一冊だけで帰って来られないのがあたしの悪い癖。
まずは第一目的のこちら。

前巻が全盛期の雰囲気をちょっと取り戻しかけていたのでこれにも期待。 すると
懐かしの「タイムワーーープ!」の技?をパタリロが思い出していたり。
それにまつわる話『90年』は初期の傑作『忠誠の木』のセルフパロディ作品になって
いたような・・・(途中まで感動的なんだけど、そこをあえて台無しにするという)。
またちょっと、先が楽しみになってきました。

デザイン事務所<オフィス寺>に集う変な人たちのヘンな日常もなんだかもう15巻目。
最近、ちょっと話がマンネリ気味だったんだけど(まぁこれもそのマンネリは続いている
んだけど)、この先に展開がありそうな“予兆”が含まれているのが「おおっ!」って感じ。
あたしはオカちゃん(気象予報士で早朝テレビのお天気おねえさん)が好きなのですが、
今回いまいち出番が少なく、でもヤーマダくん(この人も結構好きだ)とのなんとはなしの
会話と、恋愛感情に踏み込みそうで踏み込まない、自制ができるようでできてないかもな
微妙な年齢の大人たちのさざなみのような感情と戸惑いがうっかりな絵柄とエピソードの
中に潜んでいるのが面白いのです。 だからつい、続きも買っちゃいますな。
完成度としては『大阪豆ごはん』のほうが上だけど・・・でも、『誰寝』のキャラにも
愛着を感じてます。

“全10作完結予定、壮大なSF叙事詩”と謳われて始まったこのシリーズも、もう
4作目!(すみません、あたしはまだ一作目が途中です・・・

しかし出たときに買っておかないとあとでおそろしい目に遭うから(まとめて買うと
値段にびっくりだし、いつの間にか品切れになっていることもあるから)。
でも順調に刊行されてますなぁ。 最初は「いつまでかかるんだろ」って思ったけど、
意外に早く最終巻が出るかもしれん(長い作品に懐疑的なのは、田中芳樹に痛い目に
あわされてきた過去があるからかも・・・

完結したのでしょうか? 『タイタニア』はあきらめました)。
小川一水つながりで、もう一作。


風の邦、星の渚[レーズスフェント興亡記]/小川一水
14世紀のローマ帝国で起こるファーストコンタクト。
でも多分、町に生きる人々の物語になるんじゃないかな〜、という予感。 ハード
カバーで出たときは高くてためらっちゃいましたが、めでたく文庫化!
しかし、今の状況では彼の『復活の地』のほうが読まれるべきかなぁ、という気が
する。 「大規模地震が襲い、壊滅状態の帝国をいかに復興するか」に対する誠実な
官吏と国民によるひとつの提示。 そこには情報を隠蔽する者たちは不要である。
現実は小説よりひどい、という意味では、“物語”は理想に過ぎないのであろうか。

これは既読なんですが・・・実家に行けばあるんですが、少し前に著者が亡くなり、
多分生前最後のインタビューでこの作品の続編の構想がある、というようなことを
言っていたと思い出したから。 「これに続編があるのか!」という意味でも、
読み直してみようかと思ったので。
5人兄弟姉妹のうち2人がアルビノとして生まれ、兄弟のうち3人が自殺する、と
いうセンセーショナルな部分だけとりあげちゃうとキワモノっぽいですが、その時代や
地方での閉塞感、兄弟同士の葛藤が想像とはいえ当時生まれたばかりの6番目の
子供の手によって書かれる、という事実の重さに打ちのめされますね(高校生の
ときに読んだっきりなのに印象が鮮明なんですよね〜)。

あ、ポプラ文庫で仁木兄妹シリーズの続き出てる! じゃあ、順番に出るんだ〜、と
一安心(でも油断しきってたので、買うのかなり遅れました)。
と、また結構お金を遣ってしまった・・・

でも『アンダー・ザ・ドーム』を買う勇気はないの・・・文庫化を待とう。
台風の影響ですごいことになっておりました。
気圧の変化で片頭痛を引き起こすあたしはいきなり七転八倒したり、でもその
おかげで珍しく熟睡してみたり(しかし変な時間に寝たのでもう寝れない・・・)。