2011年09月07日

インシディアス/INSIDIOUS



 『SAW』の監督と『パラノーマル・アクティビティ』の監督がタッグを組んで



「本当に怖い映画をつくろう!」と出来上がったのがこの映画・・・と聞いて、



そりゃ見ないとダメじゃない?!



 おまけに主演がハンサムなのに映画ではそう見えないパトリック・ウィルソンと



美人なのにどこか幸薄そうなローズ・バーンときたら、期待もしますよ。



 が、冒頭、音でドッキリさせる演出に不安がよぎる・・・。 でもタイトル表記は



非常に古典的。



   いかにも、何かありそうな家。



 学校の教師であるジョシュ(パトリック・ウィルソン)は作曲家(?)の妻ルネ



(ローズ・バーン)と生まれたばかりの娘を含む三人の子供とともにある古い屋敷に



引っ越してきた。 ここから新生活を始めよう、と意気込むのだが、当日から奇妙な



現象が起こり・・・な話。



 前半はそれこそ『パラノーマル・アクティビティ』と『悪魔の棲む家』を足して



2で割った感じ? しかし『ソウ』の脚本家リー・ワネルが今回も脚本を担当した



そうで、アンフェアがお嫌いの彼はオープニングからヒントを散りばめてくれる。



 というわけで序盤でネタ割れ・・・大丈夫か、最後まで話がもつのか!、と心配に



なってくる。



   演技上手のお二人のおかげで

     話にリアリティというか必然性が出てきます。



 しかし中盤からは超常現象てんこ盛り。 これでもかと謎のものが姿を現しすぎに!



『ポルターガイスト』か?! が、あたしはつい天井で回転する羽根(部屋の空気を



拡散するためのもの)がはずれて誰かの首をぶった切るのではないかと非常に



ハラハラしました・・・実際そんなことは起こらなくて、羽越しの天井の角に<何か



いる>わけだったんですが。



 そして登場する霊媒の助手二人の凸凹コンビぶりに笑わせてもらう。



 霊媒エリーズが来る前に科学的な調査をするのだが、その仕掛けのローテク具合



など「笑わしにかかってるのか!」というくらい面白い(まぁ<緊張と緩和>で、途中に



余裕が入ったほうがより一層恐怖シーンが引き立つということなのであろう)。



 スペックスとタッカーという助手二人は各々の専門分野(映像と、文字・言葉・絵)が



超常現象の解明に最も役に立つと言って譲らない。 霊がいっぱいいるとこでそういう



言い争いしてる場合か?、ではあるものの、よく見たらメガネの助手くんはリー・ワネル



ではないか! となるとこの二人の話し合いは「映画は映像がすべてなんだよ!」派と、



「いや、台詞(脚本)が大事なんだ!」派との鍔迫り合いに思えてくる。 そういう遊び心



なのか真剣な本心なのかわからない感じが面白い。



   エリーズと、左がリー・ワネル氏です。

   『ソウ』のアダム役と見た目全然違うから最初わからなかったよ・・・。



 エリーズが登場してからはまた『パラノーマル・アクティビティ』っぽくなるのかと



思いきや脅威は暴走しっぱなし、『デッド・サイレンス』(『ソウ』の監督・脚本家コンビで



撮ったホラー映画)を連想させる描写あり! そう言われてみれば老婆役の役者さん、



同じ人かも・・・。 あぁ、この二人、こういうのがもともと好きなんだなぁ、と思い至る。



 ジェームズ・ワンが監督した『狼の処刑宣言』にはそういう部分は感じられなかった



のでもしかしたらリー・ワネルの趣味かも・・・。



   囚われの身。

       そしてソウ人形を髣髴とさせるものがさりげなく出演。



 オープニングと序盤のヒントでネタ割れしてしまうのは、ホラーといえどもそれだけ



ロジックを大切にしているから(『デッド・サイレンス』なんてホラー映画なのに最後に



『ソウ』ばりのどんでん返しがあるのだ!)。



 そしてテーマ面ではいわゆる<Jホラー>が追求してきたものをごく自然に「肝心な



シーンは映さない・観客に想像させる」ことで映画の中にあっさりとり込んでしまって



いる。 アトラクションムービーの顔をしながら、ホラー映画の歴史をさりげなくもすべて



織り込んであるのである。 Jホラーが低迷してしまっている今、おいしいところは実は



ハリウッドに持っていかれてしまっているのではないか・・・そんな危惧すら感じます。



 インシディアスとは“狡猾な・邪悪な”という意味のようで・・・まさしくその通りの題名



でした。 今後の彼らのホラーへの挑戦、期待したい!


posted by かしこん at 03:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする