もう、予告の感じが「アンソニー・ホプキンス怪演!」という感じだったので・・・
あたしあんまりエクソシストものにはひかれないんだけど(基本、ホラーはキライ
じゃないしむしろ好きですけどね、ゾンビものとか特に)、アンソニー・ホプキンスに
負けました(ちなみに公開延期になったのは、地震後に「こういう穏やかならざる
内容の映画を公開してもいいのか」という話し合いがあったためだそうですが・・・
どう関係があるのかいまいちわかりませんでした。 キリスト教徒の方なら関係
あるのかしら?)。
冒頭に、「悪魔との戦いは今も続いている」というローマ教皇ヨハネ・パウロU世の
言葉が引用され、実話っぽさを強調! タイトルは“正しさ”的なほうかと思って
ましたが、スペル見たら『儀式』のほうでした。
家業は葬儀屋だが、継ぎたくない。 でもとりあえず上の学校に行きたい、と
考えたマイケル(コリン・オドナヒュー)は神学校に入ることに。 信仰心以外の
教科の成績は優秀で、恩師からヴァチカンに研修に行かないかと誘いを受ける。
そこでは“エクソシスト養成講座”が開かれていたのであった。 神の存在と同様、
悪魔の存在にも懐疑的なマイケルだが、会ってきたまえと紹介されたのは<異端>
と言われつつも一流の腕をもつとされるエクソシスト・ルーカス神父(アンソニー・
ホプキンス)だった。

エクソシストとか、悪魔ものって必ずと言っていいほど不意をついて人が車に
はねられるよな・・・この映画でもそのお約束は破られず。 とはいえ、予告で
煽るほどのホラー映画ではなかった・・・(ちょっとがっかり)。
とはいえ、なんとなく「信仰とは・人間とは・生きるとは」をテーマに対話する
マイケルとルーカス神父の二人芝居の戯曲に変更できそうだな・・・とつい考えて
しまうあたしはなんなんでしょう?
それにしても、「どう見ても結局ハンニバル・レクター」なアンソニー・ホプキンスは
そう見られることを楽しんでいるのだろうか?、と思うようなやり放題の怪演で・・・
仕事選ばないのかなぁ、実は。

「悪魔憑き」は真実なのかどうか、という回答はグレイゾーン(日本だって悪魔
なんて概念のない昔には「キツネ憑き」とか呼ばれてたこともあるわけだし)。
他人から見たら精神病で片づけたほうが早い話でも、本人や周囲がそれを信じて
いなかったら意味がないわけで、ある意味プラシーボ効果としてのエクソシストの
存在をヴァチカンは育成しているのだろうか、と感じる。 勿論、もとにあるのは
信仰心の深さなり強さだったりするわけだが。
てことは、いちばんコワいのは人間の思い込みや自意識?
ルーカス神父の自宅には最初からネコやカエルが沢山いる・・・言われてみたら、
ある側面から見れば“使い魔”とされる動物ですよねぇ。 陰陽道の式神のほうが
かわいく感じられてしまったじゃないですか。
しかし「相手のまことの名を知ることで相手を支配できる」ってケルト神話にも
ある考え方・・・世界中の一神教も、もとにある考え方は別にあるんじゃないのか
なぁ、と無宗教で絶対唯一神否定・八百万の神派のあたしは思ってみたり。
『レポゼッション・メン』・『プレデターズ』のアリシー・ブラガ嬢がエクソシスト
講座を受けるジャーナリストとして登場してますが、彼女の存在が必要だったのか
微妙・・・(そのあたりも、二人芝居に置き換えられそうと考える要因)。 マイケルの
父親がルドガー・ハウアーだったんだけど、あまりに老けた感じでわかりませんでした!
それにしてもマイケルくん、『THE TUDORDS』に出てる人なんだけど
アンソニー・ホプキンスに完全に存在負け、顔立ちも地味だからかなぁ。

しかもローマ(イタリア)を楽しめないアメリカ人でかっこ悪すぎ(バールやカフェに
入らずマクドナルドとは!)。 まぁ、注文方法がわからないという可能性もありますが、
アメリカの食事の貧しさ(加工食品全盛・手作り料理少ない)をこんなところでも
感じさせられるとは・・・日本の食生活は豊かだねぇ。
まぁ、<信仰という生き方>の例を見せてもらったということかな。 このお二人の
モデルになった神父さんは実際にいるそうですし。
ところで、『素敵な金縛り』の予告見たんですが・・・離婚報道のあとでは個人的に
三谷幸喜の好感度だだ下がりです(なんだか小林聡美は下がらないんだけど)。