2011年05月22日

ダンシング・チャップリン



 いつものシネ・リーブル神戸が、びっくりするほど、込んでました。



   予想外のお客の数・・・見込み甘かった。

   シニア層はいつでも1000円なのだから、レディースデイやサービスデイは

   できたら避けてほしいなぁ(心の叫び)。



 普段通りにチケットを買ったら、整理番号58。 「えっ! ずいぶん込んでるん



ですねぇ」と思わず声に出る(あたしはいつも、だいたいヒト桁が多いので・・・)。



 「はい、前の回が満席でして、そのまま次の回のチケットをとられたお客様が



多くて・・・この回も満席近くなるかもしれません」と、カウンター嬢も少々お疲れの



ご様子。 さもあろう、普段この映画館に来たことないでしょ、なシニア層の方々が



3人以上の集まりで訪れているのだ(そしてカウンターで誰がお金を払うかで



ひと悶着し、もうチケット発券しちゃってるのに「クレジットカードで払える?」などと



無理難題をふっかける・・・そんな組み合わせがいっぱい)。 そりゃ疲れるよな。



 しかしなんでそんな人々が、この『ダンシング・チャップリン』に群れるのだろう?



(最近リアルタイムでテレビ見ていないのでわからないが、大々的な宣伝がなされて



いたのかしら? 『Shall we ダンス?』の好きな世代? 草刈民代ファンとか?



もしくはバレエファン? はたまたチャップリンのファンか?)。 それは結局、



最後までわからないんだけど(まぁ、興行成績がよくてシネ・リーブル神戸の経営の



役に立つならそれでいいです)。



 映画としては二部構成。



 第一幕<アプローチ>は、周防監督が実際に『ダンシング・チャップリン』の



創作者で振付師のローラン・プティと会って映画化の許可をもらうこと、どういう



映画にすることの話し合いと、「チャップリン役は彼にしか許さない」と言われて



いるダンサーのルイジ・ボニーノや草刈民代やダンサーたちの顔合わせ・稽古



風景がドキュメンタリー的に綴られる。 これが面白かった。



   プロ、しかも一流の人たちのやりとりは、

                それだけでスリリング!



 ルイジ・ボニーノのダンサーとしての才能は勿論人間としての魅力がちょっとした



場面からたっぷりうかがえる(ファンになりました)。 そしてあまり時間は割かれて



ないけど、同じ創作者としてのローラン・プティと周防監督のせめぎ合いによる緊張感



(「このダンスはプティさんのものだから、彼にOK出してもらえないことはできない」と



言いながらも自分の意見を取り入れてもらおうと苦悩する周防監督の姿があります)。



 稽古風景もなかなか見られるものじゃないし、本番までにどのような試行錯誤が



繰り広げられるのか、実際の身体の動きだけじゃなくて会話でのやりとりも見せて



くれて、もっと見たかった(予告であったシーンがなかったんだけど・・・また別の



メイキングがあるのかな?)。



 で、5分間の幕間を経て、第二幕<バレエ>。



 第一幕の結果がこうなりました・・・の発表会といった感じ。



   キャスト勢揃い。



 でもオリジナルの『ダンシング・チャップリン』を映画用に短縮・脚色したようなので



(フルでやったら上映時間は3時間を優に超えそう)、これでバレエの『ダンシング・



チャップリン』を知った気になってはいけないのだろうけど、映画ならではの野外ロケと



いった趣向を活かし(監督、プティさんを言い負かしたのかな?)、スオウオリジナルを



つくったのだと思う。



 監督曰く「これが僕のバレエ入門」とのことですが、その原動力が妻への愛でないと



言えるか?、というくらい草刈民代への愛情と尊敬の念があふれた作品になって



おります(観客としても“バレエ素人に対するバレエ入門”であるといえる)。



 あたしとしてはルイジ・ボニーノという存在を知ったことで大満足!



   『街の灯』



 チャップリンは子供の頃NHKでやったのを見たっきりなあたしは深いことは



わかりませんが、それでも「あぁ、あれはあれね」と感じられたのでよかったかなぁ。



 『草刈民代、最後のバレエ』が愛する夫の手でつくられる、それもまた映画の



マジックだと思ったりして、ニヤリです。


posted by かしこん at 08:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

お家をさがそう/AWAY WE GO



 大作やら重たい作品ばかり撮ってきたサム・メンデス監督が、低予算でとりあえず



撮りたいやつ撮ってみた、という本作は、かなり肩の力の抜けたロードムービー



だった。 邦題は『おうちをさがそう』と読んでください。



 バート(ジョン・クラシンスキー)とヴェローナ(マーヤ・ルドルフ)は同居している



仲のよいカップルだが、ヴェローナの信条により結婚はしていない。 が、思いがけず



ヴェローナが妊娠。 しかもバートの両親がよりにもよってベルギーのアントワープに



引っ越すと爆弾発言をしたことで(二人はバートの両親の家の離れ?に住んでいる



らしい)、自宅は売却される運命に。 お互い三十歳すぎなのに親に依存し、“自分たち



だけの生活基盤”ができていないことに気づいた二人。



   どうしよう!、とあわててみたものの。



 さいわい、二人ともどこに住んでもできる仕事(バートは保険関係?、ヴェローナは



イラストレーター?)があるので、生まれてくる子供のために三人で家族としてやって



いくいちばんいい場所はどこなのかを探すため、二人は全米各地にいる友人知人を



訪ねて歩くのだが・・・という話。



 いい人オーラ全開のバート、どうもどこかで見た感じ・・・と思ったら、『恋する



ベーカリー』の娘の婚約者か! ひげともじゃ髪でわからなかったよ! あれも



すごくいい人の役だった。 もはや本人もきっとそういういい人なんだろうなぁ、と



この“人のよさ”は演技以上のものを感じる(そりゃエミリー・ブラントも結婚する



よなぁ、と納得)。 こんないい彼氏がいるのならそれで十分では? 住むのが



どこでもいいならどこでもいいじゃん(というか全米各地を回る旅費があったら



近くに家を借りられるのでは?)、と映画設定の根本をひっくり返す感想が出て



くるのですが。



   久し振りの再会、みな最初はいい感じだが・・・。



 そして訪ねる先々の家はそれぞれ見事に違う問題を抱えており(このあたり、



やりすぎギリギリのところまでブラックユーモア満載)、子供を育てるのが不安に



なるやら反面教師になるやら。 あっけにとられた後、バートとヴェローナがしみじみ



語り合う場面がよかった。 口げんかしつつも、二人の絆がどんどん深まって



いくのが感じられて。



   とてもお似合いの二人に見えてくる。



 音楽もちょっと昔の“古き良き時代”的サウンドが多く、それも旅を心地よく感じ



させている要因かも。



 ちょっとずれた感じのあるバートとヴェローナが、旅を続けるごとに(会いに行く



人たちがおかしすぎるので)どんどんナチュラルに見えてくるのも好印象。 ただ



ヴェローナがかたくなに結婚を拒む理由がはっきりしなかったのが気になるといえば



気になるんだけど、そういうのは本人もわからないことだったりするし、そういう部分も



受け入れるのがまさにバートの“愛”だったりして、でもこの先にはバートの気持ちを



ヴェローナが受け入れる余地が漂っていたようにも感じられるし、今後の展開はまた、



わかりませんが。



 ある意味“青い鳥探し”なので幸せは近くにあるわけですが、遠回りをした方が



見つけたときのよろこびは大きいのでしょう、きっと。



 多分、サム・メンデス監督は離婚後か離婚問題真っ最中にこの映画をつくって



いたのでは・・・と思うと、余計なお世話ですが微妙な気持ちになります。 これも



一種の、自己セラピー?


posted by かしこん at 05:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする