2011年06月09日

キッズ・オールライト/THE KIDS ARE ALL RIGHT



 母親が二人、もしくは父親が二人いる家庭、アメリカではそう珍しくないので



あろうか。 それくらい、レズビアンカップルとその二人の子供で構成される



この家庭はごく自然なホームコメディの空気をまとっている。



   なんだかんだでも子供たちはかわいい。



 “同性同士のカップルが家族をつくる”という需要(?)は日本でもあるだろうな・・・



最終的には憲法の改正が必要だろうけど、地方自治体の条例レベルで同性結婚が



可能とかになったら人口減少で困ってる市町村には利点になったりしないだろうか。



ゲイコミュニティをつくるんじゃなくて、普通の街中に溶け込むように(もともとの



歴史?から考えれば日本人は同性愛に寛容だったし、精子バンクを利用するにせよ



養子をとるにせよ、“特殊な家族関係”が普通になればそういうのに対する差別や



いじめは減るはず)。 ゲイの方々にはいろんな仕事をしたりや能力のある人いる



だろうし、町も活性化しないだろうか(まぁ仕事の関係で元の場所を離れられない



場合もあるかもしれないけど、住民票を移すなどすれば税収は上がるし、最終的に



その土地で暮らす算段をすると思うし)。 映画の内容とはまったく関係ないのですが、



衰退する地方出身者としてそんなことを考えてしまいました。



 女同士のカップル、ニック(アネット・ベニング)とジュールス(ジュリアン・ムーア)は



精子バンクから同じ人の精子をもらい、それぞれ姉のジョニ(ミア・ワシコウスカ)と



弟レイザー(ジョシュ・ハッチャーソン)を産む。 ジョニが18歳になったことで、



精子バンクに提供者についての情報を請求できる権利が発生する。 ほんとは



父親について知りたいのはレイザーのほうだったのだが、大学進学のため間もなく



家を出るジョニは弟の意志を尊重し、遺伝子上の父親について問い合わせる。



 本人の同意があれば連絡も会うことも可能、ということで、二人はドナーのポール



(マーク・ラファロ)を訪ねる。 有機野菜をつくり、レストランを経営し、バイクを乗り



回して一人の自由を謳歌するポールに、姉弟は新鮮さを覚えて好感を持つ。 が、



それを知ったニックとジュールスは面白くない。



 そして“家族”なんてものとは縁遠いと思っていたポールは、突然現れた遺伝子上



のみとはいえ“自分の子供たち”に愛情を感じてしまうのだった。



   微妙に気まずいパーティーで。



 ジョニ役のミア・ワシコウスカは『アメリア 永遠の翼』とはまた違う方向ながら



キュートなのは変わらず(こうなるといつも「『アリス・イン・ワンダーランド』の」と



語られてしまうのがかわいそうになる)。 いきなりある程度分別のついている年頃の



子供が現れたら、多分男性はみなコロッといくのではないだろうか(独身主義とかで



あれば余計に)。 だって、育てるの大変な小さい時期は素通りできてるし、家族を



持つ・養う責任とは向かい合わずに済むもの。 いいやつなんだけど、そんな男の



ずるさとちゃっかりしたところをマーク・ラファロはやたら魅力的に表現。 家族唯一の



男であるレイザーが「知りえぬ父性」を求めてしまうのはいたしかたないかと(それ故に



ダメな友だちと付き合ってたけど、ポールと知り合ってからはその友だちのダメさに



自分で気づく。 それだけでもこの出会いは間違いではなかったのでは)。



   基本、みなさんノーメイクですか?



 アネット・ベニングのニックはいかにも“レズビアン一直線”で来た感じのある種の



かたくなさが一目でわかるすごさ(また職業は外科医ということで、一家において



父親的役割を担ってます)。 対してジュリアン・ムーアのジュールスは「実は昔、



男の人と付き合ったこともあるのよね〜」的ゆるさとけだるさが漂っていて、



相変わらず巧いわけです。



   この人の雰囲気、憧れるわ〜。



 「新しい家族のあり方に乾杯!」と盛り上がっちゃうポールと、「なんかこれは



やばい流れかも」と感じてしまうニック。 ある意味、父親の座を奪われるような



気持ち?



 それにしても、レイザーに「なんでああいうとき、男同士のゲイビデオ見るの?」



と聞かれたニックとジュールスが、答えをはぐらかさずに「女同士のって演技って



いうのがわかるから醒めちゃうのよ」と真剣に答えてしまい、「もういいよ、



それ以上聞きたくない!」って怒られるシーンとか、なんか面白い。 男性ならば



「うるさい!」とか「そんなこと聞くな!」と怒鳴ってしまうだろうことも、女性の傾向と



して説明しようとしてしまうところとか、同性愛者も関係なく同じなんだなぁ、みたいな



(女脳の持ち主、と言いかえることも可能でしょうか)。



 そして付き合いが長ければ相手への不満も出るし、認めてほしい気持ちを口に



出すのは相手に負担かしらとストレスがたまるし、女同士であっても男女間と同様に



関係はぎくしゃくするのだ、という当たり前のことにも気づかされる(海外ドラマでは



男同士のゲイカップルはよく出てくるけど、女同士って『Lの世界』とかがっちり



描いたもの以外は少ないからな〜。 そしてせいぜい二人の関係が中心で家族を



つくるとこまでいってないからな〜)。



   いい関係にはなるんだけど・・・

         結局、大人は『責任』という言葉からは逃げられない。



 そして家族の再生へとつながる過程にポールの居場所はなく・・・最後はいいところ



なしでかわいそうになってしまった(それでも、家を出るジョニはポールからの贈り物を



もっていくので、時間をおけばまた会えるんじゃないのかな、という希望は残って、



よかった)。



 THE KIDS ARE ALL RIGHT : 子供たちは大丈夫。



 そう、極端な話、親はなくても子は育つのだ。 だから子供たちは大丈夫。 だが、



大人たちは? そういう話だったのかな〜。



 相変わらず肩とか腕のシミというかそばかすを隠す気もないジュリアン・ムーアの



潔さに、また惚れちゃいますよ。


posted by かしこん at 05:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする