でこれまで書かれたものとはまったく違うパターンなのだとか。
 はじめはハカセ気質の語り手の初恋と日常の話なのかと思ったら、ファンタジーが入ってきてSFになるというなんでもあり展開に(でも最近、こういう純文も増えているしな・・・)。
 ペンギンはペンギンであってペンギンではなかった、ということにペンギン好きとしてはさびしさを禁じえない。
 でも、初めて読む作家としては非常に読みやすかったです。

ラベル:国内文学 SF
posted by かしこん at 04:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする