2011年09月02日

他のものも読みたくなる本たち



『高い砦』/デズモンド・バグリイ



 山岳冒険小説の古典、と噂に聞いたこちら・・・実際、面白すぎです!



 チャーター機がハイジャックされ、機長のティム・オハラはアンデス山中のしかも



高地に強引な不時着を強いられる。 犯人は死亡するが、生き残ったオハラたち



9人は高山病の症状と寒さに苦しめられる。 なんとか救助を求めようと山を降り



始めるが、途中で何者かからの銃撃が。 山を降りれば撃たれるし、かといって



山に逃げても高山病で死ぬ。 まさに絶体絶命のとき、彼らは戦うことを決意する



・・・、という話。



   原題:HIGH CITADEL って、そのまんまか!

     とはいえ、訳・矢野徹である!



 発表されたのが1965年ということで、「共産主義者、憎し!」の気持ちがこれ



でもかと詰め込まれております。 でも古さというか時代を感じるのはそのくらいで、



打ち捨てられた鉱山の廃墟から集めたものでつくった石弓(クロスボウ)の腕が



いちばんいいのが55歳の女性教師だったりと<男が戦って女を守る>みたいな



型どおりの古臭い感覚がゼロなのが素晴らしい。 ただ、たまたま飛行機に乗り



合わせた中に中世が専門の歴史学者(古典的な武器の設計図が書ける)に、物理



学者(その設計図が実際に使用可能かなどの計算ができる)がいたりとストーリー上



便利な感じなのが少々残念というかご都合主義的ですが、まぁそのへんは目をつぶり



たい。 だって、面白いからね!



 とはいえ、9人の中から犠牲が出るのはつらい・・・しかも何故その人をそこで殺す



必要が?、という気持ちにも(とはいえ、こいつは別に死んでもいい、とか思ってしまう



部分もあって、自分の危険度にも唖然とさせられますが)。



 面白いだけに、終盤が駆け足に感じられてしまって残念。 はっきりした結末まで



書かないのは余韻なのか? でもあまり余韻を感じないんだけど・・・(というか突然



牧歌的な雰囲気になってしまうのでびっくり、みたいな)。



 しかしこの人の他の作品も読んでみたくなってきたぞ。





『殺す』/J・G・バラード



 バラードってもっと古典の人だと思ってました・・・<現代の予言者>とも<現代



社会の探究者>とも呼ばれている人らしい。 1930年生まれだそうですが、まだまだ



創作意欲は衰えていないらしい。 すごい。



   原題:Running Wild 荒野を走る?



 1988年の6月に起こった≪パングボーン・ヴィレッジの悲劇≫。



 住民32人が残忍に殺され、13人の子供が行方不明。 二ヶ月後、事件の調査・



分析を任された法医学者のグレヴィルは恐るべきある事実に到達する、これはその



手記である。



 <予言の書>、<現代の寓話>と帯や背表紙解説にあるように、大量殺人を扱って



いながらこれはミステリーというよりも相当社会派である。 原著が発表されたのは



1988年。 そしてそれを今読めば、少しもおかしくないというかまさにその通りと



いうか、描かれた“恐るべき真相”が今ではまったく“起こっておかしくないこと”に



なっているのです。



 うわっ、『千年紀の民』、読みたくなっちゃいましたわ!





『毎日かあさん』8/西原理恵子



 出ました、8巻。



 前巻でいささかパワーダウンしたことはいなめない・・・やはり子供が大きくなると



面白くなくなるのかと思っていましたが、反抗期に入ってきたことでまた面白さが



戻ってきたようです。



   いがいが反抗期編



 まぁ、反抗期といってもここの兄の反抗期はムラがあり、親子完全断絶!という



ところまではいってないし。 周囲のママ友さんの話をうまく絡めて「子育てには



決まりも正解もない・子供によって臨機応変になっていくのもまた子育て」というような



メッセージが感じられ、がんばりすぎちゃう新米ママさんや、スレすぎちゃって心すさみ



がちなベテランママさんをも両方とも味方につける筆運び。



 さすがです。



 「男はみんな三等賞」という一言がやけにツボにはまりました。


posted by かしこん at 04:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする