2011年02月08日

アメリア 永遠の翼/AMELIA

 アメリア・イアハートは女性として初めて単独大西洋横断に成功した飛行士で、現代でもアメリカ女性のアイコンである。 なんで知ってるんだろうと思ったら、リンドバーグ関連本によく名前が出てきていたからだった(リンドバーグの妻と仲がよかったとか、リンドバーグに比べれば性格はよかったとか)。
 あ、『ナイトミュージアム2』にも出てきましたよね。 とりあえずアメリカでは伝説の女性のようです。

  アメリア1.jpg 実話・ビッグネームと揃っているのに小規模公開?
 ヒラリー・スワンク自らエグゼクティブ・プロデューサーになっているので念願の企画だったのか、ほぼすっぴんもしくはメイクダウンでの熱演ですが・・・なんか、TVでやる偉人の伝記ドラマみたいだった・・・なんで?
 とにかく飛ぶことが好き、なアメリアに1928年あるチャンスが訪れる。 出版プロデューサーのジョージ・パットナム(リチャード・ギア)から「大西洋を横断する飛行機に乗らないか」と話を持ちかけられたのだ。 自分で操縦する気のアメリアだが、ジョージはあくまで「操縦はこちらが用意した男性飛行士、君はその司令官として乗ってくれればいい。 そして手記を発表してくれ」と。 つまりはお飾りの女性進出なのだが、これもチャンスをつかむための足掛かりとしてアメリアはOKする。
 そして目的地アイルランドではなくウェールズに到着したが、大西洋横断そのものは成功。 一躍有名人に、英雄になるアメリア。
 なにしろびっくりなのが、当時の飛行機の貧弱さである。 張り子か?な機体。
 勿論計器の類はお粗末なものだし、自分の位置確認は目視! 無線は肝心な時に通じなくなるレベルだし、軽量化を優先してモールス信号器も積んでない。 のちに単独世界一周飛行(とはいえナビゲーターは同乗)に乗り出すときも機体がちょっと丈夫になったかな、ぐらいで機器の劇的な能力向上は感じられなかった。 まぁ、かつてのアポロ計画に使われたコンピューターもファミコンより低性能だったそうだし、今から考えたら恐ろしいことをやっていたんだな昔の人は。 知らないことが勇気につながるのか、でもアメリアは最初からあまり安全性に注意を払っているようには感じられなかったなぁ。

  アメリア2.jpg エンディングで出るご本人の写真とかなり似てます!
 どうしても伝記ドラマっぽさが抜けないのは、起こった出来事を追いかけるけれどもそこに至る心情があまり描かれないから。 第一印象最悪のアメリアとジョージが一体いつ恋に落ちたのか? ジョージの告白があまりにもいきなりでこっちはびっくりだし、アメリアもあっさりそれを受け入れるのはなんでなの? どこにそこにつながるシーンがあるの? そうかと思えばアメリアは浮気(ユアン・マクレガー、これだけのために出るとは・・・)、進歩的な女性は貞節なんかに縛られないのよということなのか、単にアメリアが愛の重さを理解していないだけなのか不明(男がやって許されることなんだから女もやって当然よ的論調のフェミニズムは困るんだよな・・・男も女も関係なく、人としてどうかという問題です。 そして「男なら許される」という方向を非難すべきなのだが)。 このへんの葛藤も、結構あっさり。

  アメリア4.jpg ほんとになんのために出てきた、という役だったなぁ。
 怒るがすべてを許すジョージは“よくあるリチャード・ギア”で特に新鮮味もないし・・・むしろアメリアに憧れて飛行士を志す若い娘が強気かつチャーミングで、彼女のことももう少し描いてほしいと思った(ちなみにどこかで見たことがあると思ったその女性、『アリス・イン・ワンダーランド』のアリスの人でしたがこっちのほうがイキイキしててかわいかった!)。
 まぁ終盤の世界一周飛行になって、給油のために降り立った各地の人々との交流とか宇宙飛行士の帰還みたいだし(今だったら領空侵犯とかいろいろ問題になるのかもだけど、飛行機そのものの黎明期だからなぁ、ということが実感できた)、どこにも陸地が見えない大海原に小さな飛行機がぽつんと浮かんでいるような不安をかきたてる光景とかいい場面が出てきましたが・・・いかんせん遅すぎます。
 そんなさなかでのジョージとアメリアの無線での会話で、やっとこの二人の愛の強さを認識できるわけなんですが(というかここにきてわかるあたしがニブいのか?)、なんだかジョージがかわいそうになってしまう。

  アメリア3.jpg 多分こういうところがギア様ファンにはたまらず。
 「あなたのことは愛しているけど、自分の夢のほうが大事」といわれてしまった側(男・女に限らず)は納得できない気持ちがあっても引き下がるしか選択肢はないもの。 あたしはジョージの側の人間であることをしみじみ再確認させていただきましたよ。
 しかしアメリアが今もアメリカ女性のアイコンであり続けているということは・・・やはり「女性だから」という理由で何かをあきらめてしまわなければいけない人がまだまだ多いということなのか、彼女のように自分のやりたいことを迷いなくしたいという人が多いのか、どっちなんだろう。


追記:『英国王のスピーチ』、フルバージョンの予告を見ました!
 ジェフリー・ラッシュのうまさがそれだけでわかってしまい、なんか腹が立つ。
 あなたもうオスカー持ってるでしょう! しかし今回の役、どうもなんか印象が・・・と思ったら気づいた。
 岸部一徳さんに、似ています!

ラベル:映画館 外国映画
posted by かしこん at 02:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする