2011年09月25日

シティ・オブ・ボーンズ/マイクル・コナリー



 ハリー・ボッシュシリーズ8作目。 なんかこれまででいちばん早く読み終わった



かも。 上下巻じゃないのがよかったのか、ハヤカワ慣れしているせいなのか。



 ハリウッド署管内で古い骨が見つかる。 それは人骨、おまけに少年の骨と思われ



殺されて20年はたつという。 致命傷以外にも多くの骨折痕があり、少年は日常的な



虐待にさらされていたと予測される。 怒りを覚えるハリーと相棒のジェリーは捜査に



取り掛かるが・・・という話。



   表紙もなんだか叙情的に。



 実は、事件だけを取り上げるとそう複雑ではない。



 問題は捜査が順調にいかないこと。 最初に捜査方針が決まってしまえばそれを



途中から変えることが難しいという警察組織の問題と、悪い評判の多いロス市警が



これ以上の醜聞を恐れて自分たちの都合のよくないことには蓋をしようとすること。



私欲のためにマスコミに情報をリークする警官もいて、入った邪魔は予想もしない



悲劇を呼ぶ。 それはいったい誰が償うのか・・・というようなテーマになっている



ような気がする。



 そして前作でテリー・マッケイレブに「そういえばハリーは離婚したらしいな」と



発言させてさらっと流されていたが、今作ではハリーはいきなりパトロール警官に



一目惚れ?! 立ち直るの早すぎないか! というか自分が生まれた意味・生きて



いる意味をずっと探しているような男が何故すぐに次々女をつくる?! ハリーの



恋愛観がわからん・・・これで今後の作品にまたエレノアが出てきたらどうなるんだ、と



はらはら。 ハリーとは恋愛関係にならないほうが身のためだぞ!、と忠告したい



(その点、一切踏み込まない元部下のキズミン・ライダーは賢いと思うのだ)。



 自分のために子供を捨てた母親を心の中で軽蔑しながらもそれを態度にあらわす



ことをしないハリー・ボッシュは、人間という存在の不条理性を理解したかのようだ。



でも、自分のことは許せないらしい。



 衝撃的ともいえるラストですが、多分リアルタイムで読んでいたら「なにっ!」っと



なったと思うんだけど、後追い&ブランクなしのためその決断は必然のように感じて



しまいました(むしろ遅いくらいだと)。 むしろ、巻を重ねるごとにハリー・ボッシュと



市警の副本部長アーヴィングとの関係がどんどん悪化していくのがずっと違和感。



かつて、アーヴィングはハリーのことを認めたのではなかったのか? 人間関係と



仕事の上下関係は違うのか(というか人間として好きになれない相手でも仕事上の



関係であればある程度は割り切れるのではないのか、でもある程度までだけどね)。



 仕事ができれば関係ないと思える部分だろうけど、その仕事が目指す先が違うと



(ハリーは事件の解決が優先、アーヴィングは組織の秩序が優先)、やっぱり



わかり合えないものなんですかね。



 は〜、9作目を図書館から借りてこなければ〜。


posted by かしこん at 05:20| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする