2011年04月10日

戦火の中へ/INTO THE FIRE



 史実をもとにした韓国映画ということで・・・微妙に腰が引けていたことは確か。



 韓国の歴史観には、あたし自身賛成できない面が多々あるので。



 でもただ“反韓”を叫ぶのは心が狭すぎる。 だから客観的な意識を忘れずにいろいろ



学びたいと思うのだが、あたし自身が日本人であるということは避けがたい事実なので、



客観性というのもまた難しいのですが。



   とりあえず、朝鮮戦争のお話です。



 まずこの映画も冒頭から「日本の支配から解放された朝鮮半島が」みたいな字幕が



出ます。 歴史学の観点からいえば植民地化と同化政策(この場合“併合”という



やつですね)とは違うんだけどな、と思いつつ、でもされた側には違いは気持ちの



上では関係ないのかもなと自らを落ち着かせる。 しかしその後、ソ連と中国が北側に



侵攻し、応戦する南側という“戦い”に突入する、みたいな説明。



 あたし、朝鮮半島の近・現代史がさっぱりわからないんだけど(そもそもなんで北と



南に分かれたのかいまいちよくわかっていない)、日本の“支配”が終わった後に同じ



民族同士で戦争になるって、それっていいことなのかな? だったら“支配下”にいた



ほうが平和だったんじゃないのかな? 素朴な疑問。



 で、南側はアメリカに代表される連合軍の支援を取り付けて“朝鮮戦争”に突入して



いく訳なんだけど・・・子供の頃コロンボ警部が「昔、朝鮮戦争に行きましたよ」みたいな



ことを言っていて、なんでアメリカ人なのに朝鮮戦争なの?、と感じた疑問が今頃氷解



しました。 そうか、これは米ソの代理戦争だったのか!



 ちなみに南と北が戦争状態に、を映画上で示す新聞は、日本語でした。 当時の



資料が韓国に残っていないのか、それとも当時は韓国自体に自前の(それこそ



ハングルの)新聞を出す技術がなくて日本語の印刷機を使っていたからなのか、それは



ちょっとわかんないけど。



 ともかくその当時の南側には日本統治時代の名残が沢山あったように感じられます。



そもそも学徒動員させられて、その場を守るように言われて残された彼らが立てこもる



学校は、漢字の学校名プレートが校門にあったもんね。



   はじまりは秩序なき戦場から。



 学徒動員され、初めて任務に放り込まれた主人公はいきなり激戦区に巻き込まれて



しまう。 はっきりいってこのあたりのシークエンス、『プライベート・ライアン』に



そっくりです(というか監督がやりたかったんだろうなぁ・・・という感じ?)。



 そんな戦場をくぐってしまった彼にとって、後に合流する学徒たちのぬるさときたら



我慢のならないものだったろうに、それは口に出さず、しかも何故かリーダーに指名され、



苦悩。 おまけに少年院上がりのやつらがトラブルを起こし、戦場にいるという緊張感は



どこいった!な展開に。



 しかしお約束的なぶつかり合いの末の仲直り、そして迫る北側の武力におびえつつ



全滅も覚悟で一丸となって戦う・・・のです。 ちなみに主人公はビッグバンのTOP、



不良のリーダーはクォン・サンウという韓流ファンにはたまらないスターさんだそう



ですが、すみません、知らないです・・・。



 一応史実をふまえて、ということらしいので、韓国製作の映画ですが北側をただの



悪役と描いてはいない(勿論お約束のようにダメなやつはいるが、それはどこの国でも



ある話)。 むしろ北側のちょっと偉い人、かっこよくすら描かれている(あとから



聞いたら本職モデルさんらしい・・・どおりで立ち姿は美しいが軍人ぽくないなぁと



思ったよ)。



   こんな感じですから。



 まぁ映画的には最後盛り上げないと、という感じか、いきなり香港映画ばりの



1対1の銃撃になってみたり、明らかに史実と違うだろ、な部分が出てきて「あれ?」



ですが、まぁ娯楽映画としては仕方ないかと。



   でも彼らのひたむきさは伝わりました。



 が、エンドロールで当時学徒動員された生存者の証言を出してきたのにはびっくり!



(映画では全滅みたいな描かれ方だったのに・・・)



 「生存者の証言」出されたら黙るしかないでしょ、こっちは(嘘でしょ、とか言えないし)。



 どの時代でも、戦争は愚かで恐ろしく得るものは少ない。



 つまりはそういう認識で。





 ちなみに、この映画を見た三宮シネフェニックス。



 GW明けの5/8(日)をもって閉館になるそうです。



 例によって会社で流れるFM(3月の頭ぐらいのことでした)でその第一報を知った



あたしは「えっ、いま、なんてった!」と一瞬頭が真っ白になり、持っていた書類を



取り落としそうになり、しばらく仕事が手に付かなかった。 パーソナリティさんは



神戸新聞からの引用として話していたが、通ってる客として知らされていません!



 (後日、映画館の親会社?からの正式発表のゴーサインが出る前に許可を取らずに



新聞が勝手に掲載を決めてしまったのだとわかる。 新聞社としては取材に答えて



もらった段階で発表してOKと思うのでしょうか? そこらへんの気配りをちゃんと



してほしい。 で、先日映画館のHPに閉館のお知らせの告知が出たので、あたしも



ここに書かせてもらうことにしました)



 しかしあたしとしては大好きな映画館なので、本当に残念です。



 子供の頃に通った地元の映画館(ここよりもっと狭くて古かったが)の雰囲気が



どこか残ってて、レトロなんだけどスクリーンは3つあって、神戸市の他のどこも



かけないような映画を上映してくれた(しかもアート系よりもホラーやB級SF・



アクションの類。 ロメロ作品もかけてくれたのはここだけです)。 そういう意味で、



大変お世話になったのです。 一利用者、ただの客では好きな場所も守れないのか



・・・と無力感にさいなまれ、そのあとにあの地震です。 何も守れないことが



こんなにも個人を打ちのめすのですね。



 震災後に建てたビルを改装もせずにきているので設備の老朽化と3D映画に対応



できないこと、スタッフの人的サービスに力を入れてきたがやはり設備面の古さは



否めなく、新しいシネコンと同じ金額をいただいているのにそれに見合う総合的な



サービスを提供することが難しく、今後それを改善できる見込みもないため閉館を



決めた、というのが公式発表ですが、あそこは古い型だけど素敵でかっこよい映写機を



使っているのだけれど、そんな映写機に対応する映画のフィルム自体の流通が日本で



激減している、というのがいちばんの要因なのでは・・・と思います。



 シネコンの多くはデジタル上映。 フィルムじゃありません(最近の映画ってフィルムを



切り替えるときに画面のはじに出るポッチ、見なくなったでしょ?)。



 そしてフィルム映写機自体の需要が減り、操作できる人もいなくなり、切れたフィルムを



つなぐなどの職人技を持った人もそうしていつかいなくなる。



 “便利”を前に、また手仕事技術を失うのかこの国は・・・。



 でも、三宮シネフェニックスにはぎりぎりまで通います。 それがあたしにできる



せめてもの恩返し。



 『神々と男たち』の前売券も買いました!


posted by かしこん at 06:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする