2011年03月02日

ザ・タウン/THE TOWN



 なんだかすごい一本だと前評判が先走る映画は微妙に要注意。



 でもピート・ポスルスウェイトを見る機会はこれが最後!、ということで銀行強盗



映画が特に好きなわけではないんですが・・・見ました。



 ボストン北東部にある“チャールズ・タウン”はアメリカ一の銀行強盗発生率を



誇る(?)町。 銀行強盗を“家業”(まさにファミリービジネス!)として代々受け



継いでいる一家もいくつもあり、裏社会のネットワークは十分張り巡らされている。



   仲間であり、もはや家族。



 そんな中でもダグ(ベン・アフレック)をリーダーとする4人組は用意周到さと



堅実な仕事ぶりで仲間内でも評価の高い“銀行強盗のプロ”であった。 しかし



幼馴染でメンバーでもあるジェム(ジェレミー・レナー)は激情型で、ある銀行を



襲撃した際に副支配人にひどいけがを負わせてしまい、タイミングが狂ったため



予定になかった行動(女性支配人を人質にして逃走)をすることに。



 勿論支店長のクレア(レベッカ・ホール)はその後無事に解放されるが、当然彼女は



PTSDに。 クレアには目隠しをし、強盗団はものすごいマスクをしていたから顔を



見られた心配はないが、車の中で会話を聞かれたし声を覚えられたかもしれない。



 そしてクレアがチャールズ・タウンに住んでいることを知ったダグは彼女の記憶を



確かめるために近付くが、彼女と恋に落ちてしまい・・・という話。



   出会いが少ない世代はガードが甘くなるのか?



 あらすじだけ拾うと「いつの時代のメロドラマやねん!」ですが、ベタに感じることも



なく意外にしっかり見れました!



 まずは銀行強盗用のマスクのおかしさ&不気味さ、半端じゃないです。 そんなの



どっから調達する! それから足はつかないのか?(ゴム顔の尼さんがマシンガン



持ってるところを見てしまった子供・・・トラウマだよなぁ) 自分たちの顔は見せないと



いうのは徹底してるけど、それで十分な視界は確保されるのか?(でもそこはちゃんと



考えられてるっぽいんだよな〜。 そこが『SP野望編』とは根本的に違うところ)



   逃走用車両は複数用意。 



 とはいえ手口は見事です(見事すぎて真似しようとする人も出ないと思う)。



 職業?が銀行強盗だというだけで、ダグの仲間4人組のチームワークというか



それぞれの愛すべき性格まで描かれちゃうと、非常に困ります。



 それに対して、彼らを追うFBIチーム、地味すぎる・・・。



   協力するべきなのか、振りだけしておくのか。



 子供は親を選べないように、生まれてくる国も町も時代も選べない。 一度は



その町に染まりかけたけど、けれどそれに逆らって生きてみたくなってなにが悪い?、



という開き直りにも似た感覚。 ベン・アフレック、『グッド・ウィル・ハンティング〜



旅立ち』の不良青年から成長したんだね、という感じもちょっとします。 かつてプロの



アイスホッケー選手として華やかな未来も約束されかけたけど、結局挫折してしまった



屈折感とか『湖は餓えて煙る』のガスにも通じるかな〜(アメリカにはそんな男が



いっぱいいるのか!)。



 しかしそれはダグの事情。 この町から出る気はない・仕事を降りる気もない



ジェムにはそれが裏切りにしか映らない。 そのあたりはそれぞれの「男の美学」が



炸裂しておりまして見応え充分ですが、よく考えたら(女から見たら)どっちも



自分勝手ですよ・・・。



 それにしてもジェレミー・レナー、ブレイクしてよかったね!



 『ハート・ロッカー』とはまったく違う役をこんなにぴったりやってのける怖さは



あれがまぐれではなかった証拠です!



   意外にもこんなに身長差あり!



 そして地味な花屋のファーギー(ピート・ポスルスウェイト)がボスの仕切り屋で



・・・怖いのなんの。 ほとんど表情が動かない、淡々としつつ恐ろしいものを



秘めながら花を切る。 なんだかもう、「強盗は悪いことです」的なごく普通の



理屈すら通用しないおそろしさ。



 なんなんですか、あなたたち、なんなんですか?、と聞いてしまいたくなるほどだ。



 ラストに収斂していく壮絶なアクションは見ごたえありなんだけど、よく考えたら



「それで解決にしちゃっていいの?」と疑問も巻き起こる。



 お金とオレンジを残される側の気持ちも考えてほしい(まさに、男の美学は男の



身勝手さと表裏一体だなぁ、と思った瞬間)。



 まぁ、女のほうも勝手なんですけどね。



   ブレイク・ライブリー、『ゴシップガール』とは

    違う役をやりたかった、とヤク中のシングルマザーで御出演ですが・・・

    いやいや、『ゴシップガール』でも十分ビッチな役だと思いますが?



 しかし主役はタイトル通り“町”なのでしょう。 ちゃんとエンディングには「チャールズ・



タウンにはまっとうに暮らしている人たちがほとんどだ」的コメントが流れ、この町で



普通に暮らす人々に感謝と愛情が捧げられている。



 だがそうすると「銀行強盗が家業」な人々の立場は・・・なんか倫理観が中途半端な



感じが残り、それがいまひとつ入り込めなかった理由かなぁ。



 ベン・アフレックは「次世代のクリント・イーストウッド」との呼び声高いみたいですが



・・・だったら今回は主演せずに、監督に徹するべきだったかも。 ジェレミー・レナー



との気迫や演技力の差がありすぎて、それが必要以上に“ダグの甘さ”を伝えちゃった



ような気がする。


posted by かしこん at 01:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする