2011年06月13日

ランナウェイズ/THE RUNAWAYS



 “70年代を駆け抜けたガールズバンド、ランナウェイズの軌跡”−とありましたが



あたしはそのバンド、知らなかったよ・・・。



 1975年、LA。 15歳のジョーン(クリステン・スチュワート)はロックがやりたくて



仕方なかったが、ギター教室に行っても「女性にエレキは教えられない」とアコース



ティックギターしか持たせてもらえない(当然、練習曲はスタンダードナンバー)。



 当時、ロックはまだ男のものだったのだ。 しかしライブハウス?で出会った音楽



プロデューサーのキム(マイケル・シャノン)は“女の子だけのバンド”を組んで一世を



風靡しようと思い付く。 ドラム、ベースと女の子を見つけ、あとはバンドの顔となる



ヴォーカルだけ。 そこで白羽の矢が立ったのが、同じくライブハウスにたむろしていた



シェリー・カーリー(ダコタ・ファニング)だった。



   二人とも、顔が怖いわ。



 そして、スマッシュヒットとなる『チェリー・ボム』が生まれる。



 なんとランナウェイズは本国でブレイクするよりも先に日本で熱狂的な人気を



誇っていたらしい(篠山紀信がシェリーの自宅までグラビアを撮りにきている)。 



 おかげで後半に来日してライヴをするシーンがあるのだが、これが“トンデモ



ニッポン”で・・・すごく哀しくなる(中国もまじっているが絶対間違っている!な



感じで)。 まぁ、本国で売れなくても日本で売れて、それがきっかけで全世界で



売れる、というパターンは80年代以降もありましたが(だから日本に好意的な



アーティストは多いわけで)、もしかして「とりあえず日本で売ってこい」みたいな



戦略が当時存在したのだろうか・・・そんな疑惑がふと浮かび。



 まぁそれはともかく、一躍スターダムにのし上がるバンドはメンバー間の信頼



関係を築く前にいそがしくなってしまい、偏る人気に不満が生まれ、ティーンの



女の子が業界の波に巻き込まれて無事でいられるわけがなく、あっさり彼女たちは



酒やヤクに手を出していく。 そのあたりがものすごくさらっと流されていたので、



もっと掘り下げてほしかったんだけど・・・そうすれば破滅的な行動をとってしまう



シェリーの気持ちがもっと痛々しく理解できるようになるだろうに。



   それでも練習は改造したバンの中で。



 なにしろ彼女たちを“代替のきく商品”としてしか見ていないプロデューサーに



ムカつく。 時代と言われればそれまでだが、未成年を監督・保護する責任とか



一切考えてもいないところがむしろすがすがしいほどバカだったり。 当時の業界の



非常識ぶりが(現在もそれほど大差ないのかもしれないが)、彼女たちの青春を、



人生を台無しにしたかのような。



   バンド結成時。 ドラムの人右から2番目。



 描写は少ないのだけれど、ドラム担当の人にももっと脚光を浴びせてほしかった。



 ギターを弾く女の子も少なかっただろうけど、ドラムをたたく女の子のほうが



少なかったのではないだろうか? そして演じた人も最初シアーシャ・ローナン



(『ラブリーボーン』の)だと思っていて、「え、すごい豪華キャストじゃん!」と



大興奮だったあたし(だってよく似てたんだもの・・・遠めのカットしかなかったし。



後半アップが出てきて、「あれ?」ってなったぐらいで)。 まぁ、メインが



ジョーンとシェリーだから仕方ないのか・・・。



 よく考えたらクリスティン・スチュワートとダコタ・ファニングって『トワイライト』の



2と3で共演してるんだよな、ということをすっかり忘れるぐらい、全然違う役柄で



身体張っての熱演。 そして『トワイライト』よりも二人ともこっちの役のほうが似合う



・・・クリスティンのワイルドさ、ダコタの棄てようとしても棄てきれない「よい子」っぽさ。



 なので、緊張感のない編集とか、深みの足りない脚本とかがいろいろもったいない



なぁ、と。 いいところもあるんだけれど。



   多くを語りあわない二人の関係が、

             強い絆だと思えたときもあったのに。



 その後、ジョーン・ジェットはソロになり、自分のバンドをもつことになる。



 そのヒット曲『I LOVE ROCKN' ROLL』をあたしは知っていた(というか「聴いたことが



ある」というか)。 でも、『チェリー・ボム』は知らなかった。 そんな時間の隙間を



飛び去ってしまったバンド、それがランナウェイズなのか・・・いや、そんなバンドは



他にもたくさんいる。



 時代のあだ花、ってこういうことを言うんだな・・・と無常感たっぷり。



 シェリーとジョーンの友情は、その後どうなったんだろう。



 実話なだけに(この映画の原作はシェリー、プロデュースはジョーン)、そっちの方が



気になります。


posted by かしこん at 03:34| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする