2011年03月11日

ジーン・ワルツ



 大谷健太郎監督、結構好きでした。 『アベックモンマリ』・『とらばいゆ』と



「もしかして、この関係は不毛?」と疑問を抱いてしまった人たちの右往左往と



それぞれの決断を描き続ける感じ。 すごく地味なんですけど、しょーもないん



ですけど、なんかキライになれないというか・・・特に『アベックモンマリ』で



大杉漣さんのキュートさにやられちゃったのですよ(後にも先にも漣さんをあんな



キュートに撮った作品は他にないと思う)。



 でも『約三十の嘘』で「あれ?」となり、あげく『NANA』シリーズの監督に抜擢



・・・なんかあたしの思ってる方向と違うほうに進んでる気がしますが大丈夫ですか?、



と気になっている人です。 自分で脚本書かないとよさが活きないのだろうかとか、



キャストが豪華で予算が豊富にあると逆効果なのかなぁ、とか(ひどい)。



 なので半分心配しつつの『ジーン・ワルツ』鑑賞でございます。



   何故“ワルツ”なのか、あたしにはよくわからないが・・・。



 曾根崎理恵(菅野美穂)は遺伝子技術を操る女神という異名を持つ不妊治療の



エキスパート。 大学病院に籍を置きながら、小さな産婦人科医院マリアクリニック



でも働いている。 大学病院では最新技術は使えるが規制が厳しい。 彼女はマリア



クリニックで違法な治療をしているのではないか、という告げ口を受け取った大学



病院での上司・清川(田辺誠一)は密かに彼女の周囲を探ることに。



 マリアクリニックに来ている4人の妊婦をファイルナンバー的に紹介されるので、



「おっ」っとスリリングな香りがするものの、それは最初だけ。 あれあれあれ



???、な感じでみるみるうちに失速。



 意味ありげで重要な役割を担ってそうな大森南朋はまさかの放置プレイ。



 かわいらしく凛々しい浅丘ルリ子すら、結構無茶な使い方。



 しかもいちばんの感動どころというか心揺さぶられるパートが物語の前半寄りの



中盤で終わってしまうので、「ちょっと、このあとどうしてくれる!」ということに



なっちゃってました・・・結果的に。



 とはいえ相変わらず大杉漣さんをキュートに描く腕は健在で(とはいえお笑い



パートになっちゃってるんだけど)、どうしたんだ大谷監督!



   あまり笑わないが、産まれてくる

                 子供のことを誰よりも考える熱血医師。



 が、噂の“遺伝子を操る魔女”的な要素はどこに? 目的のためなら手段を



選ばない冷酷さのことだと見る前は思っていたんだけど、それじゃ自分のエゴを



満足させるためみたいじゃないか・・・(自分を被験者にするってことなんだろう



けど、子供がほしいという気持ちはほかの医療とは違う“欲望”がからんでいる



ような気がする・・・難しい問題だ)。



 菅野美穂は年齢不祥な感じはよく出ていたと思うが、『パーマネントのばら』より



演技者としての満足度は低い。 でも、それって監督の責任だよね・・・。



 そして盛り上がるはずの終盤。 台風がやってきて病院は停電、なのに妊婦は



一斉に産気づき帝王切開待ちまでいる状況なのに、何故か手術室で思い出話で



盛り上がってみたりして、緊迫感はどこへ?



   立てないはずの人が立つ、という

              感動を呼び起こす余地もないのはどうなの・・・。



 強風でガラスが割れる状況すら、もはやギャグになってますけど。



 うーむ、期待しすぎたか・・・(だって原作者が「原作者なのに感動して泣いて



しまった」とか言うから)。 っていうか、子供ほしくない人間が見るのがダメな



のか? 日本の産科医療の現状に対する問題提起も通り一遍というか(だから大森



南朋がどうなったのか描いてくれないと困るんだけど!)、深みが足りないのよねぇ。



   後ろ姿、大森南朋。



 子供が産まれて、はい、めでたしめでたしで終わってどうする!



 なんか最後に小田さんの歌が流れて、ごまかされてしまったような・・・。



 おそるべし、小田和正マジック!



 そして大谷健太郎監督よ・・・どこへ行く・・・。


posted by かしこん at 01:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする