2011年05月11日

チェルノブイリ25年



 NHK BS1にて、『世界のドキュメンタリー』。



 諸事情により放送延期になっていた『チェルノブイリ 25年』の3回シリーズが



ついに放送になり、2回目まで見た。



 冒頭、NHKの解説委員らしき方が「チェルノブイリ事故をそのまま福島第一原発に



あてはめることはできませんが・・・」的なことをおっしゃる。 そりゃ、そうでしょう。



でも、見ていたら国の態度がなんかおんなじなんですけど・・・



 第一夜は新たなる石棺計画と周囲に住んでた人、今のウクライナの話。



 事故後、原発近くに住んでいた人は「三日間だけ」という政府の指示でバスに乗せられ



家を離れたけれど、その後まったく帰れないままであること。 25歳未満の人(つまり



事故後に生まれた人)に甲状腺異常やら白血病やらがんの発生率が高いこと(しかも



一人でいくつもの疾患を抱えている例も多い)。 しかし原発事故との因果関係は証明



されず、国からは何の補償も出ないこと。 ← なんかこれ、結構将来の日本でも



そういうことになっていそう。



 まぁそういう怒りも原動力になって、ウクライナは旧ソ連から独立を果たしたんだけど、



国力が弱いから貧乏で、今のチェルノブイリ内に残されている放射能物質の量を



はっきり公式発表していない(6%〜96%まで、人によって違う)。 まだチェルノブイリ



そのものが危険な状態で、新たな石棺をつくっても毎年メンテナンスは必要で、その



ための莫大なお金を国際社会からの補助金で賄いたいからだ。



 ↑ なんかこういう感じ、“原発利権”とおんなじだよ・・・



 なのにウクライナはこれから原発を20基つくって、「脱原発」の進むヨーロッパに



電気を売ろうと考えている。 貴重な外貨獲得のために。



 そして二日目の今日は、人間がいなくなった立ち入り禁止区域の中で起こっている



動植物のこと。 ネズミは体内にストロンチウムなど放射能物質が蓄積してるけれども、



遺伝子異常はほとんどないが、ツバメは遺伝子異常を起こし年々数を減らしてきている、



という実験結果を紹介。



 事故直後は短期間で強い放射能に被曝をした動植物(昆虫や微生物を含む)は死に



絶え、けれど高濃度放射能汚染はモザイク状に広がったのでそれほど汚染されてない



地域の生き物たちが時間がたつにつれ放射能濃度の低くなってきた“空き地”に



進出してきて、そこで繁殖するようになったために立ち入り禁止地域では現在、



動植物がかなり増えている、という話。



 うーん、紫外線に強い植物もいるのだから、もしかしたら放射能に耐性を持つ



生き物がいるのかもしれないし、耐性があるからこそ生き残れたのかも・・・という



気もしないでもないんだけど(この地域のネズミが自分で破壊された遺伝子を修復する



能力を持っている、を根拠に人間のがん発生率に因果関係がないと関連づけられても



困る。 番組ではそうは言っていないが)。



 で、立ち入り禁止区域内に住み、そこで育てた作物を食べる、いわば自分で自分を



実験台にする放射能測定学者も登場するが、研究者ってどこの国でも似たような感覚



なんだなぁ、としみじみ。 「短時間だから大丈夫」とネズミやツバメの研究者さん



たちも防護服着ないしガイガーカウンターも持ってなかったからね(一日目の、一般人



希望者による“チェルノブイリ見学ツアー”には原子炉近くまで行くので、かつて



事故当時除染作業に従事したというガイドさんのもと、防護服にガイガーカウンター



持参でしたけど、単位がシーベルトじゃなかったのでどのくらいの強さかわからず)。



 ウクライナではチェルノブイリがCGゲームになっていて、ヴァーチャルリアリティ



並みに現地と細部まで一緒の位置関係・風景を描き込み、原子炉を安定させる



ミッションを果たすのが目的らしい。 あまりにリアルなつくり故、事故のことが



風化している、という事実に妙に説得力があった。



 「25年では、人間では一世代ですが、ネズミでは40世代にもなっていますから」と



言う科学者氏の説明が、当人悪気はないのわかるしそういう思考をする職業だから



いいんだけど、大事故のあとを“格好の実験場”と考えてる節はあるよね・・・



結局人間もまた、同じくモルモットになるしかないんだろうなぁ。



 日本では福島の人に対する差別が半ば公然とまかり通りつつあるが(福島出身の



人からお嫁さんもらうのやめよう、とか言う人までいる!)、はっきり言って汚染



されてるのは福島だけじゃないですから! そして世界から見れば、“日本人”が



その差別の対象になるってこと、福島を差別することで溜飲を下げている人は考えて



もらいたい(まぁ、そんなバカはそういう風に考えること自体思いつかないかも



しれないんだけどさ・・・)。



 放射能測定が正しくできてなくて、高濃度の地域に避難勧告出てなかったり、その



逆もありとか、ほとんど日本、やってること同じですよ・・・



 あらためて、放射能はこわいねぇ、と考えつつ、これプラス地震&津波被害からの



復興もかかえて、一歩間違えばほんとに日本は終わるかもしれん、という気持ちに



なっている。 まぁあたし個人的にはいいけど、子供たちの将来がなぁ。


posted by かしこん at 03:27| Comment(0) | TrackBack(0) | WOWOW・CATV | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする