2011年03月16日

なんでこんなにメンタル弱いのか・・・

 今朝、目が覚めたら相当な頭痛に襲われた。 原因はわかっている、金曜日以降あまり眠れていないからだ(そもそも不眠症なのに「眠れてない」ってのが変ではありますが)。 でも最近は残業も多くて疲れがたまってきてるから、“マイスリー10mg”をのんだら2時間後ぐらいに眠くなるようにはなってきたのですよ・・・。
   ※マイスリー10mg:ゾルピデム酒石酸塩
    普通は5mg服用から始まる入眠剤。 眠る直前の服用が推奨されています(つまりそれだけ早く効くということ。 2時間かかるあたしはおかしいが、それでもましになってきた方だったのだ)。

 ちなみにあたし、入眠剤として“レンドルミンD 0.25mg”・“デパス1mg”・“メイラックス2mg”も服用しております。 それでもダメなときは“ハルシオン0.25mg”と“ランドセン0.5mg”を追加。
 ドクターに「これ以上出せる薬ないかも」と言わせるある意味つわものであります。
 原因はわかっている。 地震だ。
 そしてもたらされる情報と報道のありかた、会社にいる若いにーちゃんの心ない一言、ラジオから時折聞き取れる上から目線。 言ってる人に他意はない・深い意味はないとわかっている、聞き流すのが大人の対応だというのもわかってる。
 でもあたしには、耐えられないんだ。
 多分、緊張の糸が切れた。 もしくは、被災者じゃないくせにPTSD。
 今日は会社休ませてください、とお願いをする。
 仕事は年度末に向けて佳境だが、昨日遅くまで頑張って早く仕上げたものもあるし、きっと「この地震があたしに与えているダメージ」についてえらいさんはわかっており、一日休ませてもらった。
 じゃあ、寝なおそう・・・としたが、まったく眠れない。
 二度寝が大好きなのに・・・あぁ、原因は頭痛か、と熱を測ってみれば37.46℃。
 ちなみにあたしの平熱は35℃前半です。 確実に、知恵熱じゃん!
 薬を飲むために何か食べねば・・・と、だし汁にホウレンソウと豆腐をぶち込み、沸騰したところにといた卵を流し入れ、いい感じにかき玉になったところで火をとめて味噌を溶く。 冷蔵庫にネギがないのが残念である。
 それをふーふーしながら食べ&飲み、テレビをつけたが相変わらず下世話な放送なのでたまったドラマを見ることにし、はちみつお湯割りでなごみつつ“ロキソニン60mg”をのむ。
 だらだらしながらビデオ見つつ、ごろごろしていれば眠くなるんじゃないかと思って。
 しかし、まったく眠くならない・・・夕方近くになって、ようやくうとうとするかも、程度。
 でも昼間あんまり寝ちゃうと夜また眠れなくなっちゃうんだよな・・・バランスが難しいのですよ。
 ちょっと気分を盛り上げようと、買っていたがまだ読んでいないマンガを読むことに。

  ちはやふる12.jpg 『ちはやふる』12巻
 相変わらず一冊の中で時間の進みは遅いが・・・それでも一生懸命な、そして自分では気づかない「成長」を若者が手にしていく姿はすがすがしい。

  ここではないどこか3.jpg 『シリーズここではないどこか 春の小川』
 片思いにぐるぐるする少女から、誇り高き決断をしなければならない女性、若くして逝った母への息子からの思慕などをを少ないページで美しく描き切る珠玉の短編集。 萩尾望都のテクニックがさりげなく全部詰まってるかも。 表題作『春の小川』なんて泣かない人はいないだろう、という感じ(でも「お涙ちょうだい」で描かれているわけではないのだ)。

  ねこしつじ2.jpg ねこしつじ 2巻
 短いインターバルでの続巻。 2巻目にしてもうマンネリが入ってきてるが・・・まぁそれが桑田マンガの味なんでそれもよし。
 しかし、22:31、あたしの住んでるところにも揺れはやってきた。
 比較的高層マンションなため耐震構造上、上の階ほど揺れるのはわかっているのだが、縦揺れとも横揺れとも違う、まるで円を描くような揺れに、乗り物酔いのような感覚に陥りいきなり気分が悪くなった。
 これ、懸念されてた最大の余震?(気象庁のHP見て震源が静岡だと知るが)
 プレートで生じたエネルギーが噴出場所を探しているのか・・・これでは次にどこが震源になるかまったくわからないし、どこが揺れてもおかしくない・・・西日本にまで被害が出たら、どうやって東北を救援するのだ?
 不意に、息が苦しくなる。
 そして金曜からの不調の理由もなんかわかった。
 あたし、ちょっと「ウツ」入ってきてるかも!
 あぁ、仕事いそがしくていつもの病院に間に合わなくて予約を変更してもらったからなぁ。 あのとき行けてたらまた違ったかも・・・でも実際は一週間後。
 明日、会社に行けるのか、あたし・・・。

posted by かしこん at 02:27| Comment(4) | TrackBack(0) | 日記のようなもの | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月15日

なんでそんなにしたいんですか

 あたしが今働いている会社でFMが流れていることはこれまでもさんざん書いてきましたが・・・なんていうんでしょう、リスナーからのコメント、特に“被災していない場所にいる自分”をひどく申し訳なく感じている人たちがやたらと「なにかできることはないですか」、「救援物資を送りたいです」と。 果ては「とにかく現地に入ってお手伝いしたいです」と過激に近い要求をエスカレートさせてくる(勿論、まともなことを言う人もいるのだが)。
 ちょっと待て!、である。
 神戸側としては「阪神大震災の経験を踏まえて」というお気持ちがあるんでしょうけど、この「何かしたいシンドローム」は被災地以外すべての場所で広がっているようで、どこかのバカな大学生が「物資を集めて送りましょう」とネットで情報拡散したら予想以上に集まりすぎ、輸送の手配も中途半端だったためにほとんどが大学の倉庫にしまわれたとか・・・なにがしたいねん。
 まずは流通ルートの確保!
 それに西日本の人たち。 あなたたちは津波の怖さもそのあとの被害状況もわかってない。 そもそも、東北地方のことをわかっていない。 関西圏とはまったく違うんです。 各県の県庁所在地までの距離はものすごく遠いし、すべての道路が整備されているわけではない。 首都圏の帰宅困難者(でも歩いて帰ろうと思えば帰れないこともない)と一緒にされては困ります。
 東北の季節はまだ冬です。 雪があり、住民の足は車頼りなのにガソリンがないのは死活問題なのです。 マスコミは「ガソリンが不足しています」の報道で終わるのではなく、「どうすれば東北にガソリンをいきわたらせることができるのか」を考えるor考えている人のところに取材に行くべきでしょう。
 そして、ただ政府発表を垂れ流すだけじゃなく、ワイドショー的に被災地に乗りこんでかき回すだけじゃなくて、もっと役に立つことをしなさい!
 「何故届いてない!」とか「誰の責任だ!」とか騒ぐ暇があったら、取材で現地入りするごとに支援物資をもっていきなさいよ。 まだ家族と連絡が取れなくて・・・と泣いている人にマイク向けるくらいなら、「ここの避難所ではこれが必要です!」とか伝えて(ま、もってってよろこばれる姿とか撮ればいいじゃないですか)、避難所にいる人たちの顔をできるだけ映して、連絡が取れないと探し回っている人たちを助けようとは思わないのかね?
 そしていちばんに救援隊派遣の申し出をしてくれた台湾を断って、「韓国の救援隊が一番乗り!」って報道するの、どうなの? 政府として恥ずかしいしマスコミとしても恥ずかしいとは思わないのか?(それは中国に対する気がねなの? それとも相変わらず強引な韓国押しなの?)
 えっと、話がずれました。
 まだ生存者の捜索中です。 遺体の回収もできてません。 そんな中に素人のボランティアが行っても、はっきり言って“邪魔”です!
 あなたたちの生活基盤はどうするつもりですか。 自分たちの食いぶち&寝床ぐらいは勿論持っていくんでしょうね。 被災者が受ける援助をボランティアだからといって自分たちも受けられると思っていないでしょうね。
 限られた物資を使う人数が増えたら・・・それは“邪魔”ではありませんか?
 勿論、ボランティアを全否定する気はありません。 今はまだその時期じゃない、というだけ。 政府があてにならないから個人で動かなければ何も動かないような気がする!、という気持ちはわかりますが、今は大きな資産や物資や物流ルートをもっている大手企業に任せ、もう少し落ち着いたら被災者個人のケアや後片付けにボランティアは必要になります。
 なんでそれまで、待てないのか?
 そんなにも「誰かのために働いて役に立つ充足感」に飢えている?
 ある専門家が「今回の東日本大震災は阪神大震災の時よりも復興に時間がかかる」としたり顔で述べていて・・・そんなの当たり前じゃないかよ!、とあたしは怒る。 専門家じゃなくったってわかるよそんなこと。
 まず、被害の範囲が広すぎること。 これは新潟の地震のときもそうだが、人口密度が低いので役場は小さいのに受け持ち範囲はやたら広い(つまり役場が潰れればその区域を把握できるものが誰もいなくなる)。 各自治体によって横のつながりはまちまちである(範囲が広いため個人的な交流にも限界がある)。
 そしてかなしいかな東北には大きな産業も国内有数の大企業もありません。 とにかくインフラ整備を優先すれば(するの当たり前なんだけど)、お金が出ていくばかりでただでさえ苦しい自治体は疲弊します。 人口の少ない山間部などは廃村化するかもしれないし、自力での復興は無理です。
 悲しいけど、無理です。 だから国や民間の支援は必要不可欠・・・それでも、時間は相当かかるでしょう。 そして岩手と違い青森は民主党にまだ牛耳られてはいませんから、このまま民主党政権が続くのなら後回しにされる可能性だってゼロではない(また被害が少なめなのもポイントです)。 けれど東北地方が分断された格好になっている以上、流通の面でも青森はこれからも困難を強いられるでしょう。 世間の目が福島原発に向けられれば余計に。
 あたしは、東北地方には同じ時期に同じように復興してもらいたいのです。
 どこかが取り残されるとか、どこだけ先にオールOKになる、とかではなく。勿論、傷跡が深いほど回復は遅くなるけれど、それでもみんな一緒に意識を取り戻してほしいのだ。 それが東北を愛する、あたしの気持ちです。
 そのために、救援も復興も効率化をお願いしたい。
 素人に邪魔されたくないし机の上だけの専門家にも用はない。 現場を知った人たちに、効率よく動いてほしい。
 また、東北は気温が下がるらしい。 まだ見つかっていない生存者にはつらい状況だが、回収できない遺体の腐敗は遅れる(何を恐れているのかは知らないが、国は犠牲者の数を小出しにしすぎである。 宮城県警本部長が断言していたが、死者が1万人を超えることは確実なのだから埋葬の準備もしなければなるまい。 土葬するしかないという町もいくつかあるようだが・・・衛生面のことを考えた上での結論なのかそのへんが知りたい)。
 おっと、どんどん話がずれております。
 映画『ヒアアフター』の上映中止が決まったようですが・・・それはそれでどうなのか。 スマトラ沖地震を想定したと思しき津波のシーンが確かに冒頭にありますが、かなりリアルにつくられています(ただ現実はこんなに美しくないけどね)。 むしろ、津波の恐怖を知らない人・知りたい人こそ見るべきでは?映画はTV放送と違って自分の意志で見に行くものなんだからそこは自粛しなくても・・・それとも、どうせこれで客は入らなくなるからと裏で計算しているのか(津波のシーンは冒頭だけなんですけどね。 そして「生き残った者たちがどう生きるか」というテーマは不適当なものではないと思うのだが)。
 なんでそういうところは自粛するのに、マスコミの無神経な取材は自粛しないのか。
 意味がわからん。

posted by かしこん at 01:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題・ニュースに思うこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月14日

名称変更? <東日本大震災> その2



 というわけでちょっと気持ちに余裕ができて(とはいえ若いにーちゃんを



ぶちのめしたい気持ちは消えず、本気で社長に過去のこれまでのことを



チクリに行こうと思ったが、さすがにそれは大人げないと自覚はあり)、



仕事に打ち込むのであります。



 事情が事情なので、土曜日出勤ということもあり、仕事中でも私用で携帯



メールすることを許されたあたし(こういうときに普段の勤務態度がモノを言う



わけだぜ)。



 阪神大震災を経験した方が多いので、しばらく思い出話に花が咲くのを



あたしは聞かせてもらう。 どの地域にいたかでその後の状況が大きく違う



こと(すごく苦労した人・あまり苦労しなかった人)、15年という時間の



壁が、“あの頃”を笑い話にしている。



 今回の災厄の復興にどれくらいかかるか、わからない。



 けれど必ず、笑って話せる日が来るはず。



 そんなところへ、「福島第一原発で爆発」というニュース。



 仕事場にも何故かにわかに緊張感が漂う。



 「ヤバいことになってきたやん!」



 なにしろ情報はFMなので映像がない。 アナウンサーの言葉以上の想像を



それぞれ膨らませてしまうのだった。 しかも専門家として登場した京大の



誰かさん、理系の専門家だから気持ちはわかるが、「こういう状態にならない



ように東京電力は努力したと思うんですけどね、こうなってしまったからには



もうどうしようもないですね」的にばっさり。



 アナウンサー、絶句。 うむ、これはパニックを引き起こしかねない発言に



聞こえてしまいます。 が、理系の合理主義志向の人には“言葉を飾る”という



意識があまりないわけで、「なるようにしかならん」は確かにその通りで



ございますけれど。



 「大変なことになっとるで〜」



 「メルトダウン、ですかねぇ」



 「仮にそうだとしても、発表できないでしょう」



 すっかり会話は“政府は情報を隠蔽する”が大前提となっております。



 が、東京電力は頑張ってたと思うよ! 特に現場の人たちは!



 注意が福島の原発に集中しそうになったとき、ふと気づいた。



 「あれ? いつから『東日本大震災』になったんですか? 昨日は『太平洋



東北なんとか』じゃなかったですか?」



 一瞬の間。 「そういえば、そうやわ〜」



 「でも阪神淡路大震災も兵庫県南部地震とか言ってたし、結構変わるもん



なんじゃない?」



 地震の規模や被害の状況がわかってくるにつれ、“地震”から“震災”に



格上げされるということなんですかね。



 しかし原発についての報道は「落ち着いて報道してください」と言いながら、



マスコミは不安をあおっているようにしか聞こえなかった(家に帰ってから



テレビで見て、余計にそう感じた)。 理系の専門家はコメンテーターでは



ないので、マスコミ受けする発言はできない。 だからこそマスコミは苛立つ



のだろうが、マスコミ側にも専門知識が欠けているのだから結論を急いだり



責任追及をする前にやるべきことがあるはずだ。



 そしてこういう理系の専門委員会的なところは、FBIのように専門の



スポークスマンを雇うべきだね。



 と、そんな話で夜遅くまで、残業。



 実家や友人たちに支援物資を送ろうにも、宅配便業者は東北以北の受付を



お断り。 今は個人ではなく大きなところに任せておく時期なのだろう。



 帰り道のコンビニで、募金する。



 まずはそんなことしかできない。



 夜中に友人から「関電が東北に電気を回すので、関西地区にお住まいの



みなさんは節電にご協力を」というチェーンメールをもらう。



 あぁ、みなさん(とりあえずあの若者以外)、ありがとう(ほんとはチェーンメールは



役に立たないどころか通信網に負荷をかける迷惑ものなのだが・・・そう伝えたいと



考えてくれる人の善意が、ありがたいのです。 最初にこのチェーンメール発信した



やつは逮捕されてほしい。 あたしは友人に返信メールはしたけど、知らない振りして



チェーンメールは止めました)。



 あたしは無神論者だが、それでも祈らずにいられない。



 これ以上、被害が拡大しませんように。 安否不明の方々と早く連絡が



つきますように、世界各国から日本に寄せられる祈りが、どうか届きます



ように。 安心して眠れる日々が、早く訪れますように。


posted by かしこん at 02:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題・ニュースに思うこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月13日

名称変更? <東日本大震災> その1



 結局金曜日のうちには実家とは連絡も取れず、ニュースをついつい見てしまい



完全に寝不足のまま土曜出勤。 停電は回復していないようなので固定電話は



無理だろう。 速足で歩くなか、携帯電話で母親と妹に順番にコールする。



 何度目かで、母親の電話にコール音がした。



 「・・・もしもし」



 「もしもし! かしこんだけど! 大丈夫!」



 「え、大丈夫・・・あ、かしこんなの?!」



 どうやら寝ているところに電話をかけてしまったようです・・・。



 とりあえずみんな無事、停電が直ってないからみんなで布団にくるまっている、



地震の前にご飯を炊いたばかりだったので、食べるものもある(冷蔵庫はもちろん



止まっているが、寒いので問題ない)、ということを確認。 あたしも通勤途中だし、



音声状態も悪いし、長く使用するのは他の人にも迷惑なので1分半ほどで会話を



終えた。 まず出てくるのが食べ物の話、さすが母親って感じ。



 職場につけばFMは、なんだかんだでTOKYO−FMの流す地震関連番組に



全切り替え。 おかげで情報が入ってくるのはいいが、パーソナリティの変わる



節目節目に“総理大臣の国民への呼びかけ”やら“官房長官の発言”などが



流されるので非常に不愉快な気持ちになる。



 「なんか聞いててムカつきません?」



 向かいの席の人に尋ねてみると、彼は「なんか、阪神大震災の村山政権と



イメージかぶりますわ」と答える。 やはり、いらっとするのはあたしだけでは



ないようだ。



 パーソナリティがやたら、「こういうときこそラジオの力が」みたいなのを強調



するのにも引く。 停電が続いたら確かに情報源はラジオかもしれないが、全員が



ラジオを聞ける状態にあるわけではないんだぞ(あとから聞いたところ、実家の



エリアなど避難所生活をするほどでもない地域ではラジオ局の復旧もままならず、



放送が開始されたのは地震当日の夜中からだったそうだ。 なので停電が回復して



テレビを見て初めて、被害のすごさを知ったそうだ。 当事者ほど、情報が足りない)。



 何故か佐藤竹善がFM仙台におり、電話インタビューなどされている。 キャンペーンで



これから青森に行くはずだったが行けない、止まってたホテルは営業停止にしますと



追い出され、新聞社でのスケジュールを終えたら行き場がなくなり、FM仙台が



「よかったらうちで休んでください」と場所を提供してくれた、という話。 実家とも



連絡がつかないです、まだ停電なんで、と淡々と言っていた(このへんが地震に



慣れている東北人らしさである)。



 そして被災者のみなさんを励ます曲をリクエスト募集・・・するのはいいけど、



岡本真夜の“TOMORROW”はないだろう! これはもうちょっと落ち着いてからの



時期のほうが・・・二日目の呆然自失状態の人に聴かせるには酷ではないのか・・・



聴いてあるあたしが鬱になりそうになったぞ。



 そして今職場では、協力会社の若者が手伝いに来ていて(というかそこの会社の



仕事を今のこの会社がやっているのだから手伝っているのは本来こちら側なのだが、



「鍛えてやってくれ」みたいに頼まれたらしい)、最初はまじめな若者なのかと



思っていたがだんだんボロがはがれ、最近は「こいつ、仕事なめてやがる」と



あたしをいらいらさせるに至っているのだが(勿論そんなことはおくびにも



出しませんがね)、そのこいつが「あー、今日もテレビは全局地震のニュース



ばっかりっすかねー。 つまんないっすねー」と隣の席の人に話し、横にいる



あたしの耳にがっちり入る。 てめー、家族や友人が巻き込まれている人間が



いる前で、そういうこと口にするか!?(いや、いなくても口にするのはどうか



と思う) そうか、所詮他人事か! お前の実家が被災してたら同じこと言えんのか!



 初めて、あたしは心の中でブチ切れた。 そして初めて、流れてくるニュースの



言葉に泣きそうになっている自分になった。



 気づけば、携帯に妹や友人からのメールが入っていた。



 ・・・よかった。


posted by かしこん at 11:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題・ニュースに思うこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月12日

3・11 東北地方太平洋沖地震



 仕事場では地元のFMが流れているため、臨時ニュースはそれなりに入る状態。



 「宮城県で大きな地震があった模様です」



 二日前にもあったんだが・・・会社のパソコンで気象庁のホームページを立ち上げ、



地震情報を確認。 そのときは、M7.9で、最大震度は6強だった。



 ちっ、この前のが前段で、今回のが“本震”ってパターンか。 現地では余震を



警戒してるだろうから大丈夫だとは思うが、でもこの先も余震が続くのは確実。



 震源地は三陸沖。 いくら地震に慣れている東北とはいえ、ちょっとやばいかもな



と感じつつ、それでも「大丈夫なはずだ」と自分に言い聞かせた。 しかし、その後の



発表で震度は7になり、M8.4と発表される(最終的にM8.8となった)。



 用事から帰ってきた会社のえらいさんが、「かしこんさん、実家大丈夫か? 仙台、



津波で町中水浸しやで」とどこかでニュース映像を見てきたらしく教えてくれる。



 第一報が過ぎてから実家の母親と二人の妹の携帯にそれぞれメールは入れて



いたが、まだ返事はなかった。 姫路の友人から「すごく大変なことになってますよ!



ご実家に連絡してください!」というメールをもらったが、あたしの携帯電話にそれが



届いたのは彼女が発信した一時間以上あとだった。



 同じ兵庫県内なのに・・・相当、混線している模様。



 あたしが北東北に送ったメールも届いていないかもしれないし、基地局当たりで



うろうろしているのかもしれない。 落ち着いたら、復旧が進んだら、届くだろう。



   神戸新聞の号外をもらう。



 その段階で、あたしは状況を映像として見ていなかった。



 号外にある「死者、けが人多数か」の文字に、鉛を喉の奥に詰め込まれたような



気持ちになる。 東北・北海道は地震に慣れているはずなのだ。 津波の恐怖だって



わかっているはずだ。 だから被害は最小限で済むだろうと思っていたが・・・



いや、そう思いたかったのだが、それが無理だとわかったからだ。



 仙台に住む友人からは、今朝退院したよとメールが来ていたのに。 仕事中だった



とはいえ、すぐ返信しなかったのが悔やまれた。 多分無事だろうと思うが、こんなに



メールが届かなくなるとは思ってなかったから。 一寸先は闇。 レスはお早めに。



 が、むかつくのはKISS−FMである。 当初は通り一遍の地震速報だったのに、



淡路島南部に津波警報が発令された途端番組は緊迫した空気に早変わり。 震源が



三陸沖なんだから日本列島の太平洋側全域に津波警報が出るのは当たり前だろう!



(まぁ、正確な状況が入ってくるのが遅かったのかもしれないが)



 阪神淡路大震災で地震については常に何か語る資格あるみたいな神戸も、突然の



状況判断はまだまだだな。 ・・・そんなことを考える自分にも自己嫌悪だが。



 家に帰って、テレビをつけた。 どの局もすべて報道特別番組になっている。



 仙台を襲う津波を見て、絶句する。



 これでは、「高台に避難する」程度では防げない。



 『ヒアアフター』の津波シーンはリアルさはあったがやはり美しすぎる(映画は少し



前に見ましたがまだ感想は書けてません)。 この津波は、まるで土石流のように



汚れて、すべてをのみこんで押し流す。 そしてゆっくり、押し戻す。



 三陸沖はそもそも逆断層があり、ここ20年の短いタームでも何度も震度5程度の



地震は何度も起こしてて、地学で言うところの「活発時期」である(とはいえ地学



的には500年・1000年単位で語られるからあれだが。 秋田沖の断層も「いつ



来てもおかしくない地震空白地帯」と100年前ぐらいからずっと言われてる



らしい)。 東海地震ばかり研究されているが、三陸・宮城県沖だって要注意な



場所だったはずだ。 実際、首都圏にも大きな被害が出てるんだからな(しかし



9日の地震では東京方面に影響が出なかったせいか見事にスルーしてくれましたね。



もしこの先、より大きな地震の可能性もあると報道されていたら、東京の混乱は



多少はましになったのでは?)。



 とはいえニュースは東京周辺のことばかり流してムカつくったらありゃしない。



1・2年前に首都圏で“大地震による帰宅困難者シミュレーション”をやったん



じゃなかったのか? 結構な人数が参加してたと思ったが・・・それは今回



役に立ったのか? 電車が止まって帰れない人たちよりも、報道すべきは東北の



現状なんじゃないのか!



 が、断片的に判明する情報は恐ろしいものばかりだ・・・日本ではもう津波の



悲劇は繰り返すまいと思っていたのに・・・地球はそんなこっちの希望など



汲んじゃくれない。 あぁ、神戸出身者であのとき神戸を離れていた人たちは、



こんな気持ちでテレビの映像を見たんだろうか。



 実家の固定電話はずっと話中のツーツー音、母・妹二人の携帯は「おかけに



なった電話は電波の届かないところにいるか、電源が切られています」の



アナウンス。 実家は災害ダイヤルの対象地になっていないので、家族や地元に



残ってる友達と連絡がつけられない(友人にはパソコンにメールを送ったが、



停電が続いてたらしいのでどうだろうか)。 おまけに寒いしね!



 あぁ、これも“サヨクが権力を握ったら大災害&大事件が起こる”のジンクスに



数え上げられてしまうんだろうか・・・。 国会で衆議院解散に追い込むチャンス



だったのに、また後回しになる・・・そして実行力のないやつらにまだ指揮権が



ある、という悪循環。 だが、現場で働く人たちは上のしょーもなさをもうわかった



上で精いっぱいのことをしようとしてくれていると感じた。 大事なのは、現場で



働く人とそれを支える人たちです。 ありがとうございます。



 どうか、被害が最小限でありますように。



 復興に長い時間がかかりませんように。



 そして、この地震を体験した人の心に一刻も早く平穏が戻りますように。



 難しいことだとわかっているが、祈らずにはいられない。


posted by かしこん at 03:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題・ニュースに思うこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月11日

ジーン・ワルツ



 大谷健太郎監督、結構好きでした。 『アベックモンマリ』・『とらばいゆ』と



「もしかして、この関係は不毛?」と疑問を抱いてしまった人たちの右往左往と



それぞれの決断を描き続ける感じ。 すごく地味なんですけど、しょーもないん



ですけど、なんかキライになれないというか・・・特に『アベックモンマリ』で



大杉漣さんのキュートさにやられちゃったのですよ(後にも先にも漣さんをあんな



キュートに撮った作品は他にないと思う)。



 でも『約三十の嘘』で「あれ?」となり、あげく『NANA』シリーズの監督に抜擢



・・・なんかあたしの思ってる方向と違うほうに進んでる気がしますが大丈夫ですか?、



と気になっている人です。 自分で脚本書かないとよさが活きないのだろうかとか、



キャストが豪華で予算が豊富にあると逆効果なのかなぁ、とか(ひどい)。



 なので半分心配しつつの『ジーン・ワルツ』鑑賞でございます。



   何故“ワルツ”なのか、あたしにはよくわからないが・・・。



 曾根崎理恵(菅野美穂)は遺伝子技術を操る女神という異名を持つ不妊治療の



エキスパート。 大学病院に籍を置きながら、小さな産婦人科医院マリアクリニック



でも働いている。 大学病院では最新技術は使えるが規制が厳しい。 彼女はマリア



クリニックで違法な治療をしているのではないか、という告げ口を受け取った大学



病院での上司・清川(田辺誠一)は密かに彼女の周囲を探ることに。



 マリアクリニックに来ている4人の妊婦をファイルナンバー的に紹介されるので、



「おっ」っとスリリングな香りがするものの、それは最初だけ。 あれあれあれ



???、な感じでみるみるうちに失速。



 意味ありげで重要な役割を担ってそうな大森南朋はまさかの放置プレイ。



 かわいらしく凛々しい浅丘ルリ子すら、結構無茶な使い方。



 しかもいちばんの感動どころというか心揺さぶられるパートが物語の前半寄りの



中盤で終わってしまうので、「ちょっと、このあとどうしてくれる!」ということに



なっちゃってました・・・結果的に。



 とはいえ相変わらず大杉漣さんをキュートに描く腕は健在で(とはいえお笑い



パートになっちゃってるんだけど)、どうしたんだ大谷監督!



   あまり笑わないが、産まれてくる

                 子供のことを誰よりも考える熱血医師。



 が、噂の“遺伝子を操る魔女”的な要素はどこに? 目的のためなら手段を



選ばない冷酷さのことだと見る前は思っていたんだけど、それじゃ自分のエゴを



満足させるためみたいじゃないか・・・(自分を被験者にするってことなんだろう



けど、子供がほしいという気持ちはほかの医療とは違う“欲望”がからんでいる



ような気がする・・・難しい問題だ)。



 菅野美穂は年齢不祥な感じはよく出ていたと思うが、『パーマネントのばら』より



演技者としての満足度は低い。 でも、それって監督の責任だよね・・・。



 そして盛り上がるはずの終盤。 台風がやってきて病院は停電、なのに妊婦は



一斉に産気づき帝王切開待ちまでいる状況なのに、何故か手術室で思い出話で



盛り上がってみたりして、緊迫感はどこへ?



   立てないはずの人が立つ、という

              感動を呼び起こす余地もないのはどうなの・・・。



 強風でガラスが割れる状況すら、もはやギャグになってますけど。



 うーむ、期待しすぎたか・・・(だって原作者が「原作者なのに感動して泣いて



しまった」とか言うから)。 っていうか、子供ほしくない人間が見るのがダメな



のか? 日本の産科医療の現状に対する問題提起も通り一遍というか(だから大森



南朋がどうなったのか描いてくれないと困るんだけど!)、深みが足りないのよねぇ。



   後ろ姿、大森南朋。



 子供が産まれて、はい、めでたしめでたしで終わってどうする!



 なんか最後に小田さんの歌が流れて、ごまかされてしまったような・・・。



 おそるべし、小田和正マジック!



 そして大谷健太郎監督よ・・・どこへ行く・・・。


posted by かしこん at 01:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月10日

RED/レッド

 「お年の方も頑張ってます!」なアクション映画は『エクスペンダブルズ』で懲りたんだけど、これは予告編がド派手で、やたらヘレン・ミレンがキュートだし、で観てみたら・・・『エクスペンダブルズ』より何倍も面白かったよ!
 元CIAだったフランク(ブルース・ウィリス)、今は引退して静かな生活を送っているが、実は年金事務所っぽいところで働いている女性サラに「年金の小切手がまだ届いていないんだ」という口実で頻繁に電話している。 どうやら彼女に恋をしているらしい、そして現状に満足してない彼女のほうにもフランクとの電話を楽しんでいる気配が。 ゴミを出しに家の外に出たら、近所がクリスマスの飾りつけをみなしていることに気づいたフランクが自分の殺風景な家に点滅するスノーマンを置くキュートさときたら!
 なのに突然何者かの襲撃を受けるフランク・・・タイトルの意味を事前に知らされていなければかなり意外性のあるカメラワークを心から驚けたのになぁ、と残念に思いつつ、でも宣伝ではそこは外せないポイントなんだろうし・・・難しいですなぁ。

  レッド1.jpg ※RED(=RETIRED EXTREMELY DANGEROUS):引退した危険な年金生活者

 どうやらCIAが何かの目的のために自分を消そうとしているらしい、とわかったフランクは電話の彼女にも危険が及ぶ、とサラ(メアリー=ルイーズ・パーカー)救出に向かい、かつての信頼できる仲間であり同様にREDなやつらと連絡を取り、“静かな生活”を壊された理由を知ろうとする。
 ま、細かいことを言うのは野暮だぜ、な大味アクション映画でも、出てる人たちがモーガン・フリーマン、ジョン・マルコビッチ、ヘレン・ミレンとあってはもうそれだけでOKとなってしまいます。

  レッド2.jpg ヘレン・ミレン、いつもお洒落だし。 しかも名前はヴィクトリア!

 特にジョン・マルコビッチ、なんでそんなあぶない感じの人が似合うのか・・・。
 そしてリチャード・ドレイファス、なんでそんな役・・・と、いろいろ意外な人も。 でもシリーズ化のことを考えたらモーガン・フリーマンの扱いはもったいないと思う・・・。 もっと別の展開はなかったのか!
 旧ソ連側の元スパイ・イヴァン(発音は“アイヴァン”だったけどな。 ブライアン・コックス)の酒びたりの雰囲気からフランクと再会したことで生まれ変わったようにイキイキしていく過程が楽しすぎ、かつてはさぞ伊達男だったのだろうと想像すると、どの世界でも現役を引退したくない人々は復活する機会を待っているんだなぁ、と思い、そしてまた「亀の甲より年の功」だったりするから侮れない(まぁ、そういう話なんですが)。
 イヴァンとヴィクトリアがかつて恋仲だったという雰囲気がはっきり台詞に出る前に醸し出されるのが素敵。 冷戦時代に引き裂かれた恋人たちのその後、を優雅に見せていただいてしまったら、それもまた降参です。 オトナってそういうこと?、みたいな切ない余裕。

  レッド3.jpg そしてもうひと組の恋愛。

 フランクの恋の相手・サラは多分40代だと思うのですが(それでもこの映画では若い方)、やたら若いヒロインが事件に巻き込まれて無駄にキャーキャー叫ぶようなイライラ感を起こさせず、まぁその年で独身で仕事にも不満ありで、という不安定キャラではあるものの、こういう年齢でアクション映画のヒロインってのもありじゃない?、と十分思わせてくれました(そしてもう一人のヒロインはヘレン・ミレンなんだけれど)。

  レッド6.jpg “恋する乙女”に戻ったけど銃はぶっ放しますよ!

 もともとアクションスターではないので身体は張りませんが、扱う火器・銃器類が半端じゃないので(そしてさりげなく優雅な動作が取り入れられているしね)、妙な爽快感が。 でもブルース・ウィリスは身体張ってましたよ!
 ただ納得いかないのは、CIAの若き現役捜査官(?)。 汚れ仕事(誰かを陥れるためもしくは何かを守るために自殺に見せかけてあっさり人を殺すとか)を何の疑いもなく仕事として遂行するやつが、家庭を持ってはいけません。 こういうやつって自分の妻子が人質になったりしたら手段を選ばないで脅迫者側に協力したり身内を裏切ったりするんだろうなぁ。

  レッド5.jpg 右:クーパー捜査官(カール・アーバン)
 フランクのことを最後には「グランパ(おじいちゃん)」呼ばわりして歩み寄ってますが、彼がこの先CIAの仕事を続けるのか? 続けるとしたら変わるのか?、ということが非常に気になりました。
 REDな方々はこれから自由な傭兵として勝手に世界各国に出没しそうなラストはこの映画にふさわしい“希望”だけれど、よく考えたらちょっと迷惑かも・・・。
 あとには残りませんが、でも見ている間はとても楽しめた。
 結構ストレス解消になるかも!

ラベル:映画館 外国映画
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2011年03月09日

洋菓子店コアンドル

 見終わったら、というか見ている間、ケーキ食べたくなるんだろうなぁ・・・と覚悟して見たのだが・・・思ったほどそうはならなかった。

  洋菓子店コアンドル1.jpg こんなシーンはない(ポスター用)。

 突然連絡を絶った幼なじみのいいなづけ海くんを訪ねて、なつめ(蒼井優)は鹿児島から上京、彼のパティシエ修行先である“洋菓子店コアンドル”に来る。 しかし彼は修行二日目にして逐電、行方は知らないとオーナー(戸田恵子)は言う。
 しかしこのまま帰れないなつめは他に頼れるあてもなく、アルバイト募集の貼り紙を見つけるや「こちらで働かせてください!」と頼み込む。 実はなつめの実家はケーキ屋で、ケーキづくりには自信があるという。 では・・・と試しにつくらせてみたチョコレートケーキは「クリスマスに街頭で売ってるやつ」。 たまたまその場に居合わせた伝説のパティシエ、しかし今は料理学校の講師とケーキ評論家である十村(江口洋介)からも「仕事が遅い、クリームがゆるい、シロップの打ち方にムラがある」と一口食べて一刀両断。

  洋菓子店コアンドル7.jpg 不穏な、出会い。

 が、負けず嫌いのなつめは海くんを探し出すまでは、と強引に住み込みで働かせてもらうことになったのだった。
 そしてオーナーが差し出したチョコレートムースの味にも感動して。
 このなつめちゃん、いくら蒼井優でも許せないくらい無茶苦茶勝手で、世間知らずというか田舎でちやほやされて育ったのか?、というくらい「身の程知らず」。
 いくら先輩(江口のりこ)が無愛想でつっけんどんな性格だからって上から目線で接してどうする! コアンドルのケーキを食べて自分の腕の未熟さを知ったはずなのに「え、やらせてもらえないんですか?」とか言う。 果てはやっと見つけた海くんに対する発言が・・・無神経すぎて海くんがあまりにかわいそうになった。
 しかし、その夜の「男より仕事をとります!」発言時のなつめの言動は“ザ・蒼井優”の真骨頂! 感情をぐっと押さえ込む、泣きたいけれどそれを笑いに変える、全部自分で飲み込んで立ち上がる。
 そういう、「がんばる女子」にあたしは弱い・・・。

  洋菓子店コアンドル2.jpg そして仕事に打ち込む。

 そしてその場にいたオーナーもとってつけたようななぐさめも言わないのよ。
 女って、大変よね。
 そう、この映画には大きな感情のうねりがあるわけでもない(いや、ないわけではないんだけど直接描写は避けられている)。 淡々と、普通の人が普通の日々を暮らすような感じで、過剰さをあえて抑えている。 だからケーキを食べたいと思わなかったのかな〜、ケーキのおいしそうな感じすらも、抑えられているような気がした。

  洋菓子店コアンドル3.jpg こんな料理学校の先生、イヤだ・・・。

 江口洋介は主役というには出番は少ないのだが・・・最初の登場シーンから「あなた、鬱かなんかだよ、病院行けよ!」と思わせる不穏さを漂わせていて過去の傷のことはあとあと説明されなくてもわかってるよ!、という感じ。 これはうまさなのかやりすぎなのかどっちだろ・・・で、せっかく全体的に抑えたトーンできてたのに一部凡庸な幻覚シーンがあり、微妙にげんなり。 深川監督の作品、最近割合続けて観ていますが(『半分の月がのぼる空』『白夜行』)いいところまでいってるんだけど全体的にあと一歩というところなんだよな・・・(ただ、この作品では抑え気味のおかげで江口洋介が取り乱す回想シーンのショッキングさが活きるわけなんですが)。
 前半が丁寧すぎるのかな・・・後半が急ぎ足のような、でもストーリー的に急いでるわけではないので説明不足なのか。 なんか微妙に納得のいかないところがあり・・・せっかくの伝説のパティシエの腕もよくわからず、しかもつくったデザートがなんだったのかもよくわからないという・・・。
 それにしても、はっきり表だってはいないんだけど東京洋菓子界全面バックアップ体制がものすごくて、「きゃー、ピエール・エルメ! あ、柴田書店だ!」などとあたしは内心歓声を上げておりました。 そういうところはすごく楽しかったが・・・関西ではあまり通じないお店が多かったかなぁ(アンリ・シャルパンティエ銀座店ぐらいでしょうか。 でも銀座店は本店は芦屋であることを明確に公表してない感じがするんだけど)。
 「あえて語らない」という姿勢は好きなんですが・・・描き過ぎなところと省略しすぎなところのバランスがもうちょっとうまくいったらいいのになぁ、と思ったり。
 でも鈴木瑞穂さん突然の登場には衝撃を受け、そのもたらすエピソードにちょっと泣いてしまいましたよ。 そう、完璧なものを食べたいのが人情。 でもいつも100点のものばかり食べていると、60点でも荒削りな勢いを感じさせるものに出会うと妙に新鮮なんですよね。 そして100点をときには退屈だと思ってしまったり(でも戻ってみたらまた同じ味で安心したり)。 勝手ですわ、消費者は。

  洋菓子店コアンドル5.jpg それでも試作を続けます。

 『時効警察』のときとはまた一味違う江口のりこの仏頂面&口の悪い不器用ぶりと、別な方向に口の悪い蒼井優との“仕事上の仲間としての友情”はいかにも女の子っぽくなくてべたべたした感じがまったくなくて好きですが、でももうちょっとお互い敬意は払いましょうよ・・・と思っちゃったあたしは外面も大事なおばちゃんになり下がってしまったのかしら。 若いのだから、それくらいでいいのかもなー。
 そして職人として生きていこうと思ったら、強い自己主張ができることはすごく大事なことなわけで。
 意外とタイトルとは関係ない、人々の再出発を描いた映画だったなぁ。
 おいしいケーキは人を幸せにする。 ほのかな救いもまた、しかり。

ラベル:日本映画 映画館
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2011年03月08日

はちみつの奥深さにどんどんはまる

 2/19に移転オープンしたはちみつ屋さん『ドラート』にやっと行った。
 移転先はトアウェストと呼ばれる場所で、あたしの普段の行動ルートではないので・・・そして19時閉店なので全然間に合わない・・・という事情もあり。
 お店から送られてきた地図つきのハガキを何度も確認しながら「多分この道だよなぁ」と坂道を上がっていると・・・ありましたよ! あまりにひっそりしているので、「やってるのか?」と一瞬心配になるくらい。 人の気配もなかった。
 しかし小声で「こんにちは〜」とドアを開けて入ると、見覚えのある店員さん登場。
 向こうもあたしのことを覚えていてくれていたようで(よく閉店間際に来る客だったからであろう)、「場所、わかりましたか? わざわざありがとうございます」と言ってくれる。 そしてこのお店は「はちみつ全種類試食可能」なのだが、あたしはかなりの種類を試させてもらっており、お店の方も何を薦めたらいいかお困りである。
 あたしは棚を素早く見まわし、見慣れぬ名前のプレートに気づく。
 かなり濃い色のはちみつ。
 「“ポフツカワ”って、なんですか?」
 「あ、それは今ちょっと御試食の準備ができておりませんで・・・申し訳ございません。 かなり濃厚なお味で、少し塩気もあったりするんです」
 そうか、味が試せないのか・・・残念。 というわけで桜・セージ・レモンなどを味見させてもらうが、「これだ!」という感じがない。 自宅には“西洋菩提樹”と“ローズマリー”が常備されているのだが、これを超えるあたしの好みのはちみつはないのだろうか(ちなみに“さくらんぼ”もあるがちょっと飽きてきた)。
 というわけで“はちみつゆず”(柚子クラッシュのはちみつ漬け。 お湯割りにしてもおいしいが、プレーンヨーグルトに入れるとめちゃうま!)がそろそろなくなりそうなのでひとビン購入することに。 そしてどうしても気になる“ポフツカワ”も買ってみることにした。 店員さんの表情がパッと華やぐ。
 「こちら、結晶化しやすいはちみつなんです。 でも結晶にも独特の味わいがあって、上澄みの普通のはちみつの部分と、結晶化した部分の違いも楽しんでいただけると思いますよ」
 はちみつの結晶化は保存温度にもよるようだがブドウ糖含有量が多いものほど結晶化しやすいらしい(40〜60℃で湯煎すればはちみつ成分に影響を与えずに結晶を消すことができます)。
 何故知ってるかというと、ハチミツ事典みたいな本を読んでちょっと勉強しちゃったからです。
 ちなみにこの“ポフツカワ”、ニュージーランド産ですがエリザベス女王のお好きなはちみつだそうで、英国王室御用達だそうな(これも植民地時代の産物か・・・)。
 で、「お葉書をお持ちの上はちみつをご購入されたお客様」ということで、様々なサービス品が。

  ドラートおまけ.JPG どこでもマイ蜂蜜?
 いや、あんまはちみつ持ち歩かないけど・・・。
 「ドレッシングづくりなどにもご利用いただけますので〜」と言われて、「そうよね、必ずはちみつを入れなければならないわけではないのだわ!」と我に返ってみたものの、あ、でもスタバのコンディメントバーにあるはちみつ、自由に使っていいけどどこ産のはちみつとかわからないしなぁ、下手に中国産の怪しいものにあたる危険を考えたら好きな人はこういうものが必要なのかもしれない、と気づく。
 ちなみにスプーンはきちんとステンレス製、はちみつのどあめは確か売りものです。
 こんなにサービスしてくれちゃって大丈夫ですか・・・。
 帰ってから、お風呂上がりにポフツカワのふたを開ける。
 か、香りが! なんというか、複雑!
 ど、どうしよう・・・失敗しちゃったかな、とマジで思ったが、気を取り直してまずはお湯割りに。
 一口飲んで・・・「ブランデー?」と思っちゃったよ(あたしはお酒が飲めないのでブランデーも飲んだことはないんですが、お菓子に使われてることがあるからね。 はちみつの色がそれっぽいせいもあるか?)。
 そう、香りがなんか熟成されたものを思わせるのです。 お店の方がおっしゃったようにちょっと塩味っぽい感じもあり・・・複雑でクセのある味。 ある意味、マイルドでバランスのいい“ローズマリー”の対極にあるようなはちみつ。
 最初は「むむっ」と思ったのに、なんだか今はちょっとそのクセにやみつき感がでてきております。 ちょっと“さくらんぼ”をまぜてみたらフルーティー感が加わってまた新しい味に!
 購入して一週間ですが、現在、下のほうからじわじわ結晶化が進行中。 はちみつ全体の色もブランデー色が薄くなってきました。 調べてみると結晶化した状態ではかなりクリーミーな風味になり、「ミルクティーに最適!」とか。
 むしろ結晶化してない状態で市販されている方が珍しいらしい(ネットで見る“ポフツカワはちみつ”の画像はみんな白っぽい)。 そうか、管理が難しいから味見もできないのかもな〜。
 と、純粋蜂蜜にすっかりはまっております。
 しかし次にお店に行けるのはいつのことなのかさっぱりわからん・・・。

posted by かしこん at 01:58| Comment(0) | TrackBack(0) | ごはん・お茶の時間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月07日

ブラックランズ/ベリンダ・バウアー

 19年前、叔父のビリーは行方不明になった。 連続児童殺害事件の被害者になったと思われるが、逮捕された犯人は否認、ビリーの遺体は見つかっていない。 
 帰ってこない被害者に残された家族は心を閉ざし、やりきれない思いを抱えている。 甥であるスティーヴンは、ビリーの遺体が見つかれば祖父や母の心の傷が埋まるのではないかと、このうちが“普通の家族”になるのではないかと考え、今日も遺体を探して荒野をめぐる(舞台はイギリス南西部のエクスムーア。 ヒースがところどころに茂る水のにじむ荒野があり、犯人はそこに死体を埋めていたから)。

  ブラックランズ.jpg なんかそれだけで泣きそうになってくる。

 見つからない子供と残された家族の葛藤、どうにか見つけ出そうとする少年、という基本設定は『ラスト・チャイルド』とほとんど同じと言っていいでしょう。
 しかしディテールは違います。 こっちでは犯人は捕まっていて収監中。
 ただスティーヴンはどうしてもビリーの居場所を知りたくて、刑務所の犯人に手紙を出してしまうという別方向にスリリングな展開に。
 分量も『ラスト・チャイルド』の半分だし、神がかった不思議な感じは出てこないし、むしろこちらのほうが読みやすいかもしれない。 が、やはり母親は愚かだし、主人公にとっての親友は種類は違えどろくでなし。 共通項が多いので近い時期に読むと印象がかぶるのは間違いなし。 どっちを先に読んだかでかなり評価が変わってしまうかも。
 で、あたしは後から読んじゃったわけですが・・・でも、よかった!
 『ラスト・チャイルド』と違ってスティーヴンはちゃんと学校に通っているのだが、教師からもほとんど認識されていないし暴力をふるうとともにカツアゲも平気でするいじめっ子までいて、彼の孤独は深まるばかり。 だからこそ荒野でシャベルをふるうことが彼の存在理由であり、居場所になってしまっているということになんか泣けてくるのである。
 何度、「ちゃんとした施設に入れてあげてよ!」と思ったことか(それにしてもアメリカもそうだが、イギリスも明らかな犯罪に近いいじめに対して教師側は何の対策も講じないのか? 見て見ぬふりなのか、ほんとに気づいていないのかどっちなんだ? 子供は自分がいじめられていることを周囲の大人に知られることを極端に恐れる、というのはどこも共通なんだなぁ)。
 そして厳格で一家の不和のすべての元凶にも思えるスティーヴンの祖母(しかしほんとの原因は“事件”なんですけどね)の存在が物語を引き締める。 彼女が目立ちすぎるが故に母親の影が薄いというか、余計愚か者っぽく見えてしまうのが残念ではある。
 愚か者と言えば右に出るものがないのがスティーヴンの親友ルイスである。
 こんなアホとは早く縁を切れ!、とあたしが親戚のねーちゃんだったら説得してやりたいところだが(そしてルイスの親のところに怒鳴りこんでやりたいところだが)、男同士の友情は女には理解できないつながりなのか、それとも自分が普通ではないと自覚してしまっているスティーヴンにとっては友人でいてくれるだけでありがたい存在なのか、いやだと思うところがあってもぐっと文句を飲みこんでしまうスティーヴンが痛々しくて・・・。
 スティーヴンと犯人の視点で交互に紡がれるこの物語、後半はスピーディーなスリラーへと展開しますが・・・幼児性愛者とか快楽殺人者ってのは更生などしないものだ、としみじみ感じてしまう(更生するような資質があれば怪物になるラインは踏み越えない)。
 しかしわかっているだけで6人の少年が殺されているのに(そして遺体が見つかっていないのが3人)、死刑判決じゃないってのが信じられない。 イギリスっていまは死刑のない国だっけ?、と考えつつ、そしてあたしは“死刑のある国”に生きていることをごく平然に受け入れていると気づかされる。
 正直、死刑制度の何が悪いのか、あたしにはわからない。
 終幕での町の人々の行動には描かれている以上の謎が潜んでいるような気がするのだが・・・しかし祖母の登場によりあたしはいきなり堤防が決壊したようにどーっと涙が流れた。 嗚咽もなく、すすり泣くでもなく、ただただ涙だけが流れ続けたのだった(これがいわゆる「女優泣き?」)。
 すべてが片付いたわけじゃない、スティーヴンにはまた別の心の傷が残る。
 それでも、彼が手にできたのは明らかな救いだった。
 そのことに、安堵できたのでした。
 こんなにも読後感のよいサイコスリラーはなかなかありませんよ。

ラベル:海外ミステリ
posted by かしこん at 02:50| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆ 読んじゃいました | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月06日

どうすれば子供を守れるのか

 最近は(というか3月いっぱいまではこのまま・・・)仕事が多いので帰宅が遅く、更にそのあとに行けるときにレイトショーに行ったりもするので更に帰りが遅くなり、必然的に寝る時間も遅くなっているあたし(薬を飲むタイミングも難しい。 翌朝、はいずるように起きますよ)。 なのでニュースも一週間分まとめて土曜の夜に見たりして(ドラマも見たいが一週間分録画したやつを一晩では消化しきれない・・・が可能な限り見る)。 で、そのまま寝てしまうこともあり。
 ほんとは今日は新開地の二番館で映画二本立てに行くつもりだったのに、寝過ごした。 いや、すぐに動き出せば十分間に合う時間だったのだが、一週間の疲れがあたしにやる気をなくさせたというか出かけるのがめんどくなってしまったというか。 あぁ、週休二日に慣れると週一回だけの休みはつらいなぁ(それでなくても休みは多ければ多いほどいいと思っているぐーたらなやつなので)。
 まず、マスコミはネットカンニング事件を追いかけすぎである。
 大規模な組織的犯罪の気がした、というのであれば予備校生一人とその個人の関係を追及するのではなく、“存在するかもしれない組織”や“そのために過去になんのお咎めもなく大学合格した者”を追うべきであろう。
 人が追わないモノを追うのがジャーナリストじゃないのか!
 メディアスクラム対策のため過去の事例について当事者たちに尋ねれば必ず返ってくる答えが「他が取材するからウチだけしないわけにはいかない」ってやつ。
 そんなのはただの談合精神じゃないか。 マスコミは腐ってる、としみじみ思う。
 そっちよりも追いかけるべきは前原への外国人献金ではないのか? それが外国人参政権推進につながっていると国会で質問すれば民主党から怒号の嵐が飛ぶのは何故なのか、もっと国民に知らせるべきではないのかね(追求した側の自民党の議員の事務所には抗議電話が殺到し、家族も身の危険を感じるほど脅迫を受けているようだが・・・常識で考えてそれが“野党議員のされること”か? 民主党支持者は狂っているのか? それとも前原氏側や民主党側はそういうヤツらを雇えるコネを持っているということか? どちらにせよ、民主主義国家のすることじゃねーし、少なくとも先進国のすることでもない)。
 “取材する権利”と“取材しない権利”を自分たちの都合のいいように振り回してきた結果が今の<新聞・テレビ離れ>だということに自分たちで気づけないのか・・・ネットが存在するせいではないのだぞ。

 リビア、数百人単位で行方不明って・・・所在確認もできないって・・・もしそれが事実なら、つまりそういう専門の場所があるということなのでしょう(過去にも虐殺されたという1000人以上の遺体すらも見つかっていないという話だし・・・まるでアウシュヴィッツではないか)。
 カダフィ大佐って昔世界から<要注意人物>とみなされてた時期があって、でもその後大きな報道がなかったような気がしたからそれなりに安定しているのか・・・と思っていたけどいきなりの報道だなぁ。 エジプトの余波のせいで顕在化しただけで、これまでも恐怖政治はずっと続いていたということだろうか。
 彼だって若い頃は国のため・国民のためにいいことをしたのだからトップの座に就いたはずだが・・・やはり権力は腐敗するのだなぁ。
 リビアは部族社会だというが・・・そうなると“国家”というかたちそのものが邪魔な場合もあるのかと思うと・・・またしても「国連、役に立たず」の図か。

 それにしても・・・もうい加減にしてほしい、子供を犠牲にするのは。
 それはサイコスリラーの中で起こる出来事であって、現実で起きてはいかんことなのだぞ! そして犯人側の事情など、汲んでやる必要はない。
 ともかく、これを機に、根拠のない「日本は平和だから」に毒された親が一瞬でも自分の子供から目を離すことがなくなればいい(三宮でもよく見るのだ、こっちがハラハラするほど子供ほったらかしでお喋りしている親らしき人。 一緒に歩いていても手をつないでない人もいるし。 さんちか大通りみたいに横道に入るにも大人でも工夫が必要なくらい人の流れが途切れない場所でそんなことしてるって、子供をひょいっと抱きかかえられて走って逃げられたら追いかけきれないよ。 だから気休めですがあたしは通過するまでその子を見てるが)。 子供のいない人間が子育てについて何か言えば「子供もいないくせに!」と叩かれますが、危機管理においてはそれは当てはまらないでしょう。
 「三歳の子がひとりでトイレにも行けない世の中なのか」とお嘆きの方もおられますが、この国は結構前からそうです。 そしてその対象は三歳の子だけではありません。 犯人特定のためだけではなく、犯罪予防の見地から監視カメラは大々的に取り付けられるべき・・・と思います。
 もう、自宅以外は公共の場所です。 そこでのプライバシーは安全と引き換えにしてまでも守られなければならないものでしょうか(が、哀しいかな、自宅だからといって安全とも限らない現状もあり)。
 ともかくも、無力な子供を守るのが最優先でしょう!

posted by かしこん at 17:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 時事問題・ニュースに思うこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月05日

冷たい熱帯魚/COLD FISH

 意外にも、シネ・リーブル神戸でいちばん大きなスクリーン。 てっきりあたしは『洋菓子店コアンドル』のほうがそっちだと思ってたんですが・・・しかし結構、客が来る。 首都圏では連日立ち見が出るほどだと聞いたけど、そういう映画が同じように神戸で流行るとは限らないしなぁと思ったのですが、あたしの予想よりもはるかにお客がいました(ちなみにこれは『英国王のスピーチ』公開前の出来事)。
 園子温作品、映画館では初めてです。 以前、『紀子の食卓』をたまたまWOWOWで途中から見てしまい・・・なんか目が離せなくなってしまった記憶あり。 この人の作品も、観客を不安に陥れるというか不穏な空気でこちらをおののかす。 ハケネとはまた違う意味で、要注意です(だから評判の『愛のむきだし』はまだなんか見れていない)。
 それで覚悟とともに見る今作。 ファーストカットから、もう投げやりな人生が全開。
 based on a true storyって出たよ・・・マジですか。

 小さな熱帯魚店を営む社本(吹越満)は妻と娘と三人暮らし。 しかしどうやら妻とは最近結婚したばかりのようで、娘は前妻との間の子供のようである(前妻の存在には一切触れられない)。 娘は高校生なのか卒業してるのか不明だがそくらいの年齢で、明らかに何もせずに遊び回ってばかりである。 食卓は一応三人で囲むも、会話もなく、娘は携帯電話で男友達からの呼び出しがあれば父を無視で途中で出ていく。 そして妻の出す食事は冷食品のみである。 明らかに問題を抱えているのに、社本は何もしない、何もできない。
 ある日、娘が万引きで捕まったとスーパーの店長から電話がかかる。 夫婦で娘を引き取りに行くが、反省のない態度に店長は怒り狂っており、警察を呼ぶという。 そこを「まぁまぁ」と取りなしたのは、地域で“アマゾンゴールド”という大きな熱帯魚店の社長である村田(でんでん)だった。
 人当たりがよくて、世話好きそうで、声が大きくて人を自分のペースに巻き込むのがうまい、そしていつしか人を支配する。 そんな人物と出会ってしまったことで、短いスパンで社本の人生は大きく変わることに。
 と、こんなところでまだ映画開始20分といったところである。 とにかく早い、展開というか行動というか。 だから社本は深く考える間もなくどんどん流されてしまったのか、もともと考えないタイプだからこの流れに巻き込まれてしまったのか、観客もただただ怒濤の展開に流されていくだけである。

  冷たい熱帯魚2.jpg なにしろまともな人が誰も出てこない。

 更になにしろR+18指定なので、エログロさ加減が容赦ない(まぁ、だからこそのR指定ですが・・・)。 こちらが受け止める前にどんどん先に進んでいくので、気持ち悪いとか考えるゆとりもない。 それも、ある意味すごいなぁ。
 あたしはてっきり北九州の事件がネタモトかと思ったので、「ニュースで聞いたのよりつらくないわ」とむしろ安心してしまったのだが、実際は“埼玉県愛犬家連続殺人事件”がネタモトであるらしく、かなり実際の事件そのものの流れに近いストーリーらしい。 この事件の発覚後、国内では阪神大震災・地下鉄サリン事件と立て続けに大事件が起こったためにマスコミはあまり報道をしなかったそうで、確かにあたしも知りませんでした(大阪の方は記憶にあるけれど)。
 おぞましいことも恐ろしいことも、目の前にしてしまえば人の感覚は簡単に麻痺する。 なによりもこんなことをする人間が確かに存在する、という事実はどうしても否定できないわけで、気持ちが悪いとかといって避けて通れないんだなぁと考える。
 あたしは他人を操ったり利用したりいらなくなったら簡単に捨てて「透明にする」ことによろこびを見い出したり、それが自分のために必要なことなんだと考えたりはできないが、実際そういうヤツはいる。 こればかりは、どうしようもない。 あとはいかに関わらずに対処するか。 この映画はそんな究極の人生指南でもあると思う。
 面白いです、と堂々と言うのはうしろぐらい気持ちになるが、かといって面白くないことはなく、144分をあっという間に持っていく力も確かにあり、むしろ実際の事件がベースだからかそれ以上に重いものを付け加えることができなかったのか、“突き詰められた悲惨さの中にある滑稽さ”がにじみ出てしまい、ラストにはなんだかわけがわからないのだが爽快感すら漂ってしまうのだ。
 誰も救われないのに。 希望なんてかけらもないのに。
 所詮、人間は人間でしかない。 高尚でもなんでもないただの生き物にすぎないのだ、という事実を確認するかのように。

  冷たい熱帯魚1.jpg 久々に、抑えた演技で。

 吹越満はいつもの怪演を封印し、ただ流されてしまうことに戸惑う男を静かな佇まいで体現。 でも、実は最初から壊れてるんですけどね(年頃の自分の娘と3歳しか違わない女と結婚するか、普通)。
 が、いちばんすごいのはでんでん氏である!
 いつもわりと「とにかく人のよさ丸出しな人・もしくはいい人っぽいが裏に姑息っぽいところがありそうな人」という雰囲気を出す役者ではあるが、今回はその中にある“いい人さ加減”と“自覚のない狂気”とを同居させたキャラクターとして普通にいる、というすごさ。 裏の顔と表の顔、とわかれてはいない状態をナチュラルなのかハイテンションなのかもわからない絶妙なリアルさで表現(こんな人、どっかにいそうと思わせるのだ、これが)。 わかりやすくたとえるならば、『悪人』における妻夫木くん以上の覚悟と努力が必要だっただろうこの役を、彼はいわば普段の2時間ドラマに出るのの延長線上で演じているように見えるのだ(2時間ドラマがのんきな仕事だと言ってるんじゃないですよ。 つまりはそれくらい、「演技することに必要以上に意識してないように見える」ということです)。 そんなことがあるはずないのに!
 彼を主演男優賞に呼べるか?、日本アカデミー賞よ!
 黒沢あすかさん、お久し振り・・・と思ったら「えっ!、そんなエロいほうにいっちゃって大丈夫?」と女優生命を心配したくなる鬼気迫る熱演ぶり。
 この三人、すごすぎます・・・。

  冷たい熱帯魚3.jpg “熱帯魚”のイメージ変わるわ・・・。

 見終わった後は結構平気、って思ったけど(なんかすごく気持ち的に疲れたけど)、「小さい水槽がいっぱい並んでるお店にはちょっと入りたくないな・・・」と気がついたら感じており、がっちりトラウマになった模様。
 でもベースが同じく日本人のセンスだからですかね、ハネケより不快感は少ない感じがしますよ(比較してどーするよ)。
 問答無用の問題作、という看板に偽りなし!

ラベル:日本映画 映画館
posted by かしこん at 02:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月04日

愛する人/MOTHER AND CHILD

 もしかして、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥはロドリゴ・ガルシアとギジェルモ・アリアガに同じ題材で競作させたんじゃないか。
 そう思いたくなるほどこの映画、『あの日、欲望の大地で』と基本設定が同じ。
 でもそれ故に二人の違いが際立って感じますが(あたしはサスペンスフルな『あの日、欲望の大地で』のほうが好きだなぁ)。

 母を自宅で介護しながら、まさに「母親の世話のために生きてきた」カレン(アネット・ベニング)は介護と仕事に明け暮れるだけの日々を送っていた。 しかし彼女は14歳のときに出産した過去を持ち、その手放した娘のことを片時も忘れることができない。

  愛する人5.jpg 誰にも心を許さない、凍った心。

 一方、弁護士のエリザベス(ナオミ・ワッツ)は仕事では有能さを見せながらも誰かと精神的に深い関係を築くことができず、自分のエリアに踏み込まれそうな危険を感じるとすぐその事務所を辞め、別の事務所で働く。 様々な土地を渡り歩きながらも、必ずしばらくするとLAに戻ってくる。 生まれてすぐ養子に出されたのがこの街だから、母親が自分を探すとすればこの街だから。
 うわー、改めてこうやって書くと、重いわ。
 カレンもエリザベスも、最初から満たされていない不幸の風情。
 カレンは職業も介護士なのだが、仕事に行っている間に家のことを頼んでいるヘルパーの女性が子供を連れてきていることを知ると事情も聞かず激怒。 自分の母親がその子供と楽しそうにしているところを見て深く傷つく。 常にピリピリしていて余裕がなく、仕事仲間とも言葉遣いに過敏に反応してしまうため心から打ち解けられない。 カレンを気にかける新任の同僚の男性からのアプローチにも自意識過剰な思春期ばりの返事しかできない自分に落ち込んだりする。
 エリザベスは隣家の新婚夫婦、特に妻の無邪気さが癇に障り、その夫を誘惑するという行動に出る。 あまりに手慣れた様子から、こういうことをずっと繰り返してきてるんだろうなぁ、とわかる。 あまりに、あまりにわかりやすすぎる人物造型ではないでしょうか。 しかしそこはアネット・ベニングとナオミ・ワッツなのでしっかりリアリティを表現してくれてます。
 この二人を中心に、様々な“母親と子供(特に娘)”の関係がタペストリーのように織りあげられていく。 だから、「誰かに感情移入できますよ」という親切設計でもあるのかも(しかしあたしはいなかったよ・・・)。
 女ってなんでこんなに家族とか人とのふれあいに心を砕かねばならないのか、そんな疑問もわいてくる。 それはすなわち“子供を産む性だから”。
 それがすべてのやっかいごとの原因な気がする・・・とあたしは思った。
 監督のロドリゴ・ガルシアはあのガルシア・マルケスの孫だそうで・・・全然知らなかったよ。 でもそういう七光り的なもので出てきた人なのだろうか。  知らないって先入観がなくていいですね。
 ただ残念なことに、若干紋切り型の男女像が物語を「よくある感じ」にしているような気がしないでもなく。 女性を中心に描いたためか、男性は結果的に自分勝手かもしくは絶対的に女性を支える存在としてしか出てきていないような。
 デヴィッド・モースのいきなりの登場(しかもあんな役で・・・)にはびっくり。 何故そんなダメ男で・・・。

  愛する人6.jpg 自分では子供が産めないと受け入れた女性は養子をもらうことになるが・・・土壇場で「自分と血の繋がった子供がほしい」と言いだすのは男。 女には、もう母になる気になってしまった女にはそんな理屈は通じない。 そうなったら切り捨てられるのは男のほうである。

 ただ、“母性は強い”、という幻想を助長する場面には「ちょっとそれは・・・」となる(育児ノイローゼ寸前の女性に「あなたは母親なんだからしっかりしなさいよ」と一喝、女性は目が覚めたような顔をする、とか。 実際はそんな簡単にいくものじゃないわよ〜。 そのあたりのケアもちゃんと描いてほしかった)。
 そして「子供は希望である」というまとめは・・・そうなんだけどさぁ、それ以外ないのかよ、と思ってしまうのだった。

  愛する人4.jpg 結局のところ、子供よりも親のほうが生きるのは楽なのでは? 忘れていなくても、忘れたふりはできる。 自分の選択や決心に、理由をつけることができる。 けれどそれを知らされることのない子供は・・・どうしたらいいのか。

 まぁ、あえて淡々と描き過剰に泣かせない方向というのは好ましいし、ノーメイク?なアネット・ベニングは顔のしわもシミもアップでさらし、けれど徐々に表情豊かな女性になっていく姿を堅実に演じており、賞には恵まれないが年齢に負けないいい女優さんだなぁ、と思う。 それに比べるとナオミ・ワッツはちょっと損な役回りではあるけれど、冷たさを感じさせる美貌がぴったりの役でもあったし、ずるい人かと思いきや実はいい人だったサミュエル・L・ジャクソンもかっこよかった(しかし大人すぎるというか・・・最終的に相手に理解を示しすぎるのはエリザベスのためによかったのかなぁという疑問は残る)。

  愛する人3.jpg この関係がうまくいってたら・・・彼女は救われたかもしれないけれど、でもその手を振り払ったのもまた彼女の生き方だ。

 そう、この映画を触媒に、いろいろなことを考えさせられる(それがある意味「いい映画」なのかもなと思う)。
 自分は何故生まれたのか? ・・・知らない、そんなこと。
 何故生きるのか? ・・・生まれちゃったから、仕方なく。
 「最高の復讐は、自分が幸せになること」、だとよく言われる。
 けれど、幸福を知らない人間は一体どうしたら人生最高の復讐ができるのか。
 それでも、妊婦のおなかをさわりながら「人の中に人がいるのね!」と素直に感嘆できる少女の素直さを、あたしは美しいと思いました。

ラベル:映画館 外国映画
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2011年03月03日

三寒四温といいますが

 このまま暖かくなってしまうのだろうか、と思っていたらまた冷え込んでみたり(明日の日本海側は雪マークだったなぁ)。 今朝は、昨日とは違う陽光が差し込んでおり、通勤途中のある公園ではハトたちがみな同じ方を向いて微動だにせず、しかもなんとなく等間隔で、暖かさを受け取っている。 まるでちょっとみんな微睡んでいるかのように(ポカポカ陽気に目をつぶっちゃってる感じというか)。
 そんな微笑ましい光景を見たらつい写真に撮りたいなぁ、と思ってしまうじゃないですか。 だから立ち止まって、カバンから携帯電話を出したら・・・その気配が伝わってしまったらしく、逃げるのかと思いきや彼らはわらわらとあたしのまわりに集まってきたのだった。

  ハト、集まる (2).JPG その結果が、この写真。
   レンズを向けて、シャッター切るまでの間にここまで動かれた。

 どうやら、“エサをあげる人”に間違われたらしい。
 というわけで微笑ましい光景は一転し、『鳥』になったのだった。
 そしてここ最近、見慣れない鳥がいる。 明らかに大きさが違うのにスズメの群れに紛れ込んでしらんふりしたり、奇妙な単独行動をとっている。 あの特徴ある白い眉毛のような色・・・図鑑で確認。
 もしかして、あれはツグミか?
 ハトが多いせいかこの公園にはヒヨドリは近寄らないのよね(ツーブロック先の公園と呼ぶにはつつましい遊び場あたりで時々姿を見るのでテリトリーが違うのだろう)。 だからあのツグミはのほほんとしてるのかも。
 あたしの腕と携帯では写真には撮れないけど、そんなツグミとスズメが一緒にいるところを朝から見ると、なんだかにやにや笑いが抑えられないのだった。
 端から見たら、あやしい人だ。

ラベル:季節もの
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2011年03月02日

ザ・タウン/THE TOWN



 なんだかすごい一本だと前評判が先走る映画は微妙に要注意。



 でもピート・ポスルスウェイトを見る機会はこれが最後!、ということで銀行強盗



映画が特に好きなわけではないんですが・・・見ました。



 ボストン北東部にある“チャールズ・タウン”はアメリカ一の銀行強盗発生率を



誇る(?)町。 銀行強盗を“家業”(まさにファミリービジネス!)として代々受け



継いでいる一家もいくつもあり、裏社会のネットワークは十分張り巡らされている。



   仲間であり、もはや家族。



 そんな中でもダグ(ベン・アフレック)をリーダーとする4人組は用意周到さと



堅実な仕事ぶりで仲間内でも評価の高い“銀行強盗のプロ”であった。 しかし



幼馴染でメンバーでもあるジェム(ジェレミー・レナー)は激情型で、ある銀行を



襲撃した際に副支配人にひどいけがを負わせてしまい、タイミングが狂ったため



予定になかった行動(女性支配人を人質にして逃走)をすることに。



 勿論支店長のクレア(レベッカ・ホール)はその後無事に解放されるが、当然彼女は



PTSDに。 クレアには目隠しをし、強盗団はものすごいマスクをしていたから顔を



見られた心配はないが、車の中で会話を聞かれたし声を覚えられたかもしれない。



 そしてクレアがチャールズ・タウンに住んでいることを知ったダグは彼女の記憶を



確かめるために近付くが、彼女と恋に落ちてしまい・・・という話。



   出会いが少ない世代はガードが甘くなるのか?



 あらすじだけ拾うと「いつの時代のメロドラマやねん!」ですが、ベタに感じることも



なく意外にしっかり見れました!



 まずは銀行強盗用のマスクのおかしさ&不気味さ、半端じゃないです。 そんなの



どっから調達する! それから足はつかないのか?(ゴム顔の尼さんがマシンガン



持ってるところを見てしまった子供・・・トラウマだよなぁ) 自分たちの顔は見せないと



いうのは徹底してるけど、それで十分な視界は確保されるのか?(でもそこはちゃんと



考えられてるっぽいんだよな〜。 そこが『SP野望編』とは根本的に違うところ)



   逃走用車両は複数用意。 



 とはいえ手口は見事です(見事すぎて真似しようとする人も出ないと思う)。



 職業?が銀行強盗だというだけで、ダグの仲間4人組のチームワークというか



それぞれの愛すべき性格まで描かれちゃうと、非常に困ります。



 それに対して、彼らを追うFBIチーム、地味すぎる・・・。



   協力するべきなのか、振りだけしておくのか。



 子供は親を選べないように、生まれてくる国も町も時代も選べない。 一度は



その町に染まりかけたけど、けれどそれに逆らって生きてみたくなってなにが悪い?、



という開き直りにも似た感覚。 ベン・アフレック、『グッド・ウィル・ハンティング〜



旅立ち』の不良青年から成長したんだね、という感じもちょっとします。 かつてプロの



アイスホッケー選手として華やかな未来も約束されかけたけど、結局挫折してしまった



屈折感とか『湖は餓えて煙る』のガスにも通じるかな〜(アメリカにはそんな男が



いっぱいいるのか!)。



 しかしそれはダグの事情。 この町から出る気はない・仕事を降りる気もない



ジェムにはそれが裏切りにしか映らない。 そのあたりはそれぞれの「男の美学」が



炸裂しておりまして見応え充分ですが、よく考えたら(女から見たら)どっちも



自分勝手ですよ・・・。



 それにしてもジェレミー・レナー、ブレイクしてよかったね!



 『ハート・ロッカー』とはまったく違う役をこんなにぴったりやってのける怖さは



あれがまぐれではなかった証拠です!



   意外にもこんなに身長差あり!



 そして地味な花屋のファーギー(ピート・ポスルスウェイト)がボスの仕切り屋で



・・・怖いのなんの。 ほとんど表情が動かない、淡々としつつ恐ろしいものを



秘めながら花を切る。 なんだかもう、「強盗は悪いことです」的なごく普通の



理屈すら通用しないおそろしさ。



 なんなんですか、あなたたち、なんなんですか?、と聞いてしまいたくなるほどだ。



 ラストに収斂していく壮絶なアクションは見ごたえありなんだけど、よく考えたら



「それで解決にしちゃっていいの?」と疑問も巻き起こる。



 お金とオレンジを残される側の気持ちも考えてほしい(まさに、男の美学は男の



身勝手さと表裏一体だなぁ、と思った瞬間)。



 まぁ、女のほうも勝手なんですけどね。



   ブレイク・ライブリー、『ゴシップガール』とは

    違う役をやりたかった、とヤク中のシングルマザーで御出演ですが・・・

    いやいや、『ゴシップガール』でも十分ビッチな役だと思いますが?



 しかし主役はタイトル通り“町”なのでしょう。 ちゃんとエンディングには「チャールズ・



タウンにはまっとうに暮らしている人たちがほとんどだ」的コメントが流れ、この町で



普通に暮らす人々に感謝と愛情が捧げられている。



 だがそうすると「銀行強盗が家業」な人々の立場は・・・なんか倫理観が中途半端な



感じが残り、それがいまひとつ入り込めなかった理由かなぁ。



 ベン・アフレックは「次世代のクリント・イーストウッド」との呼び声高いみたいですが



・・・だったら今回は主演せずに、監督に徹するべきだったかも。 ジェレミー・レナー



との気迫や演技力の差がありすぎて、それが必要以上に“ダグの甘さ”を伝えちゃった



ような気がする。


posted by かしこん at 01:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする