2011年10月20日

振り返るあたしの読書史 その1

 といっても、そんな大袈裟なものでもないですが。
 しかし明らかにあたしの読書傾向は変な方に偏っている・・・しかし偏っているなりにもしかして筋を通してるかもしれない。 現在の趣味嗜好にどれくらいの影響を及ぼしているのか、ちょっと気になったので振り返ってみる(画像を探したけれど当時と同じ装丁が見つからないよ・・・)。
 あたしの読書体験はじまりは、親が与えた図鑑の数々だったかも。
 多分、学研の子供向けのやつ。 幼少のあたしは特にカメのページがお気に入りで、絵を見せるだけで名前がすらすら言えたらしい。 だから今でも図鑑の類はフルカラーじゃないと許せないわけね・・・そして動物もののドキュメンタリーや写真集が好きなわけね・・・ガラパゴスゾウガメを筆頭に今もカメが好きなわけね・・・(実はカエルやイグアナなども好きだ。 あたし自身が体温低めなために、変温動物に親近感を抱くのだろうか)。
 確か、いちばん最初に買ったマンガは『ドラえもん』。 次は『あさりちゃん』かも。
 近所に住んでいたおねえさんから高階良子のマンガを借りて、乱歩や正史の世界の入り口に立っちゃいました(マンガはマンガで話が長くなるので、別の機会に後述)。
 本格的に“自分で選んだ本を読む”ようになったのは小学2年か3年、H・G・ウェルズの『透明人間』がきっかけだった。 子供向けジュブナイルでしたが、福島正実訳で解説には当時のウェルズ派とジュール・ベルヌ派に分かれた論争についても書かれてた。 で、その後あたしは『タイムマシン』を読むことになり、SFにどっぷり(ジュール・ベルヌも読んで面白いとも思ったけど、ウェルズのほうが好きだなぁ、とわかり、福島正実と同じ好みであることににんまりした)。
 同時期に『ツタンカーメンの謎』というのもあって(これはあたし初のノンフィクションかも!)、『王家の紋章』を読んでいたせいもあるが考古学のロマンと呪いという存在のアンバランスさに盛り上がった。 当時の小学校で書かされたアンケート、「尊敬する人物は?」に「ハワード・カーター」と答えたバカはあたしです(学校側としては「両親」と書いてほしかったのだろうけど、そういう空気は読めないあたしなのだった。 この頃は考古学者になりたかったのである)。
 図書室にあったスティーヴンソンの『自殺クラブ』の面白さにも度肝を抜かれ、繰り返し読みました!(当時は文庫本とか売ってなかったから、卒業したらもう読めなくなると思ったのである)。 『十五少年漂流記』『あしながおじさん』などの世界名作劇場的なものも読んでましたが、印象深いのは矢野徹『孤島一人ぼっち』とか大石真『チョコレート戦争』でしょうか。 古田足日『宿題ひきうけ株式会社』ってのもありましたね。 あ、フォア文庫だ! 懐かしい!
 近所の本屋ではポプラ社の『江戸川乱歩全集』の品揃えが充実していて・・・当然読み始めるわけです。 明智小五郎の存在は土曜ワイド劇場の『〜の美女』シリーズでおなじみであったので(しかし夜遅いしお色気シーンもあったので親からは見るのをよしとはされていなかった−それでも見たけど)、しかし高階良子作品のおかげでベースはあって、こっちは少年探偵団がメインに活躍する子供向けであるため親の検閲は免れた(なんだかんだいって『青銅の魔人』が好きです!)。

  青銅の魔人.jpg 夜の麻布十番、高い塀が並ぶ屋敷町・・・その憧れが高校生のときに松山巌『乱歩と東京』を読ませましたよ。
 しかし次第にそれでは物足りなくなって隠れて角川文庫の江戸川乱歩ものを買うようになるのであった。 金田一耕助の存在もすでにおなじみであったので(『犬神家の一族』は金曜ロードショーで見た)、横溝正史のまずは角川文庫の背表紙の文字が黄色いやつ(御子柴少年が活躍するジュブナイル)から揃え始める。 緑の文字のやつは表紙が煽情的というか、中身とあんまり関係ないのに裸の女性が描いてあったりしたので小学生には非常に買いづらく、おとなしめの表紙から選んで買っていた(のちのち、古本屋さんで買い物をするようになったらあまり気にしなくなった。 一度に何冊も買えるからである。 そして、慣れたのであろう)。

  白い羽根の謎.jpg 『白い羽根の謎』・・・子供心にも動機がとってつけたみたい、と感じていて、のちに元の作品『化人幻戯』を読んで納得。 これを子供向けに書き直したってこと自体、すごいと思いました(書いたのは乱歩本人ではないそうですが)。 今、ポプラ文庫でかつてのこのシリーズが復刻されてますが、少年探偵団ものの26巻で止まっているのは何故・・・もともと47巻ぐらいあったはず。

 勿論、ホームズやルパンにも手を出すが、あたしはホームズのほうが好きだったな。
 当時、普通の本屋さんで小学生が買っても変な目で見られない文庫といえば朝日ソノラマ文庫(背表紙はくすんだ緑色の時代)、秋元ジュニア文庫(背表紙は黄色で文字が赤だったかな?)、集英社コバルト文庫ぐらいだったのではないだろうか・・・。
 あたしの赤川次郎初体験は朝日ソノラマの『幻の四重奏』で、今もこれを越える作品はないような気がしている。 それくらいインパクトが強くてとにかく面白かった。 『吸血鬼ハンターD』もこのころから読み始めかな? 何故か『キマイラ』シリーズには手が出なかった。 秋元ジュニア文庫には福島正実が科学的根拠にあふれるリアリティSFを書いていて、『地球が滅びるとき』とかとにかく出てるものは全部読んだ気がする。
 あと、『白鳥検事シリーズ』なるものがあり、アメリカでスキップしで大学を卒業し、司法試験も最年少で合格したという15歳の少年検事が主人公の話。 『グリーン予告殺人事件』がいちばん面白かったかな〜。 ちなみに白鳥君はモルモン教徒であり、信徒同志は「兄弟・姉妹」と呼ぶとか、カフェインの入ったものは口にしないとか(だから彼が飲むのはいつもミルク)、子供心に「宗教を信じるって大変なのね」と思った記憶あり。
 秋元ジュニア文庫で眉村卓にも手を出す。 きっかけは『天才はつくられる』かなぁ。
 眉村卓は角川文庫でもいっぱい出していたのでそっちにも進出し、『とらえられたスクールバス』に盛り上がる!(でも『ふつうの家族』も好きです)
 そして筒井康隆にも手を出すのもこの頃です。
 あ、講談社青い鳥文庫もありましたね(実際は新書版サイズですが)。 これは『誰も知らない小さな国』から始まるコロボックルシリーズと、『クレヨン王国の十二カ月』のクレヨン王国シリーズが二大巨頭か。 『霧のむこうの不思議な町』も大好きだったなぁ(だから原作だと認めない『千と千尋の神隠し』が微妙に許せない)。
 コバルト文庫ではまず新井素子である。 そして氷室冴子である。 久美沙織の『丘の家のミッキー』は友だちが買ってくれてて、あたしの新井素子と貸し合いっこしていた感じ。 小林弘利も大変好きでした(『海の回転木馬』は名作だと今でも思う)。
 当時、本を選ぶ基準って装丁というか表紙のイラストのイメージが大きかった気がする。 そしてあたしは天野喜孝のイラストに惹かれて栗本薫の『魔境遊撃隊』を読み、これまたこんなに面白くていいのか!、と思って『グイン・サーガ』に手を出すのだ。 そして彼女が江戸川乱歩賞を受賞していたことを知り、他の受賞作品をいろいろ読む。 仁木悦子、森雅裕、東野圭吾などなど。 『伯林−一八八八年』は面白かったけど海渡英祐さんはどうされているのだろうか?
 で、いのまたむつみのイラストにつられて藤川圭介『宇宙皇子』を買ったりしたが・・・なにしろノベルズなので文庫よりも値段が高く、挫折。 『丘の家のミッキー』の持ち主だったエヌさんが引き続き買っていて貸してくれたのだが、内容が難しくなっていくうえに繰り返し読めるわけでもないので(大津皇子が好きだったので彼が出なくなってから興味を失ってきたこともあり)、「ちゃんと読んでないんじゃないの?!」とエヌさんに怒られた。 ちゃんと読んでませんでした、ごめんなさい。
 結局、読むスピードと手持ちのお金が追い付かず、主に古本屋を利用するようになったあたしは江戸川乱歩が執拗に薦めていた『赤毛のレドメイン家』をみつけて(これ自体は乱歩の『緑衣の鬼』のほうが面白かったような気がするんだけど・・・)、それをきっかけに古典の翻訳ミステリを読むようになります。 『グリーン家殺人事件』『黄色い部屋の謎』『赤い館の秘密』(まさかこの作者がプーさんと同じ人とは!)、クイーンの国名シリーズ、『Yの悲劇』(あたしはこれで夏休みの読書感想文を書いた。 そのあと、『Zの悲劇』でショックを受けた)などなど。
 そしてクリスティ『アクロイド殺し』では驚愕のラストに回し読みしていた友達と騒ぎまくり!
 「死のような沈黙が続いた。 私は笑った」のくだりは今もしっかり覚えている。
 アガサ・クリスティはNHKでポワロのドラマをやっていたし、映画『地中海殺人事件』・『オリエント急行殺人事件』などを見ていたのだが、『そして誰もいなくなった』では「映画とラストが違うよ!」という意味でも衝撃でした。
 衝撃という意味では『カーテン』も・・・西村京太郎の『名探偵なんか怖くない』シリーズの最終作『名探偵に乾杯』で述べられていたコメントに大いに同調(尚、西村京太郎作品を読んだのはのシリーズが初めてだったので、のちに十津川警部シリーズを誰かから借りて読んだとき「同じ人?」と思いました)。
 そんなやつだったので、小学6年の担任には「何の本を読んでいるのか見せろ」とあたしにだけ検閲が入り、卒業前の三者面談では「なにを考えているのかわからない」と言われたのであった(それをしぶとく覚えているということは、あたしもそれなりにショックだったのであろう。 特にそんなつもりはなかったのだが・・・)。
 時間軸的には前後していますが(中学校時期も混ざっています)、だいたいこんな感じです。 そしてまだまだ話は続きます。

posted by かしこん at 03:20| Comment(6) | TrackBack(0) | 本・読書 reading books | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする