2011年06月10日

岳 −ガク−



 原作の存在は知っていたのですが、そのときには結構な巻数が刊行ずみ・・・



絵柄のタッチがあまり好みではないかも、ということもあってスルーしてました



(主人公の名前が『岳』なのかと思ってたぐらいで)。



 しかし映画となってしまったからにはスルーできず、なんだかんだ言いつつ



雪山好きなので(行きませんよ。 遠くから眺めるのが好きなのです)、しかも



佐々木蔵之介出てるし、ということで行ってみる。



 日本映画でどこまで“山岳遭難救助”が描けるか興味もあったし。



   「また、山へおいでよ!」



 舞台はどうも日本アルプスのようです。 主に北かな?



 人が出てきた瞬間に「あ、こいつ、遭難する!」とわかる親切設計。



 長野県警山岳救助隊がどれほどハードに訓練しようとも、ひとりの山岳救助



ボランティアに太刀打ちできないという都合のよさ(というか悲しさ?)にがっかり。



 多分、原作のほうはちゃんとしてるんだろうな・・・とむしろ原作を読みたくなる



代物でした。



 長野県警交通課に勤務していた久美(長澤まさみ)は志願が実って晴れて山岳



救助隊に配属される。 が、赴任前日にあいさつに行けば「要救助者発見!」の



知らせ。 わけがわからないうちにヘリに乗り込むも、要救助者はボランティアで



ある島崎三歩(小栗旬)が救助していた。



 まず冒頭、雪山用品を片っ端から買いながら携帯で電話、「え〜、女捨ててる



わけじゃないってば〜」と舌足らず口調で喋る久美にがっかり。 女友達との気さくな



会話というつもりの演出なのかもしれないが、久美に対する観客の第一印象が決まる



場面でそれはないでしょう、という感じ。 別に普通に喋っていいじゃないですか。



それがあるから、どうしても久美は最後のほうまで「どこか甘えてる」というイメージが



拭えなくなってしまうので、久美というキャラクターにとっても長澤まさみ本人に



とっても大変マイナスです。



   まぁ、新人とはいえ体力勝負の部署で

     実際にそうではないとしてもあまりに運動音痴っぽく見えるのもいかがなものか。



 三歩くんはおおらかな人柄をあらわすためのゆっくりした喋りなんでしょうけど、



小栗旬だからなのかこれまた演出のせいなのか、バカっぽい・・・天然、という



方向でなくただただバカっぽい。 しかもこの場合のボランティアってどういう



定義なの(お給料発生するの)? 山に住んでる感じですが、身につけてる装備は



一流メーカー品だし、いったいどうやって生活を?(多分そこは気にしてはいけない



ところなんでしょうが、気になりました・・・)



 救助隊隊長(佐々木蔵之介)は責任を伴う判断をびしっと決める役どころですが



(若干キャラが『ハンチョウ』とかぶっていなくもない)、いかんせんそのメガネが



似合わない・・・。



   なんかもったいない・・・

    そして救助隊がどうも機能的に活動しているように見えない・・・



 さらにびっくりなのは、無線で「そこからどれくらいで行ける?」と尋ねられ、



「うーん、40分くらいかなぁ」とあっさり答える三歩くん!



 どんだけ狭い山やねん!



 それとも君はいつもピンポイントにちょうどいい位置にいるのか!



 そしてもう・・・「なんで来たんだよ」という登山者ばかりで(ほら、出てきた瞬間に



遭難するのがわかるからね)、特に父子家庭で子供は小学生なのに北アルプスに



来るとはどんなバカだよ・・・父親に何かあったら息子はどうやって生きていけば



いいのさ!、と怒りがわきあがる(このへんが、子供にユッケを何の疑問も持たずに



食べさせてしまう男親の危機感のなさにも通じるような気がする)。



 そして最後まで甘さの残る久美にも憤りが(いくら非常事態とはいえそんなこと



する技術が君にはあるのか! その覚悟には敬意を表するけれども)。 そこは



あなた死んでおいた方がよかったんじゃないですか?、と思ってしまいましたよ。 



なんか息を吹き返して安易な感動を呼ぶ展開っぽくて安っぽくなった(せっかく



長澤まさみはがんばっているのに。 これは脚本家と監督の責任だな〜)。



 まぁ、山ではとにかく食べることが大事、ということを強調する山小屋の存在



(しかしこの小屋の位置もどのあたりにあるのか微妙にわからないんだけど)と、



おかみさん(市毛良枝)の存在、台詞がほとんどない割にかっこいいところをもって



いくプロのヘリ操縦士(渡部篤郎)がよかったですね。



   サングラスだと老け感がわからないので便利。



 が、エンディングテーマがコブクロで・・・どうも説教くさい感じに(そして国内に



あるほとんどの登山スポーツウェアメーカー全面バックアップ!ってのもわかった)。



 山の風景は美しかったですよ。 結局、それだけか・・・。



 「やっぱり山はいいな〜」っていって、この映画見た人が安易に日本アルプスに



行かないことを祈りたいと思う。


posted by かしこん at 06:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする