2011年03月15日

なんでそんなにしたいんですか

 あたしが今働いている会社でFMが流れていることはこれまでもさんざん書いてきましたが・・・なんていうんでしょう、リスナーからのコメント、特に“被災していない場所にいる自分”をひどく申し訳なく感じている人たちがやたらと「なにかできることはないですか」、「救援物資を送りたいです」と。 果ては「とにかく現地に入ってお手伝いしたいです」と過激に近い要求をエスカレートさせてくる(勿論、まともなことを言う人もいるのだが)。
 ちょっと待て!、である。
 神戸側としては「阪神大震災の経験を踏まえて」というお気持ちがあるんでしょうけど、この「何かしたいシンドローム」は被災地以外すべての場所で広がっているようで、どこかのバカな大学生が「物資を集めて送りましょう」とネットで情報拡散したら予想以上に集まりすぎ、輸送の手配も中途半端だったためにほとんどが大学の倉庫にしまわれたとか・・・なにがしたいねん。
 まずは流通ルートの確保!
 それに西日本の人たち。 あなたたちは津波の怖さもそのあとの被害状況もわかってない。 そもそも、東北地方のことをわかっていない。 関西圏とはまったく違うんです。 各県の県庁所在地までの距離はものすごく遠いし、すべての道路が整備されているわけではない。 首都圏の帰宅困難者(でも歩いて帰ろうと思えば帰れないこともない)と一緒にされては困ります。
 東北の季節はまだ冬です。 雪があり、住民の足は車頼りなのにガソリンがないのは死活問題なのです。 マスコミは「ガソリンが不足しています」の報道で終わるのではなく、「どうすれば東北にガソリンをいきわたらせることができるのか」を考えるor考えている人のところに取材に行くべきでしょう。
 そして、ただ政府発表を垂れ流すだけじゃなく、ワイドショー的に被災地に乗りこんでかき回すだけじゃなくて、もっと役に立つことをしなさい!
 「何故届いてない!」とか「誰の責任だ!」とか騒ぐ暇があったら、取材で現地入りするごとに支援物資をもっていきなさいよ。 まだ家族と連絡が取れなくて・・・と泣いている人にマイク向けるくらいなら、「ここの避難所ではこれが必要です!」とか伝えて(ま、もってってよろこばれる姿とか撮ればいいじゃないですか)、避難所にいる人たちの顔をできるだけ映して、連絡が取れないと探し回っている人たちを助けようとは思わないのかね?
 そしていちばんに救援隊派遣の申し出をしてくれた台湾を断って、「韓国の救援隊が一番乗り!」って報道するの、どうなの? 政府として恥ずかしいしマスコミとしても恥ずかしいとは思わないのか?(それは中国に対する気がねなの? それとも相変わらず強引な韓国押しなの?)
 えっと、話がずれました。
 まだ生存者の捜索中です。 遺体の回収もできてません。 そんな中に素人のボランティアが行っても、はっきり言って“邪魔”です!
 あなたたちの生活基盤はどうするつもりですか。 自分たちの食いぶち&寝床ぐらいは勿論持っていくんでしょうね。 被災者が受ける援助をボランティアだからといって自分たちも受けられると思っていないでしょうね。
 限られた物資を使う人数が増えたら・・・それは“邪魔”ではありませんか?
 勿論、ボランティアを全否定する気はありません。 今はまだその時期じゃない、というだけ。 政府があてにならないから個人で動かなければ何も動かないような気がする!、という気持ちはわかりますが、今は大きな資産や物資や物流ルートをもっている大手企業に任せ、もう少し落ち着いたら被災者個人のケアや後片付けにボランティアは必要になります。
 なんでそれまで、待てないのか?
 そんなにも「誰かのために働いて役に立つ充足感」に飢えている?
 ある専門家が「今回の東日本大震災は阪神大震災の時よりも復興に時間がかかる」としたり顔で述べていて・・・そんなの当たり前じゃないかよ!、とあたしは怒る。 専門家じゃなくったってわかるよそんなこと。
 まず、被害の範囲が広すぎること。 これは新潟の地震のときもそうだが、人口密度が低いので役場は小さいのに受け持ち範囲はやたら広い(つまり役場が潰れればその区域を把握できるものが誰もいなくなる)。 各自治体によって横のつながりはまちまちである(範囲が広いため個人的な交流にも限界がある)。
 そしてかなしいかな東北には大きな産業も国内有数の大企業もありません。 とにかくインフラ整備を優先すれば(するの当たり前なんだけど)、お金が出ていくばかりでただでさえ苦しい自治体は疲弊します。 人口の少ない山間部などは廃村化するかもしれないし、自力での復興は無理です。
 悲しいけど、無理です。 だから国や民間の支援は必要不可欠・・・それでも、時間は相当かかるでしょう。 そして岩手と違い青森は民主党にまだ牛耳られてはいませんから、このまま民主党政権が続くのなら後回しにされる可能性だってゼロではない(また被害が少なめなのもポイントです)。 けれど東北地方が分断された格好になっている以上、流通の面でも青森はこれからも困難を強いられるでしょう。 世間の目が福島原発に向けられれば余計に。
 あたしは、東北地方には同じ時期に同じように復興してもらいたいのです。
 どこかが取り残されるとか、どこだけ先にオールOKになる、とかではなく。勿論、傷跡が深いほど回復は遅くなるけれど、それでもみんな一緒に意識を取り戻してほしいのだ。 それが東北を愛する、あたしの気持ちです。
 そのために、救援も復興も効率化をお願いしたい。
 素人に邪魔されたくないし机の上だけの専門家にも用はない。 現場を知った人たちに、効率よく動いてほしい。
 また、東北は気温が下がるらしい。 まだ見つかっていない生存者にはつらい状況だが、回収できない遺体の腐敗は遅れる(何を恐れているのかは知らないが、国は犠牲者の数を小出しにしすぎである。 宮城県警本部長が断言していたが、死者が1万人を超えることは確実なのだから埋葬の準備もしなければなるまい。 土葬するしかないという町もいくつかあるようだが・・・衛生面のことを考えた上での結論なのかそのへんが知りたい)。
 おっと、どんどん話がずれております。
 映画『ヒアアフター』の上映中止が決まったようですが・・・それはそれでどうなのか。 スマトラ沖地震を想定したと思しき津波のシーンが確かに冒頭にありますが、かなりリアルにつくられています(ただ現実はこんなに美しくないけどね)。 むしろ、津波の恐怖を知らない人・知りたい人こそ見るべきでは?映画はTV放送と違って自分の意志で見に行くものなんだからそこは自粛しなくても・・・それとも、どうせこれで客は入らなくなるからと裏で計算しているのか(津波のシーンは冒頭だけなんですけどね。 そして「生き残った者たちがどう生きるか」というテーマは不適当なものではないと思うのだが)。
 なんでそういうところは自粛するのに、マスコミの無神経な取材は自粛しないのか。
 意味がわからん。

posted by かしこん at 01:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題・ニュースに思うこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする